AIエージェントに思うどうしよう感
11月も終わりを迎え、今年も残すところあと1か月となりました。こちらでは一度しっかりと雪が降ったりもしたのですが、いまではすべて解けており、本格的な冬はこれからといったところです。年末になると、仕事にかまけてこなせていなかった自宅のタスクを消化していくのですが、私は年賀状も出すのをやめたりしたので、年末のタスクはこれまでよりも少量で済んでいる状況です。
今月は Microsoft Ignite という大きなイベントがあり、そこでは AI エージェントにまつわる発表が数多くありました。内容を調べていくうちに、今時点でエージェントと呼ばれるものはどこを目指そうとしているのかが見えてきた気がしています。AI エージェントが目指そうとしているのは、個々人の生産性拡大が主な目的になっているのではないでしょうか。
Microsoft に限った話ではありませんが、AI エージェントという言葉も急速に流行りださせているようにも感じられます。その意味合いも各社で微妙に異なっており、読んでいる側としては苦労を覚えたところではないでしょうか。特にビジネスの現場において活用できそうなシーンを考えてみてもなかなか当てはまる状況が思い浮かばない、このあたりが非常に苦労しているところだと思います。
このあたりは自分が開発を生業としている企業に属しているせいが大きいと思いますが、システム開発な考え方で AI エージェントを捉えるているとあまり活用できるケースがなく、視点を変えなければいけない類の代物なのだと最近は感じるようになりました。システム開発的に考えると、AI を利用して処理を自動化するのはいいとして、エージェントという形態をとる理由が全く思い浮かばないのです。これまでの自動化と何が違うのかが全くと言っていいほど見えなかったりもしました。
生成 AI によるオーケストレーション、処理のコントロールがあってこその AI エージェントというのがここ最近での定義になるのかと考えていますが、これも正しいのかどうか、賛同を得られている考えなのかどうかも正直なところ自信はありません。ただ、Microsoft の発表を見て感じたのはオーケストレーションのありなしが重要なポイントというところでした。オーケストレーションが行われていないのはこれまでと同様の自動化であり、オーケストレーションが行われて作業の幅が広くなったものが AI エージェント、という定義なのではないかとみています。
この考え方をもとにして各サービスを見ていくと、いまいま目指そうとしているところも見えてきます。これまでであれば何かしらのシステムを構築してそこに入力することで業務を効率的にこなせるというスタンスが多かったと思いますが、エージェントを活用する場合は、難しい作業は AI エージェントが肩代わりしますので貴方の仕事を手伝います、という形になるのではないでしょうか。そこにはデータを入力してもらうこともなく、AI エージェントにデータを渡すことで作業を肩代わりしてもらう、途中で何かしらの判断を行う場面は生成 AI に判断してもらい、人間の手がかからない形で効率化を図る、そんな未来を目指しているように思えました。
ここまで書いてみて、そんな未来は目指していない、とか言われてしまったら身も蓋もないので山にこもろうと思う所存ですが、それほど外れてもいないのでは、と感じる自分もいます。AI エージェントは個々人に利用してもらうもので、システム化とはまた違った視点で活用していくもの、しばらくの間はこの考え方で私は進めてみようと思っています。
ただ、目指す未来が見えてきたことと、実際にどのようなことに AI エージェントを活用するかが思いつくことは別なので、まだまだ苦労は続きそうです。ですが、そういった話題にも自分なりの考えを持って対応できるのがエンジニアには必要とも考えますので、しっかり頭を働かせて身に着けていこうと思います。