ビジネスエンジニアに訪れる現実
夏真っ盛りなこの時期、今年は北海道であっても例年よりかなり高い気温になる日が多く、40度予想が北海道で見ることがあるとは思ってもみませんでした。ここ数年は特に北海道らしくない気温に遭遇することが増えた気はします。
ある程度の年齢を超えてしまったこともあり、過去の記憶を引き釣りながら日々の作業を行っていますが、日進月歩と言われる IT 業界に携わっていると、過去の記憶と経験が邪魔をする時はそれなりな頻度で直面するのではないでしょうか。少し前であればオンプレミスでの構築経験をそのままクラウドに適用しようとして、すべてを Iaas で構築しようとしたり、Saas や Paas を活用せずにシステムを構築してしまうといったことがあるかと思います。同じようなところでは、Saas を利用しようと決めたものの求める機能が実はなかったのでカスタマイズを要求するといったことが挙げられます。
このあたりは時代が変わり基準となる形も変わっているにもかかわらず、過去の経験を正としてそれに合わせようとするために発生しています。オンプレミス全盛期のパッケージソフトであれば、そのような要望に応えるメニューを提供しているところもありました。今では個別対応を行うメニュー自体が少なくなり、提供されるものを組み合わせて要件を満たすよう考える必要があります。そうしなければせっかくのメリットを享受できないからであり、自分たちの求める形に外部を合わせさせようとする際に発生するコストがメリットを打ち消してしまうくらいに高額になっているという面もあります。製品に業務を合わせることが唯一の正解的に言われていた時期があり、そうすることで競争力も高められるといった説はまだ覚えている人も多いのではないでしょうか。
時代が進み、単純に製品に業務を合わせる形ではなく、Vibe Coding など先進的な機能を活用し自分たちが求めるものを作り出す方向へと進みだしています。AI による進歩はすごいものがあり、ある種の集合知を物凄く簡単に活用できるところまで来ています。反面完全に新しいことは AI での対欧が難しいのですがビジネス面に限ればそこまで先進的なものが必要になる場面はかなり限られているので、AI の活用がやりやすいところでもあります。
以前から感じていた、これからのエンジニアは二極化するという方向性ですが、Vibe Coding を利用してみるとそれは思っているよりも早く訪れるのではないかと感じてしまいます。それぐらいにこれまでの開発作業で必要だった時間を圧倒的に圧縮できるようになり、今まで手が回らなかったところに時間を割り当てることができるようになります。これはかなりの破壊的な進化でもあり、IT 業界の再編と思われても不思議ではありません。
登場してまだそれほど時間が経過していない今ですらこの状態です。ここからさらに洗練されていくことを考えると、今年の終わりくらいには今一か月かかる作業ボリュームであったものが、1週間ほどで同じ量をこなすことができるようになっていても不思議ではありません。もしかするとそれ以上に進歩しているかも、とすら思えます。
このような現状を考えると、エンジニアとして生きていく選択をするならば、何かに特化するかして AI に取って代わられないことができる必要があるのではないでしょうか。ビジネス用なシステムでは特に、全体像を考えることができるとかオープンにされていない分野を扱えるとか、なにかその人ならではのスキルを身に着けていないといけなくなる日が近いのだとも感じています。
恐らくそのタイミングはいつくらいにくるかといった予想は、皆さんそれぞれ思うところがあると思います。ですが技術の進歩は私たちが思う以上に早いものです。今からでも先を見据えて行動に移すことが、物凄く大切な未来へのポイントなのではないか、そのように考えてしまいます。予想が外れて時間的猶予が増える分には一向にかまわないので、今からでも何かしらの行動に移していくことが大切なのではないでしょうか。