@IT自分戦略研究所 編集部が、エンジニアライフのおすすめコラムをピックアップします。

帽子屋さんから、プロとしての心意気を教えられる

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 本音が語られるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。本記事では、おすすめコラムを厳選して紹介する。

  • 【考え方】“アラサー”IT系女子 vs マッドハッター
  • 【働き方】バラバラエンジニアのプロジェクトマネジメント(2) ~製品コンセプトと青写真~
  • 【考え方】スマートでないスマートフォン市場でWindows Phoneはどうなる?

【考え方】“アラサー”IT系女子 vs マッドハッター

 何らかの職について働いていれば、誰でもその道のプロということになる。就職したばかりの方はピンと来ないかもしれないが、周囲はそう見ているのだ。そして、何年も働いているとプロとして譲れない部分というものを持つようになることも多い。今回はプロとして働くことがどういうことかを教えてくれるコラムを紹介しよう。

 ここ数回、さまざまな業界の職人に話を聞き、気付いたこと、感じたことをコラムにしている『“アラサー”IT系女子の来し方行く末』組長氏。今回は京都でオーダーメイドの帽子を作成している加藤憲司氏のお店を訪ねた。

 加藤氏は自身のことを「職人だなんておこがましい。あえて言うと『ものづくりが好きなアラサー男子』かな、と思っている」という。そして、「職人というより、ひたすらに『ものづくり』が好き。人生を懸けて、『(一生付き合える)手作りの趣味』を探し続けているのかも」と自身の人生観を語る。

 修行したわけでなく、我流で作っているので、職人なんておこがましいと謙遜する加藤氏だが、帽子を作成することを職業としているので、明らかにプロである。そして、その加藤氏にプロとアマの違いを聞くと「お金をいただくことに対しての責任が伴う点が違う」という。

 さらに加藤氏は「お客様からのオーダーを満たしつつ、『自分が満足のいくクオリティに仕上げたものしか渡さない』というポリシーを貫く」という。こういう姿勢に共感する人も多いのではないだろうか。「動けばいい」とだけ考えて仕事をしているエンジニアもいるかもしれないが、メンテナンスなど、後々のことまで考えて仕事をしてこそプロだ。

 最後に加藤氏はこう語る。「きれいごとのように受け取られるかもしれませんが、自分が死んだ後にこの世に残るものなんて誰かの中の思い出や記憶だけだと思うんです。だけど、僕にはそれら以外にもう1つ「帽子」という分身をこの世に残せる。モノを造り売るということは自分にとってはそういうこと」。自分が死んだ後も、「これはあの人が作った」としばらくの間でも言われるようなものを作れたら、エンジニアとして幸せなことではないだろうか。

【働き方】バラバラエンジニアのプロジェクトマネジメント(2) ~製品コンセプトと青写真~

 カレンコンサルティングの世古雅人氏と渡邊清香氏による『「プロセスコンサルティング」のススメ!』。前回はメンバーがバラバラなうちにプロジェクトをスタートさせて、混乱していく様子を書いていたが、今回はバラバラなメンバーを束ね、プロジェクトを成功に導くためのポイントの1つを紹介している。

 プロジェクトをスタートさせる前に、マネージャはそのプロジェクトの目的と、ゴールをメンバー全員にイメージさせることが何よりも大切だという。これができないと、メンバーは自分の立ち位置だけで話をするので、プロジェクトが混乱していくそうだ。

 ここで話は、自動車のエアバッグの加速度センサーに話に飛ぶ。加速度センサーという小さい部品でも、メンバーの間で目的とゴールを共有できていれば作るメンバーの取り組み方も変わるという話だ。

 ある自動車メーカーの下請け業者に加速度センサーについて聞くと「こんなちっぽけな部品でも、不良があったら命にかかわることだから絶対に手は抜けない」という。一方、ほかの自動車メーカーの下請け業者は「この部品が何に使われるか分からないけど、マニュアル通りに作っているよ」という。それぞれのメーカーの自動車が後々、どのように仕上がってくるか見えるような気さえしてくる。

【考え方】スマートでないスマートフォン市場でWindows Phoneはどうなる?

 佐藤環氏『成長する技術と衰退する技術、そして期待する技術』では、スマートフォン市場の中でWindows Phoneがどうなっていくかを予測している。

 Windows Phoneというと、目新しいGUIや、Facebookなどのソーシャルメディアとの連携機能などで注目を集めたが、まだまだ普及しているとは言いにくい。日本では、auが1機種発売しているだけだ。しかし、米国の調査会社であるIDCは、2015年のスマートフォン市場では、Android搭載機が43.8%のシェアで首位を占め、Windows Phoneが20.3%、iOS搭載機が16.9%で続くと予想している。つまり、4年後にはiPhoneよりもWindows Phoneの方が多く売れるようになるということだ。

 佐藤氏も、Windows Phoneは成功すると予測している。その根拠をいろいろ挙げているが、「開発者からみていかに魅力的に映るかが重要」という指摘は見逃せない。まず、iPhoneやAndroidと比べると、Windows Phoneはアプリケーションを販売する場であるMarketplaceの審査基準が明確であり、Windows Phoneのハードウェアやソフトウェアの仕様が明確なので、開発者にとっては安心してアプリケーションを開発できるという。

 そして、開発にVisual StudioとC#などの言語を利用できる点も大きいという。企業向け情報システムの開発でも利用できる言語で、アプリケーションを開発できるのは確かに便利だ。

 佐藤氏のプロとしての見立てでは、Windows Phoneは普及する素地を持っているということになる。しかし、現状を見ると普及している様子を想像しにくいのも確かだ。読者の皆さんはどう考えるだろうか。

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