街で見かけたガジェットを分解してわかったこと・わからないこと色々レポート

第22回: 予想以上にちゃんとしている? 330円で買える「人感センサーライト」を分解してみよう

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こんにちは。「100円ショップのガジェット」を中心に電子機器を色々と分解をしているThousanDIYです。
このコラムでは、これまで分解したガジェットの中で興味深かったものをダイジェストで紹介していきます。


はじめに

100円ショップでもよく見かける、「人が近づくと自動で点灯するセンサーライト」、今回はダイソーで300円(税別)で購入したものを分解してみました。

パッケージと製品の仕様を確認してみる

ダイソーの「センサーライト」は、最近ダイソーでよく見かける茶色い台紙のブリスターパックで販売されています。中央には半透明のカバーで覆われた人感センサがあります。

01_LEDライトのコーナーで発見

ブリスターパックで販売

台紙の表面には簡単な仕様、裏面には取扱説明が記載されています。

輸入・販売はガジェット類の企画製造卸をやっている「株式会社グリーンオーナメント」(https://www.green-ornament.com/)です。100円ショップでよく見かけるこのパッケージはグリーンオーナメント製品の共通カラーのようです。

02_パッケージ台紙の表示

パッケージ台紙の表示

本体を分解してみる

外観を確認する

本体の正面にはライト用のLEDと人感センサ・明るさセンサが配置されています。

背面には単4電池x3本の電池ボックスと動作モード切替スイッチがあります。動作モードはOFF・AUTO(自動で30秒点灯し消灯)・ON(常時点灯)の3モードです。

スクリーンショット 2020-12-09 21.27.54

センサーライト本体

本体を開封する

本体は背面の四隅の固定用のビスを外すことで開封できます。

スクリーンショット 2020-12-09 21.30.15

開封した本体

メインボードは背面の成形品にビスで固定、固定ビスを外すと下にスイッチボードがあります。

LEDはアルミ基板上にCOB(Chip on Board)実装されたモジュールで、アキシャルリードタイプの抵抗(6.8Ω)を経由してリード線でメインボードと接続されています。

スクリーンショット 2020-12-09 21.34.02

メインボードを外した状態

実装されている部品を調べてみる

次に基板に実装されている部品をしらべてみます。基板から起こした回路図は筆者のnoteに掲載しています。

メインボード

メインボードはガラスコンポジット(CEM-3)の片面基板、パターン面には基板の型番(HZFDZ-JC001A)がシルクで表示されています。

パターン面の部品は全て面実装、主な半導体部品は電源安定用のLDO(電圧レギュレータ)とコントローラ、LEDドライブ用のFETです。

リード線は基板上の"パッド"に直接ハンダ付けされています。

スクリーンショット 2020-12-09 21.37.10

メインボードのパターン面

人感センサ及び明るさセンサは裏面から足を挿入してパターン面でハンダ付けされています。

スクリーンショット 2020-12-09 21.38.27

メインボードの裏面

主要部品の仕様

PIRセンサ D203S

09_PIRセンサ

PIRセンサ

写真はメインボードの「人感センサ」の半透明の樹脂キャップを外したもので、形状よりPIR(Passive Infrared Ray)センサーであることがわかります。

本機では3端子タイプの「D203S」が使われています。これは同じ型番のものが複数の会社から販売されている「中国での汎用品」です。

データシートは複数メーカーで同じものが使いまわされており、代表的なもの(会社名が検索しても存在しない「PIR SENSOR CO., LTD」)が以下より入手できます。


