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上司が指導者になることへの警鐘

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案件に問題が発生すると、案件担当者をその上司が「指導」している場面をよく見かける。○○をしなさい(なぜ、○○をしないのか)、××をしてはダメだ(なぜ、××をしたのか)。そして多くの場合、「指導」の結果その案件の問題が解消されることはなく、あいつはダメだ、という上司の案件担当者への非難で終わる。

部下への指導は上司の役割ではあるが、上司の役割はそれがすべてではない。案件で問題が発生した場合に最優先すべきことは、その問題を解消することである。しかし、案件で発生する問題は、必ずしも案件担当者に起因するものとは限らないし、よしんば案件担当者が原因で発生した問題であったとしても、顕在化した問題は案件担当者をいくら「指導」しても解消はしない。

「指導」という言葉を辞書で引くと、「ある目的・方向に向かって教え導くこと」とある。ということは上司が部下の案件担当者に行う「指導」とは、本来、案件で部下が起因する問題が発生しないように、教え導くことではないだろうか。

それでも案件では問題が発生する。基本的に部下起因ではない問題なので、上司は「指導」ではなく、一緒に問題解消に取り組まないといけない。もしくは、部下を指導して、問題の解消法を教え導くことも考えられる。

でも、それができない。それはきっと、上司自身が発生した問題を解消する術を持っていないからだ。だから「指導」もできない。要は、本来ならば問題が起こらないようにする「指導」を、起こった後に行う後出しジャンケンをやっているだけ。これでは問題は解消しない。挙句に、あいつはダメだ、と責任を部下に押し付けている。

だから、上司が指導者になったときは気を付けないといけない。

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