地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

エンジニアとして生きていきたい気持ちはある

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 6月が終わるということで、今年も半分が終わろうとしています。今年の始まりから振り返ってみると、やはり AI 周りの発展が想像以上の速度で進んでいるのが、技術者以外にも感じられているのではないでしょうか。MCP の登場による Vibe Coding の発展が個人的に大きなポイントだと感じています。今年の下半期が終わるころには、どのような発展を見せてくるのか、楽しみでもあり怖くも感じる次第です。

 これまでも、AI の発展によりプログラマーが不要になる話題は登場時点から常にありました。人間がプログラムを考えて記述するよりも、圧倒的に速い速度で完成にまでもっていくことができるので、そこだけを見ればすべて AI に任せれば......と感じてしまう人も多かったと思います。実際には、現時点の AI である以上は、既存知識の流用で賄えるプログラムであれば高速に作成することができるという制約がありますので、すべての開発を賄えるものではありません。ですが、ビジネス領域で多くの開発は既存知識の流用で業務課題を解決するものです。それは AI がほとんどの開発を賄えることの裏返しでもあります。どこもやっていないような完全に新しいことをビジネスの世界で開発することは、かなり限定した場面です。多くの一般的な開発会社で行うのは、既存のものを組み合わせて業務課題を解決するものです。となれば、AI が多くのプログラマーの作業を賄っていくことになるのは、そこまで荒唐無稽な話でもありません。

 ここまでの流れから未来を考えていくと、より一般的なタスクには人間の手を介さないで済ますことができるようになるのは避けられないところになりそうです。例えば今の Vibe Coding ではプログラムを書いてどうこうすることが主戦場なので、ローコード/ノーコードのように特定製品やサービスの知識がなければ対応できない分野にはまだ活用できていません。勿論この領域であってもそれほど遠くない未来には対応されていくであろうことは想像に難くありません。まだまだ便利に利用できるまでは届いていませんが、ローコード/ノーコードでも同じ方向性に改善していっているものは多々見受けられます。個人的には、理解できるけどその方向性で進んでほしくないなぁ......、と思えるサービスもありますが、AI の活用をさらに広げていこうとしているのは、数多くのサービスで実施されています。

 さらなる発展を遂げたとき、私たちエンジニアにはある種の選択を求められるのは避けられない可能性が高まっています。AI が低コストかつ高速で行える作業を人間が行う必要はありません。それであれば目指すべき方向としては、AI の使い方を身に着けるか、広範囲の知見をためプログラムだけではない課題解決ができるようになるか、はたまた先進的な尖った技術者となるか、このあたりに集約されるのではないかと考えます。

 私などは一般レベルのエンジニアリング能力でしかないので、先進的な技術者になるのは難しいと承知しています。ただ、世の中に情報が広まっていないことを手がけるのであれば、別な意味での先進的なことはできるのではないかとも感じます。AI が既存知識の流用である以上、知識として出回っていないものに関しては対応することが難しいです。それであれば、特殊な領域やクローズドな領域、そういった特定分野に絞った形で技術力を磨いていくのも一つの選択肢ではないでしょうか。

 エンジニアとしてこれからどうしていくのか、その点についてちゃんとした自分なりの考えを持つこと、それが大切なことだと思います。そこで自分の考えを持てないのであれば淘汰されても仕方ない、未来の話と考えていたこのような話も、もしかすると数年先とか数か月先に襲ってくるかもしれません。いつ来るかはわからないそんな未来のためにも、一度自分はどうしたいかを考えるのが必要なのだと思います。

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