高慢と偏見(13) 一矢 水曜日の朝。三浦マネージャが開発室に入ってくるなり、佐久間くんはあいさつもそこそこに、うれしそうに報告した。「修正、完了しました!」声にならないどよめきが開発室の中に満ちた。一番驚いていたのは、三浦マ... 2011/02/14 Comment(19) 高慢と偏見(12) 新人くんのささやかな主張 9月の最終週の月曜日、週に一度開かれているミーティングの席でのこと。司会は三浦マネージャだ。私はすでに引き継ぎをほとんど終えていて、後は小さな修正などを片付けるだけになっていた。いつもどおり連絡事項の... 2011/02/07 Comment(12) 高慢と偏見(11) 現実は映画じゃない レビューは三浦マネージャを完膚なきまでに打ちのめした。若槻さんと私は、手際よく各クラスとメソッドの説明を行った。最初はバカにしたような態度だった三浦マネージャも、次第にオブジェクト指向の利点に気が付い... 2011/01/31 Comment(5) 高慢と偏見(10) 夏への扉 「S系部品納入時チェック機能」の仕様がまとまったのは、それから数日後のことだった。S系部品とは、その名のとおりコードの先頭がSで始まる部品群のことで、部品全体の5%未満が該当するらしい。K自動車が過去... 2011/01/24 Comment(12) 高慢と偏見(9) 誰がスケジュール遅らせた? それはあなたとプロマネは言った その日の午後、三浦マネージャは何かの会議から険しい顔で戻ってくるなり、全開発メンバーを招集した。たまたま平良さんは私用のため、午後になってから出勤することになっていた。「知ってのとおり、スケジュールの... 2011/01/17 Comment(15) 高慢と偏見(8) 敵は身内にもあり 関東地方の梅雨入りが宣言されるころには、スケジュールの遅れが目立ち始めた。もともと遅れていたところに、三浦十字軍が襲来。誰も読まないドキュメント作成と、もはや三浦マネージャの独演会と化しつつあるコード... 2011/01/11 Comment(6) 高慢と偏見(7) 28日後…… 2週間ほど経つと、わたしたちの書くコードは、別の世界のプログラマが作っているのかと思うほど様変わりしていた。新部品調達システムのデータ構造そのものは、旧システムからそのまま引き継いでいるため、やや冗長... 2010/12/27 Comment(29) 高慢と偏見(6) いつかの誰かのためのドキュメント 三浦マネージャがプロマネになって2週間が過ぎた。表面上は、それまでと変わらない開発風景だったが、水面下では激しいゲリラ戦が繰り広げられていた。とはいっても、敵、つまり三浦マネージャだけが、それに気付い... 2010/12/20 Comment(6) 高慢と偏見(5) そして戦いがはじまる コードレビューという名の、三浦十字軍の暴走は続く。「......それから、210行めぐらいで部品マスタからデータ引っ張ってきてるけどね、ここで、PartsMasterGetterって使ってるね。これ何... 2010/12/13 Comment(9) 高慢と偏見(4) 嵐の金曜日 「56行めからの関数だけどね、selectPartsList()ってやつね。なんでこれ、privateになってるの?」「すみません、意味がよく分かりませんが……」富永さんは疲れたように言った。メソッド... 2010/12/06 Comment(20) 高慢と偏見(3)コードレビューは踊る 次の日から、三浦マネージャによる新体制がスタートした。もちろん、急に何かが変わったわけではない。これが開発初期だったら、それまでの作業をなかったことにしてゼロからスタートという事態もありえただろうけど... 2010/11/29 Comment(32) 高慢と偏見(2)使徒襲来 6月に入ると開発状況が大きく変わった。6月1日、K自動車社内で、別の開発プロジェクトがスタートした。詳しいことは知らないが、私がいる新部品調達システム開発プロジェクトよりもかなり重要なシステムらしく、... 2010/11/22 Comment(6) 高慢と偏見(1)隣は何をする人ぞ 高学歴で長い経験に自信を持つエンジニアは他人の話を聞かなくなる、というのは広く世に知られた真理の1つである。K自動車ICTシステム部の三浦技術担当マネージャは、そのようなエンジニアの生き見本のような人... 2010/11/16 Comment(15) 前のページへ 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 SpecialPR
