第27回(番外編): ガジェットを分解してセンサーを手に入れよう(その2: 照度センサーと人感センサー)
皆さん、こんにちは。「100円ショップのガジェット」を中心に電子機器を色々と分解をしているThousanDIYです。
このコラムでは、これまで分解したガジェットの中で興味深かったものをダイジェストで紹介していきます。
今回もガジェットを分解して入手できるセンサーについてです。第2回は「照度センサーと人感センサー」です。
最近見かける機会が増えてきた照度・人感センサー
ここ最近、周囲の明るさや人の動きを検出して自動でON/OFFをするLEDライトを見かけることが増えてきました。数百円で購入できるこれらのガジェットからは、照度センサーや人感センサーを入手することができます。
照度センサー
「周囲の明るさに応じて自動でON/OFFするLEDライト」からは「照度センサー」を入手することができます。100円ショップの商品の分解で入手できる照度センサーは「CdSセル」・「フォトトランジスタ」の2種類があります。
また、屋外へ設置するタイプのものは「ソーラーパネル」で周囲の明るさを判別しています。
CdSセル
「CdSセル」の正式名称は「CdS光導電セル」といい、硫化カドミウム(CdS)を主成分とする光導電素子の一種で、周囲の明るさ(セルにあたる光の量)に応じて抵抗値が変化するデバイスです。周囲が明るければ抵抗値は小さく、暗ければ抵抗値は大きくなるという特性を持っています。
光量変化に対する抵抗変化は大きいのですが、変化追従は比較的遅いので周囲の明るさの検知のような「ゆっくりした変化の検出」に利用されています。
CdSセルは少し前まではよく見かけたのですが、最近はより扱いやすいフォトトランジスタに置き換えられているようで、見かける機会が徐々に減ってきています。
CdSセル
フォトトランジスタ
「フォトトランジスタ」は、トランジスタのベース部にフォトダイオードを接続して、照射された光によってフォトダイオードに生じる電流を、増幅して取り出す「光電変換素子(光を電気に変換する素子)」です。暗電流(暗闇での電流)が小さく感度が高いという特性があり、小型で扱いやすいということもあり、徐々にCdSセルから置き換わっているようです。
フォトトランジスタ
ソーラーパネル
ソーラーパネルは太陽光で発電する素子で、屋外へ設置して人の動きでON/OFFするような機器の場合は、明るさを検知することができます。
以下のものは入手できるパネルの一例で、太陽電池のセルが4個直列に接続されています。
1セル当たりの電圧は定格負荷で約0.5Vですので、このパネルからは約2Vの電圧が出力されます。
ソーラーパネル
人感センサー(PIRセンサー)
暗い環境で人の動きを検知して自動でON/OFFするLEDライトからは「人感センサー(PIRセンサー)」が入手できます。
PIR(Passive Infrared Ray)センサーは周囲の赤外線放射の変化によって人の接近を検知するセンサーで、分解では3端子タイプの「D203S」「NS312」という型番のものが入手できます。
いずれのPIRセンサーも人を検知すると出力がHになりますので、出力をマイコン等に接続して使うことができます。
PIRセンサーは、人が発する遠赤外線を効果的に受光するために通常は「集光レンズ」を組み合わせて使用します。
PIRセンサー(集光レンズがついた状態)
PIRセンサー(集光レンズを外した状態)
今回紹介したセンサーが入手できるガジェット
CdSセルが入手できるガジェット
ダイソー「センサー付ナイトライト」
フォトトランジスタとPIRセンサが入手できるガジェット
ダイソー「センサーライト」
ダイソー「人感・明暗センサー付LED電球」
ソーラーパネルとPIRセンサが入手できるガジェット
ダイソー「ソーラーセンサーライト」
まとめ
まだまだ100円ショップのには面白いセンサーを採用した製品があります。次回以降も紹介していきます。
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次回更新は2週間後の2/28(火)の予定です。次回も「身近なガジェットから手に入れられるセンサー」の続きです。