@IT自分戦略研究所 編集部が、エンジニアライフのおすすめコラムをピックアップします。

教えているのか? 教えられているのか?

»

 本音が語られるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。本記事では、おすすめコラムを厳選して紹介する。

  • 【人間関係】ITに師匠は必要か
  • 【職場】“育成中のメンバーにどこまでまかせよう?”の巻(上)
  • 【新連載】意識改革からの作業改善 ~ 0.序文

【人間関係】ITに師匠は必要か

 いかにして勉強の時間を作るか。この問題に悩まされている方々は多いのではないか。エンジニアは技術で勝負する稼業だ。少しでも新しい技術を1つでも多く身に付けたいと願いながら、勉強に励んでいる方も少なくないだろう。

 『101回死んだエンジニア』Anubis氏は、「ITに師匠は必要か」と問いかけるような題のコラムで、この問題について採り上げている。

 氏は、エンジニアである以上技術を学ぶのは当然だが、実際は仕事場での経験で技術を身に付けている人が多いのではないかと考えている。そして、現場の経験で技術を身に付けている以上、経験年数を能力を計る物差しとすることは自然なことだとしている。

 ただし、経験年数の差を埋める手段もあるという。それが、自分の師匠を持つという方法だ。師匠を持つと、「自分だけだと気付けない事を指摘してもらったり、積み重ねた経験をギュッと濃縮したアドバイスをもらえたりする。そうすると、本来は習得に3年かかるものが、ショートカットで1年で達成できてしまったりする」という。

 ならば、すべてのエンジニアが師匠を持てばよいと考えてしまいそうだが、氏によると「現実にはこの師匠をやる人が激減してる感がある」そうだ。あるエンジニアが師匠という立場に立つには2つ条件があるという。「1つは確立した技術、もう1つは心の余裕」だそうだ。そして、「残念な事にこの2つを兼ね備える人を見ることが、本当に少なくなってきた」ともいう。

 技術については「使える」レベルではなく、人にしっかりと説明して理解してもらえるレベルで習得していなければならない。こういうエンジニアも少なくなっているが、心の余裕の方がより大きな問題になっているそうだ。氏は「人を蹴落とそうとする人や、自分の優位を保とうとする人が、人にものを教える事は無い。特に現代は、社会的な競争が激化して世の中が殺伐としている。こういう心の余裕を持つ人が明らかに減った」と嘆く。そして、この心の余裕を持って人に教えることで、技術のほかにも大切なことを伝えることができると氏は考えている。

 ここから先はぜひ氏のコラムを読んでいただきたい。教える立場に立つことの難しさ、教えながら、教え子に教えられることも多いということ。こういう美しい話はもはやエンジニアの間では聞けなくなってしまったのだろうか。

【職場】“育成中のメンバーにどこまでまかせよう?”の巻(上)

 (株)エムズ・ネット・スクエア講師4人組による『新任リーダー明日香のマネージャへの道』では、“師匠”となることの難しさ、師匠として教えることの難しさを説いている。

 今回の話は、ベテランのサイゴウと入社3年目のイサハヤにコンビを組ませ、イサハヤに小さい案件を1つ任せられるようになることを狙っているというところから始まる。2人にペアを組ませた明日香がある日、就業時間をかなり過ぎたときに残業するサイゴウの姿を見かけ、サイゴウに声を掛ける。そして会話を交わすうちに、2人のペアが表向きは完全に機能しているが、人材育成という点から見ると良くない方向に動いていると気付く。

 明日香は、サイゴウにもう少しイサハヤに仕事を任せるように提案してみる。これは、「無理のない範囲で力量を少し上回る仕事を任せる」ことにより、大きく成長することを狙ってのことだ。

 実際の現場ではこうきれいには行かないとおっしゃる方もいるかもしれないが、ストーリーをきれいにしているからこそ、人材を育てるという観点で見たときの注意点が分かりやすく浮かんでいる。教える側も、教わる側の「力量を少し上回る」点を見極める力量が必要になる。結局、教える側も他人を教えることで得るものがあるということだろう。

【新連載】意識改革からの作業改善 ~ 0.序文

 8月から、大森洋明氏による『意識改革からの作業改善』が始まった。11日の第0回で連載の概要を説明している。

 氏によると、作業効率低下や、品質低下は意識の持ち方で最小限にとどめることができるそうだ。意識の持ち方とは、すなわち「考え方」ということになる。

 物のとらえ方、考え方次第で個人単位で作業効率が上がり、チーム全体で同じように意識すれば全体の効率が上がるという。確かに、「今日は気が乗らない」という日は絶対にあるものだ。そういう日は大体何をやってもうまくいかない。

 この生産性のムラを改善できるというのなら、ぜひともその方法を知りたいと思う。これは編集担当者だけではないだろう。氏の今後の連載に期待したい。

コラムニスト募集中
エンジニアライフではコラムニストを募集しています。

応募資格は
 ・ ITエンジニア(元でも可)
 ・ ITが好きで、将来はIT業界に就職しようと考えている学生
 ・ ITエンジニアの採用に関わっている人事担当者
 ・ ITエンジニアの育成に関わっている教育担当者

ご興味のある方はコラムニスト募集ページをご覧ください。

【過去の「おすすめエンジニアライフ」】

エンジニアの存在は、はかないものなのか
勉強するのは自分だけのため?
エンジニアの仕事を医師に例えて考える
システムの最後を看取るというお仕事
エンジニアのお手本はエンジニアばかりではない
あなたにしかないものがきっとある
進化しない業務システム、現状維持のエンジニア
頭を使えばたいていのことはできるさ

全コラム一覧

Comment(0)