https://www.futurlec.com/PIR_D203S.shtml

SPEC上は「Supply Voltage: 3-15V」ですが内部等価回路をみる限りでは本製品(VDD=2.8V)でも動作する範囲だと思われます。

フォトトランジスタ HW5P-1

10_フォトトランジスタ

フォトトランジスタ

「明るさセンサ」にはフォトトランジスタが使用されています。この形状のものは中国でも複数の会社から販売されています。

データシートは深圳市海王传感器有限公司(http://www.szhaiwang.cn/)の「HW5P-1」という型番のものが以下から入手できます。

こちらもSPEC上は「Supply Voltage: 3-15V」ですが内部等価回路をみる限りでは本製品(VDD=2.8V)でも動作する範囲だと思われます。

COB LEDモジュール LZ4010-9

11_COB_LEDモジュール

COB LEDモジュール

アルミ基板上に実装されたCOB LEDのモジュールです。印字されている型番はサイズ(40mm x 10mm)とLEDの数(9個)となっています。点灯時のLEDの両端電圧(VF)は実測で2.8Vでした。

このサイズのものは一般的ではないようでWeb上での検索では見つけられませんでした。

本製品では乾電池から直列に6.8Ωの抵抗を挿入して使用していますので、実機での動作電流は (4.5V-2.8V)/6.8Ω=0.25A, 消費電力は 2.8Vx0.25A=0.7Wです。

LDO(Low-dropout Regulator) SC6206B

画像12

LDO

マーキング「54FK」および出力電圧2.8V(実測)から深圳市富满电子集团股份有限公司(http://www.superchip.cn/)の「SC6206B-28」と判断しました。

データシートは以下から入手できます。

https://datasheet.lcsc.com/szlcsc/1811061024_Shenzhen-Fuman-Elec-SC6206B-54FK_C94020.pdf

コントローラ 詳細不明

13_プロセッサ

コントローラ

表面のマーキング(SW06D)およびVDD・VSSの配置をベースに検索をしたのですが、Web上では該当するものを見つけられませんでした。

オペアンプの可能性もあるのですが、本機の「30秒点灯」という時間制御からマイコンと判断しました。
ちなみに、チップを基板から剥がしてみたところ裏面に別のマーキングがありましたが、こちらを検索しても該当するものは見つかりませんでした。

14_プロセッサ_裏面

コントローラ(裏面)

N-MOS FET 型番不明

画像15

N-MOS FET

表面のマーキング(A2)だけでは型番を特定することはできませんでした。部品自体を「Multi Function Tester TC-1」で確認した結果「N-MOS FET」であることがわかりました。

これに似たマーキングのN-MOS FETとしては「SI2303」(マーキングはA2SHB)があるのですが、各パラメータが実測値と微妙に異なるため、型番の特定には至りませんでした。

16_マルチファンクションテスターでの確認結果

マルチファンクションテスターでの確認結果

まとめ

本製品を分解して感心した点は、製品のポイントになる「センサ」及び「LED」はそれなりにきちんとした部品を使用しているところです。

使用電圧がセンサの部品SPECから若干外れているのも内部の回路構成から実用上問題ないと判断したのであればある意味「日本メーカーの基準ではできない設計」と言えます。(これが設計的に正しいかどうかは別として...)

本製品を輸入している「株式会社グリーンオーナメント」は「日本で企画し提携している中国のパートナー設計・生産(ODM)する」というビジネスモデルですが、製品の受け入れに対して「ローコストで割り切った量産設計を理解したプロ」が関わっている気もします。


次回更新は2週間後の12/20(火)の予定です。

Comment(3)

コメント

匿名

出初めから数台、クローゼット内部などで使っています。
抵抗が浮いているのには笑いましたが、充分実用的です。
電源ON不要で近くで動いていれば消えないのは他の100均商品にない強味かと。

匿名

オペアンプでもタイマー作れるし
タイマーICだってあるから
マイコンなんか使わないでしょ
そもそも厳密に30秒なわけない

おるどまん

LED電流制限抵抗の消費電力が0.5W程度で基板上に6.8Ωのチップ抵抗らしきものが残っているところを見ると、[LED ON]モードで連続使用したら抵抗が熱くなりすぎてヤバいので外付けにして放熱性を高めたんでしょうかね?w
[LED AUTO]がGND側でON/OFFになっているところも割り切っていますね。

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