@IT自分戦略研究所 編集部が、エンジニアライフのおすすめコラムをピックアップします。

追悼 スティーブ・ジョブズ氏

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 2011年10月5日アップルは、同社の創業者であり、前CEOの スティーブ・ジョブズ氏が亡くなったことを明らかにした。同氏がIT業界の発展のために、語り尽くせないほどの実績を残してきたことはいうまでもないだろう。@IT編集部一同、心から哀悼の意を表する。

 さて、本音が語られるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。本記事では、おすすめコラムを厳選して紹介する。

  • 【考え方】Windows 8の開発者向けプレビューから考える、新しいものが見せること
  • 【働き方:新連載】バラバラエンジニアのプロジェクトマネジメント(1)
  • 【新連載】勉強会の難しさ Vol.1

【考え方】Windows 8の開発者向けプレビューから考える、新しいものが見せること

 マイクロソフトは2011年9月14日、同社の次期OS「Windows 8」(開発コード名)の開発者向けプレビュー版の無償ダウンロード提供を始めた。新しいWindowsの登場が近くなっていることを示す恒例行事だ。早速ダウンロードして試している人も多いだろう。

 『地方からの戯言』Ahf氏もその1人だ。PCにインストールして、過去のソフトウェア資産の検証や新技術の調査を進めているという。

 Windows 8といえば、タブレット向けの新しいユーザーインターフェイスである「Metro」が注目を集めている。マイクロソフトにとっては、iPadとAndroid端末で占められているタブレット市場に割り込むための意欲作と言えるだろう。

 Ahf氏も、「新しいものが登場することは、非常に刺激的だと思います。そしてその刺激がなければ発展することが難しくなるのではないでしょうか」と新技術の登場を肯定的に捉えている。

 しかし氏は、「今回の新バージョン登場においても、否定的な意見を目にすることが多々あります」と書いている。Windowsの新バージョンが現実のものになろうとするとき、いつも繰り返す騒ぎだ。特に、「後方互換性が心配」とか「新しいOSなど望んでいない」と言う人は多い。

 マイクロソフトとインテルは、新しい製品を出すときにできる限り後方互換性を確保するように心を砕いてきた。この努力の結果、「Wintel」と呼ばれる世界ができたといっても過言ではないだろう。

 しかし、後方互換性を保つにも限界がある。最近ではWindows Vistaが登場した時の評判は散々なものだった。最後まで主流のOSとなることはなく、最近になってようやくWindows XPから一足飛びにWindows 7へ移行する人が増えてきたという感じだ。Windows 7が登場するまでの間に、Windows Vistaで動作しなかったソフトウェアのベンダとユーザーがようやくあきらめたというだけかもしれないが。

 マイクロソフトに比べるとアップルは後方互換性をあまり重視していない。Macintoshのプロセッサは2回変わっているし、Mac OS X登場時は、旧来のMac OS向けのソフトのうち相当数が動作しなくなったという。Windowsでこんなことをしたら大騒ぎになるに違いない。

 しかし、アップルユーザーは「仕方ない」と捉えて旧版のOSを使い続け、機を見てMac OS Xに乗り換えるという人が多かった。不満を抑えつけてしまうほど、旧版のMac OSに比べてMac OS Xは素晴らしいものであったのかもしれない。しかし、その決断を下し、Mac OS Xを軌道に乗せることができたのはジョブス氏だけだっただろう。

【働き方:新連載】バラバラエンジニアのプロジェクトマネジメント(1)

 カレンコンサルティングの世古雅人氏と渡邊清香氏によるコラム『「プロセスコンサルティング」のススメ!』が9月28日から始まった。10月5日には早速第2回を公開している。

 世古氏はハードウェアエンジニアを振り出しに、企業の経営企画に携わるようになり、2009年5月にカレンコンサルティングを設立し、コンサルティング活動を展開している。コラムは、氏がハードウェアエンジニアだったころの経験を生かしたものになっている。

 プロジェクトを開始してみると、予想通り大混乱。マーケティング部門からの新製品要求は膨大な数になり、開発期間は短い。人海戦術で乗り切ろうとするが、メンバーのうち1人として製品の全体像を理解していない。ソフトウェア担当とハードウェア担当は責任をなすりつけあうばかり。こんな状態ではトラブルが絶えず、開発もまともに進まないだろう。

 こういうプロジェクトは延期を繰り返し、結局お蔵入りとなることもある。ジョブス氏復帰前にアップルが開発を進めていた次世代OS「Copland」(開発コード名)も迷走を続け、結局お蔵入りとなった。その結果、アップルを離れてNEXTSTEPを開発していたジョブス氏の企業をアップルが買収することになり、NEXTSTEPが後のMac OS Xとなる。

 ソフトウェアの開発は本質的に難しいものだと言ったのは、人月の神話のフレデリック・ブルックス氏だった。NEXTSTEPや、後のMac OS Xの開発にも幾多の困難があったはずだ。その難しいプロジェクトをジョブス氏がどのようにまとめて、仕上げていったのか。残った関係者にぜひとも聞いてみたいと思う。

【新連載】勉強会の難しさ Vol.1

 10月3日から、バジル氏の新連載『4年後、『プレイングマネージャ』の君へ』が始まった。

 連載初回のテーマは「勉強会の難しさ」。社内勉強会を主催してみたところ、難しいと感じることが多くあったという。詳しいことは次回以降で語ってくれるそうだ。注目していきたい。

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