エンジニアの仕事を医師に例えて考える
本音が語られるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。本記事では、おすすめコラムを厳選して紹介する。
- 【スキル】「WACATE 2011 夏」参加レポート(その3)
- 【職場】電車の中の情報漏洩
- 【考え方】「5人が1000人を凌駕する」について
【スキル】「WACATE 2011 夏」参加レポート(その3)
医師は病気のことを詳しく知っていなくてはならない。これをテストエンジニアに置き換えるとどうなるか?
『オブリガート ~感謝されるテストエンジニアになる~』の第3バイオリン氏は、テストエンジニアのあるべき姿について、こう疑問を投げかけている。
冒頭の言葉は氏が参加したイベントで日本IBMの細川宣啓氏が語ったものだ。細川氏は欠陥を探す仕事について話すときに、医師に例えて話すことが多いという。医師は、症状を見て、検査することで病気を突き止め、治療に入る。
一方、テストエンジニアはどうだろうか? 細川氏は「今のテストエンジニアは、テスト技法のことはよく勉強して知っているけれど、バグそれ自体のことはあまり知らない人が多い」という。
第3バイオリン氏は、今のテストエンジニアは「確かに、テストの最中にバグを発見したら、インシデントレポートを発行してバグを記録しています。しかし、記録した情報を次のプロジェクトで生かして、同じようなバグが発生することを防いでいる、という人がどれだけ存在しているでしょうか」と問いかける。このようなテストエンジニアは病気のことを知らずに、とにかくお腹を切ってみようと考える医者のようなものかもしれないという。
“病気”のことをよく知っているテストエンジニアが増えれば、開発現場の効率はぐんと上がるだろう。そのためにも、目の前のバグについて考えることから始めたらどうだろうか。
【職場】電車の中の情報漏洩
最近、企業は情報漏えい対策に躍起になっている。職場で使うパソコンとして小型ノートパソコンを支給しておきながら、紛失を恐れて外出時に持ち出すことを禁じるようなところもある。道具が便利になっているのに、その便利さを殺すような結果になっているのは本末転倒のように思うのは編集担当者だけだろうか?
『気分はどうしようもなくSE』の虚数(i)氏は、情報漏えいを防ぐ技術が進化し、多様なツールが登場していることを指摘しながら、実はそんなものではどうにもならないところで情報が漏れているのではないかと疑問を投げかけている。
「ソーシャルエンジニアリング」という言葉がある。パケットの盗聴など、特別な技術を使うわけではなく、なんとなくパスワードをのぞき見たり、電話口で巧みに秘密情報をしゃべらせてしまうという行為を指す。氏は、誰かが仕組むことなく、こういう経路で情報が流れだすのではないかと問いかけている。
例えば、客先から帰る電車の中で、ちょっとした打ち合わせのつもりが無意識に客先の名前を口走ってしまったり、居酒屋で漏らした愚痴にとんでもない情報が入っていることもあり得るということだ。
ルールを守るには、「まずいことをしなければいい」と考えるだけでは不十分だ。「まずいことをしないように『常に』気を付ける」ことが大切なのだろう。
【考え方】「5人が1000人を凌駕する」について
6月21日に公開になった「優秀なエンジニア5人は二流の1000人を完全に凌駕する」というコラムが大きな反響を呼んだ。『101回死んだエンジニア』のAnubis氏は、どういうときにたった5人で1000人の能力を凌駕するということがあるのだろうかと考えている。
例として「誰も考えつかないことをやってのける」「管理がずさんな1000人なら5人のほうがマシだ」などの例を挙げている。こうして考え続ければいくつか例は出てくるかもしれない。
結局のところ、氏は「1人が1000人を凌駕でなく、5人が1000人を凌駕というのがミソだと思う」としている。1000人の能力を凌駕する個人というのはいくらでも存在する。音楽や美術など、芸術作品を見れば明らかだ。超一流のピアニストの代打に、並のピアニストを1000人連れてきても話にならない。
同じように超一流の技術を持った5人組のバンドの代わりに、並の1000人を連れてきてもダメだ。そして、超一流の5人を連れてきてもうまくいくとは限らない。5人の強い結束が重要なのだろう。
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