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 本音が語られるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。本記事では、おすすめコラムを厳選して紹介する。

  • 【考え方】イ・ムジチ合奏団に思う、真の顧客満足とは何かということ
  • 【働き方】報告書の書き方
  • 【技術】【動画インタビュー】Rubyのまつもと氏に話を聞いた

【考え方】イ・ムジチ合奏団に思う、真の顧客満足とは何かということ

 編集担当者はバンドを組んでドラムを叩いている。そして、楽器ができない人は人生の楽しみの半分くらいを味わえていないと思っている。ステージに立って、観客と目を合わせながら、楽しく演奏する。ステージと観客が一体になる瞬間だ。この瞬間を味わえないのはとても残念なことだと思う。

 そして、バンドを組んでいると違う楽しみもある。世間で「難曲」と称されている曲にチャレンジし、本番のステージでばっちりと決めたときだ。「あの難しい拍子であのユニゾンを決めた!」という喜びはかなり大きい。しかし、こういうときは大体、楽しいのはステージの上だけで、観客は白けている。エンジニアとして働いていてもそういうことはないだろうか?

 『オブリガート ~感謝されるテストエンジニアになる~』第3バイオリン氏は、先日イタリアの有名な室内楽団「イ・ムジチ合奏団」のコンサートに足を運んだそうだ。

 エンジニアの世界では、技術革新が続いているため、働く人間は新しい技術に常に追随し続けなければならない。そして、新技術を先取りすることで商売とする企業もある。

 イ・ムジチ合奏団は、世界的に有名な室内楽団で、詳しくは氏のコラムを読んでほしい。そして、イ・ムジチ合奏団はヴィヴァルディの「四季」の演奏で特に有名だ。第3バイオリン氏によると、イ・ムジチ合奏団の代名詞と言える曲だそうだ。

 当日のコンサートのセットリストにも当然四季が入っていた。四季を聴きながら、氏は「『○○といえばこの人、この組織』と言われるようなコアスキルがあることは、競争の厳しい世界で生き残るために必要不可欠なことです。それは音楽の世界でも、エンジニアの世界でも変わらないことだと思います」と語っている。

 そして氏は、コンサートのアンコールで、楽団のメンバーが日本語で曲を紹介してくれたシーンを例に出し、「自分たちの得意な音楽だけ演奏すればそれでいい、ではなくて、観客が理解できる言葉で話す、観客が知っている音楽で伝える。このような謙虚で親しみやすい姿もまた、世界中のファンを惹きつけてやまない一因なのでしょう」という。

 そして氏は「一流と呼べるほどの高いスキルと、相手の言葉で話す心遣い。この2つがそろうことで、真の顧客満足が実現できるのかもしれない」と語っている。スキルはあっても、それを上手く説明できない。そんな人はいないだろうか。

【働き方】報告書の書き方

 『Go, Go, Go, in Peace』横山哲也氏は、今週のコラムで、報告書の書き方についての考えを披露している。

 氏は、社会人として働く上で、最も書く機会が多いのは各種の報告書だろうという。報告書について氏は「お客様に対する謝罪も一種の報告書だし、お礼状も報告書と考えた方が良い。単に「ありがとう」と言われるより、どのような結果になって、どんな成果が得られたのかを具体的に書いた方が気持ちを伝えやすい。気持ちを伝えることは難しいが(あるいは不可能だが)事実を伝えることは簡単だ」という。

 その後、「結論から書く」など文章のいろはを振り返り、最後に氏は「事実を書く」ことが大切だとしている。事実を書かなければならないのに、感想文になってしまう人が意外に多いそうだ。

 報告書に感想を書くことは悪いことではないとしながらも、氏は「報告書に感想を書く場合は事実を通して表現するのが鉄則だ。事実を書くことは、感想を正確に伝える唯一の方法だと覚えておいて欲しい」と釘を刺している。

 その後、デートを例に出し、「別れ際に『今日は楽しかった、ありがとう』と言われたら信用できるだろうか。筆者は信用しない。根拠がないからだ。同じ感想でも、何がどんなふうに楽しかったかを言われれば信用できる。報告書も同じことだ」と語っている。そして氏は、「感情は偽れるが、事実は偽れない」という言葉で締めている。

 「今日は楽しかった、ありがとう」ばかり言われている編集担当者には少々耳の痛い話だった。

【技術】【動画インタビュー】Rubyのまつもと氏に話を聞いた

 西村賢氏『Rails Hub情報局』は、9月13日から9月30日まで開催していた「ITmedia Virtual EXPO 2011」のコンテンツの1つ。Rubyのまつもとゆきひろさんとの対談の動画を公開している。

 西村氏によると、「打倒Luaを掲げるRiteVMプロジェクトの野望を語り始めるあたりから、言語設計者としての、まつもとさんの真骨頂という感じ」になっているという。

 少々長い動画だが。話す人の表情や声のトーンなどを感じながら聞くと、言葉の重みや、語り手の意図が伝わってくる。ぜひともご覧頂きたい。

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