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第21回: 意外にロングセラー。ダイソーの「リモコンライト」を分解してみよう(リモコン編)

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はじめに

今回も前回に引き続きダイソーから300円(税別)で販売されている「リモコンライト」のフルカラー版である[イルミネーション]を分解します。後編はリモコン側(送信側)を分解します。

リモコンの外観

「リモコン」は薄型のカードタイプです。表面はボタンが印刷されたシートになっていて、ボタン電池(CR2025 x 1個)で動作します。

03_リモコンの外観

リモコンの外観

分解してみる

リモコン自体にはビスやはめ込み部分はありません。表面のボタンが印刷されたシートをはがしていくと、基板の電極面がむき出しになります。

04_表面のシートを剥がした状態

表面のシートを剥がした状態

シートはボタン部分が盛り上がるように成型されていて、ボタン部の裏に導電塗料による「接点」が印刷されています。
接点の周辺は粘着シートになっていて、基板の電極側に直接貼り付けることによってリモコンボタン用のスイッチを構成しています。

基板の一番下の電極の部分にはシートの接点が配置されていないことから、リモコンの外装成形品と基板は汎用品で、シートとソフトウエアの変更だけで様々な種類への展開をしているものと思われます。

05_ボタンシート裏面

ボタンシート裏面

実装されている部品を調べてみる

次に基板に実装されている部品をしらべてみます。詳細の回路図は筆者のnoteに掲載しています。

プリント基板

プリント基板は、外装の成形品にはめ込んだあとボスを熱でつぶして固定されています。
プリント基板の基材は紙フェノール、部品面には型番と製造年月日がプリントパターンで表示されています。

実装されている部品はリモコン信号送信用の「赤外線LED」と樹脂モールドで基板にチップを直接実装した「コントローラ」、バネで構成された「ボタン電池用電極」のみです。

06_プリント基板の部品面

プリント基板の部品面

以下は電極と部品面のパターンの接続部分の拡大図です。電極を導電塗料(黒色であることからカーボンペーストと思われる)で印刷する際に基板に開けた穴から導電塗料が部品面に回り込んで穴の周りの基板パターンのランドに付着することで導通させています。

07_電極面と部品面の接続部_拡大

接点と部品面パターンの接続部(拡大)

主要部品の仕様

赤外線LED

10_赤外線LED

赤外線LED

赤外線LEDは直径3mmの砲弾型の汎用品です。赤外線リモコンでは一般的にピーク波長940nmのものが使用されています。
同等品のデータシートは秋月電子通商サイトから入手できます。
25℃での順方向電圧VF=1.6V(max)でありCE2025(3V)での動作でも問題はありません。

コントローラ

コントローラは基板にシリコンダイを直接実装し樹脂モールドで固められています。

今回も樹脂モールドを削りチップを露出させた状態でUSB顕微鏡で拡大して観察してみました。
削ったモールド部にあるワイヤボンディングの跡(9か所)はプリント基板のパターンと一致しています。

11_モールドを削ってチップを露出させた状態

モールドを削ってチップを露出させた状態

チップ部分をさらに拡大して確認しました。パッド数は9個、基板パターンと各信号のパッド配置は一致しています。
チップメーカーについては調べたのですが特定することが出来ませんでした。

12_チップの拡大写真

チップの拡大写真

リモコンコードを確認してみる

各ボタンのリモコンコードの解析には「Multi Function Tester TC-1」を使用しました。

このテスターは、本体にあるIR受光部でリモコンコードを解析して波形を表示する機能があります。
この機能を使いリモコンのONボタンを押して受信した結果が以下です。

13_Multi Function Testerでの受信結果

Multi Function Testerでの受信結果

本リモコンでは「User Code」(機器判別用コード)の807F(1000 0000 0111 1111)、「Data Code」の12ED(0001 0010 1110 1101‬)のどちらも「8ビットのデータとそのビット反転コードの組み合わせ」の「NECフォーマット」です。
「NECフォーマット」については、秋月電子通商で販売している同一形状のカードリモコンのデータシートが参考になります。

本リモコンの各ボタンの位置に対する「データコード」のリストを以下に示します。
リモコンのボタンの位置とセルの位置は一致するように並べています。

15_各ボタンのデータコード

各ボタンのデータコード

まとめ

今回分解した「リモコン」は、基板の電極に貼りつける「ボタンシート」と各ボタンに割り当てるリモコンコード(ソフトウエア)の変更で、成形品と基板を変更することなしに、複数の機器向けに展開できる「汎用品」(いわゆる公板・公模)でした。
基板の製造日と思われる表示「13.6.6」から、かなり以前から汎用で流通している「枯れた製品」のだと思われます。

今回のリモコンはボタンの数が18個と多く、一般的な「NECフォーマット」を採用しているので、電子工作用のコントローラとして非常に魅力的な選択肢の一つです。


次回更新は2週間後の12/6(火)の予定です。

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