429.無知はコスト
初回:2025/8/6
何でもかんでもお金に換算して考えるというのは、あまり好みではありませんが、判りやすいという意味ではよいのかもしれません。
P子「『無知は罪』という言葉もあるものね」※1
ソクラテスの言葉とされていますが『無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり』というのが全文です。
無知が原因で悪いことが起こることがあるという意味で、さらに、知っているだけでは意味がなく、それを活用しないといけないということでしょう。『薬屋のひとりごと』で、おしろいの毒性を知らなかったばかりに我が子の命を危険にさらした上級妃の玉葉妃が『無知は罪ですね』と言っていました。もし、猫猫(マオマオ)が知っているだけで何も行動を起こさなければ、当然、玉葉妃も知ることはなく、行動に移した(何か書くものがあれば...)からこそ助かったということから、先の言葉の重みも実感できるというものです。
P子「私もあの話は大好きよ」
1.無知はコスト
さて、本題ですが、定年再雇用で年金やらに注意を払うようになって、自分の無知加減に、はなはだ困り果てています。
P子「今頃...って感じよね」
ところが、調べれば調べるほど、ここ最近の税制や保険関連の改定には、うんざりしてきます。
まず判りにくい。次に搾り取れるだけ搾り取ろうという意欲がすごい。そして金持ち優遇...というか貧富の差が開く方向に向かっているという感じです。ここでは具体的な内容には触れません。というか難しくて下手に書くことができないのですが、現実の話として「億り人」は増えているそうです。実際、町中の車もベンツやレクサスや軽自動車ばかりです。
P子「『見たいものしか見えない』確証バイアスじゃないの?」
また、税金関連は国会審議を経て決めることが必要ですが、社会保険料は閣議決定だけで決められるそうです。知らなかった...。適用範囲は広がっても、支給金額は抑制されるという話で、今の若い人たちから見れば無関係に思えても、最終的には自身に降りかかってくる話です。支給の抑制や取れるところから取るのではなく、もっと戦略的に進める必要性を感じます。
また、よく言われる消費税も、輸出消費税の還付があり、大企業ほど消費税増税の影響を受けないので、経団連も消費税増税に賛成しています。
P子「豊田税務署が赤字って、輸出還付金のせいなのよね」
≪参考資料1≫
https://www.zenshoren.or.jp/2022/10/24/post-20731
2021年度 トヨタなど輸出大企業20社に 円安で増大 消費税還付1.7兆円超 中小業者は悲鳴
第3528号2022年10月24日付
私が知らなかっただけで、輸出還付金の話や消費税の増税と法人税の減税はセットで進められているという話は、結構昔から指摘されていました。ですが、本当に苦しくなってからしか真剣に考えないというのは、ダメですね。
2.知っているだけではいけない
さて、まずは知ることから始めましょう。と言いたいところですが、政府(国会議員というよりキャリア官僚)も方が、ずっと優秀です。我々は知るだけでは足りません。彼らの考え方を理解して、先読みしなければなりません。
P子「どういうこと?」
例えば、「ミニマムタックス」という課税強化策が2025年分の所得から適用されますが、年間合計所得が30億円以上、金融所得などのみの場合は10億円以上の人が対象になると見込まれています。
P子「私たちには、まったく無関係な話ね」
今は...ということです。賢い政府の人は、これを段階的に下げていくつもりです。最初、消費税を、3%から初めて『まあ、それくらいならいいか』と思っていたら、今は 10%です。政府は、海外事例を持ち出してきて、20%とか25%を目標にしているそうです。それと同じ手法で金融資産や投資利益への課税も検討されており、NISA など今後どうなるか分かりません。
また、厚生年金の中小企業やパート・アルバイトへの適用拡大も、払えなければ潰れろという方針でしょう。
P子「まあ、良いといえばよい話なんだけどね」
利益を出さない中小企業はつぶれてしまえ...というのは、なかなか思い切った方針ですが、再就職が難しい人たちにとっては死活問題なのでもう少し配慮が欲しいところです。
P子「でも、厚生年金は労使折半だから、お得よね」
これもよくよく考えると、会社(経営者)が、適切な給料を社員に払ったうえで、折半分の厚生年金を会社負担で持ち出す...なんてことは考えられません。本来なら従業員に払うべき給料から、厚生年金分を差し引いた給料を社員に払っておいて、残りを厚生年金として支払っているだけで、負担なんてしていません。
P子「陰謀論じゃないの?」
とりあえず、『薬屋のひとりごと』じゃありませんが、知識を身に着けるだけではなく、行動を起こす必要があるということです。
3.財源財源という前に
消費税を減税するための財源が必要という主張を、よく耳にします。
本来政府が取り組むべきは、国民から税金を搾り取ることではなく、国全体として発展する方向でかじ取りを行うということです。
P子「人工知能とかロボット、半導体とかの分野のこと?」
実際、私にはわかりません。すでに手遅れなのか、今からでも手を打っておくべきか。少なくともAI関連は手遅れだとしても手を出しておくべき分野だと思っています。ロボットとか半導体は昔はお家芸だったのに、今では完全に海外企業に置いてけぼりです。
P子「国家戦略として取り組んでるものね」
将来のことを嘆いても仕方がないという意見もありますが、すでに取り返しのつかない所まで来ているとしても、何とか持ちこたえるところまでは戻しておかないと、本当にこのまま雪崩のように落ちていく予感がしてなりません。
P子「すごい勢いで落ちている気がするものね」
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「『無知は罪』という言葉もあるものね」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
コメント
user-key.
消費税は「大企業ほど消費税増税の影響を受けない」と言うより「輸出関連企業ほど消費税増税で潤う」と言ったほうが正確かと。
現在、金融取引の利益に関しては既に20.315%課税の分離課税のはずですが。
NISAは枠内であれば損得どちらでも、税金は関係ないとしてるだけ。(NISAは損したときの損益通算できないし、バブルはじけるとえらいことになります)
個人的には「総理大臣 のえる」の様にマイナスの消費税で経済を回せばいいのにと。
ま、結局胴元が一番儲かる様になっていると。
ちゃとらん
user-key. さん、コメントありがとうございます。
> 「輸出関連企業ほど消費税増税で潤う」と言ったほうが正確かと。
おっしゃる通りです。
> ま、結局胴元が一番儲かる様になっていると。
またまた、おっしゃる通りです。
保守自由主義入門者
◯◯保険料は厚労省、◯◯賦課金は経産省というように、管轄が異なるから税と呼ばれないだけの実質的な税金が多くて辟易します。
社会保険料については、閣議決定ですらない「省令」によって省庁の判断で料率が変更できる有様です。
労使折半については、企業が従業員の給与を増加させたり、新規雇用を検討するにあたって、上記のような負担増が継続すると予想されてしまうと、賃上げや新規雇用に対する意欲が消失される懸念が多大であると考えます。
各種税や実質的な税に対して「私有財産の侵害を許さない」という事については、労使が対立せず協力できる項目であるように思います。
いずれにしても、民間事業者や国民に対する過度な政府の関与については、自由の棄損につながるため、私自身は好ましくないと考えております。
ちゃとらん
保守自由主義入門者 さん、コメントありがとうございます。
税金、保険、色々な『強制課金』が色々な省庁で行われており、本当によくわかりません。
昔は『箱もの』作りで無駄がいっぱいあるという話から、天下りによる無意味な業務委託と過大な退職金問題、最近はあの手この手で『強制課金』がすごいことになっている気がします。
税金を効率よく、国民が潤っていけるような技術革新や生活改善などに役立つような使い方を期待したいところです。