高慢と偏見(13) 一矢 水曜日の朝。三浦マネージャが開発室に入ってくるなり、佐久間くんはあいさつもそこそこに、うれしそうに報告した。「修正、完了しました!」声にならないどよめきが開発室の中に満ちた。一番驚いていたのは、三浦マ... 2011/02/14 Comment(19)
高慢と偏見(12) 新人くんのささやかな主張 9月の最終週の月曜日、週に一度開かれているミーティングの席でのこと。司会は三浦マネージャだ。私はすでに引き継ぎをほとんど終えていて、後は小さな修正などを片付けるだけになっていた。いつもどおり連絡事項の... 2011/02/07 Comment(12)
高慢と偏見(11) 現実は映画じゃない レビューは三浦マネージャを完膚なきまでに打ちのめした。若槻さんと私は、手際よく各クラスとメソッドの説明を行った。最初はバカにしたような態度だった三浦マネージャも、次第にオブジェクト指向の利点に気が付い... 2011/01/31 Comment(5)
高慢と偏見(10) 夏への扉 「S系部品納入時チェック機能」の仕様がまとまったのは、それから数日後のことだった。S系部品とは、その名のとおりコードの先頭がSで始まる部品群のことで、部品全体の5%未満が該当するらしい。K自動車が過去... 2011/01/24 Comment(12)
高慢と偏見(9) 誰がスケジュール遅らせた? それはあなたとプロマネは言った その日の午後、三浦マネージャは何かの会議から険しい顔で戻ってくるなり、全開発メンバーを招集した。たまたま平良さんは私用のため、午後になってから出勤することになっていた。「知ってのとおり、スケジュールの... 2011/01/17 Comment(15)
高慢と偏見(8) 敵は身内にもあり 関東地方の梅雨入りが宣言されるころには、スケジュールの遅れが目立ち始めた。もともと遅れていたところに、三浦十字軍が襲来。誰も読まないドキュメント作成と、もはや三浦マネージャの独演会と化しつつあるコード... 2011/01/11 Comment(6)
高慢と偏見(7) 28日後…… 2週間ほど経つと、わたしたちの書くコードは、別の世界のプログラマが作っているのかと思うほど様変わりしていた。新部品調達システムのデータ構造そのものは、旧システムからそのまま引き継いでいるため、やや冗長... 2010/12/27 Comment(29)
高慢と偏見(6) いつかの誰かのためのドキュメント 三浦マネージャがプロマネになって2週間が過ぎた。表面上は、それまでと変わらない開発風景だったが、水面下では激しいゲリラ戦が繰り広げられていた。とはいっても、敵、つまり三浦マネージャだけが、それに気付い... 2010/12/20 Comment(6)
高慢と偏見(5) そして戦いがはじまる コードレビューという名の、三浦十字軍の暴走は続く。「......それから、210行めぐらいで部品マスタからデータ引っ張ってきてるけどね、ここで、PartsMasterGetterって使ってるね。これ何... 2010/12/13 Comment(9)
高慢と偏見(4) 嵐の金曜日 「56行めからの関数だけどね、selectPartsList()ってやつね。なんでこれ、privateになってるの?」「すみません、意味がよく分かりませんが……」富永さんは疲れたように言った。メソッド... 2010/12/06 Comment(20)
高慢と偏見(3)コードレビューは踊る 次の日から、三浦マネージャによる新体制がスタートした。もちろん、急に何かが変わったわけではない。これが開発初期だったら、それまでの作業をなかったことにしてゼロからスタートという事態もありえただろうけど... 2010/11/29 Comment(32)
高慢と偏見(2)使徒襲来 6月に入ると開発状況が大きく変わった。6月1日、K自動車社内で、別の開発プロジェクトがスタートした。詳しいことは知らないが、私がいる新部品調達システム開発プロジェクトよりもかなり重要なシステムらしく、... 2010/11/22 Comment(6)
高慢と偏見(1)隣は何をする人ぞ 高学歴で長い経験に自信を持つエンジニアは他人の話を聞かなくなる、というのは広く世に知られた真理の1つである。K自動車ICTシステム部の三浦技術担当マネージャは、そのようなエンジニアの生き見本のような人... 2010/11/16 Comment(15)