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ベンダエンジニアリング

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その昔、電力会社出身の当時の社長から「ユーザエンジニアリング」というものを教えてもらった。電力会社は重電メーカから設備を購入し運用するビジネスを行っている。リスクヘッジ観点から設備を購入するメーカは1社に偏らせず、各社から均等に購入している。各社の設備を大量に購入して運用していると、メーカ事の特性が見えてきて、運用という観点ではメーカのエンジニアより詳しくなりメーカ側にフィードバックするそうだ。これを「ユーザエンジニアリング」とその方は仰っていた。

Googleも自社のデータセンタで使っているHDDの運用データを分析し故障傾向を調査したところ、アクセス頻度が高いディスクが必ずしも故障しやすいとは限らない、など、これまでの通説を検証しそれを覆した論文を発表している。

トヨタでは、市販の設備や機械を仕様書通りに使って、カイゼンや工夫をしない技術者を「カタログエンジニア」や「仕様書バカ」などと皮肉られると聞く。

最近驚いたのは、通販大手のジャパネットたかたは、家電の修理を自前で行っておりコールセンターの担当がその経験をしたり、メーカに改善要望をフィードバックしたりしているそうだ。

メーカ(作る側)ではなくユーザ(使う側)がもつ知識や技術、スキル。これを「ユーザエンジニアリング」というのであろう。

一方で我々は、システムを開発し、お客様に販売導入しているメーカでありシステムベンダーである。お客様からみれば我々は数多あるシステム商品のOne Of Themでしかないが、我々はシステム導入を通して多くのお客様の業務、営業や経理、労務などを見る。そこで蓄積される業務への知見もある。これは「逆ユーザエンジニアリング」というか「ベンダエンジニアリング」というか、大切だと思う今日この頃。

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