攻撃に対して「ハックされにくい人間」に

判断は、正解を当てることではない

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昨日、私は「AI時代に、人間には何を残さなければならないのだろう」という問いを立てました。

まだ、私のなかに明確な答えがあるわけではありません。だから、一つずつ考えてみたいと思います。

最初に考えたいのは、「判断する力」です。

AIは、私たちにさまざまな提案をしてくれます。

「この方法が効率的です」
「このメールには危険があります」
「この選択肢をおすすめします」

では、AIが示した選択肢の一つを選ぶことは、人間が判断したことになるのでしょうか。

判断はプロセス、決断は行動

判断と決断は、少し違うのではないかと私は考えています。

判断とは、状況を理解し、情報を集め、選択肢とその影響を考えていくプロセスです。

決断とは、その判断をもとに一つの方向を選び、行動へ移すことです。

判断はプロセスです。
決断は行動です。

この二つを分けると、AIに任せられることと、人間に残したいことが見えやすくなる気がします。

AIは、大量の情報を整理し、選択肢を示し、見落としていたリスクを教えてくれます。

それでも、何を大切にするのか。どのリスクを引き受けるのか。そして、最終的にどう行動するのか。

そこには、まだ人間が考えることが残っています。

よい判断と、よい結果は同じではありません

私たちは、結果を見て過去の判断を評価したくなります。

成功したから、よい判断だった。
失敗したから、悪い判断だった。

私も、ついそう考えてしまいます。

けれど、本当にそうなのでしょうか。

十分に考えて決断しても、悪い結果になることはあります。未来には、どうしても分からないことがあるからです。

反対に、ほとんど考えずに行動しても、偶然うまくいくことがあります。

よい判断が、よい結果になるとは限りません。
よい結果が、よい判断の証拠になるとも限りません。

大切なのは、結果だけではないのだと思います。

その時点で何が分かっていたのか。
何が分かっていなかったのか。
どのような選択肢を考えたのか。
なぜ、その決断に至ったのか。

そこに、判断の質が表れるのではないでしょうか。

判断は、振り返ることで育ちます

判断は、決断したところで終わりません。

結果が出たあとに、もう一度振り返ります。

何を予測できていたのでしょうか。
何を見落としていたのでしょうか。
結果に影響したのは、判断だったのでしょうか。それとも偶然だったのでしょうか。
同じ状況に出会ったら、次は何を変えるでしょうか。

うまくいかなかったからといって、過去の判断のすべてが悪かったとは限りません。

うまくいったからといって、判断のプロセスに問題がなかったとも限りません。

成功からも、失敗からも学びます。

その積み重ねによって、判断する力は少しずつ成熟していくのだと思います。

本能ではなく、直感を育てる

私たちは、いつも時間をかけて考えられるわけではありません。

理由はまだ説明できないけれど、「何かがおかしい」と感じることもあります。

そこで働くのが、直感です。

ここでいう直感は、本能とは少し違います。

直感は、経験し、考え、振り返るなかで育っていくものだと思います。

以前に見た小さな兆候。
失敗から学んだこと。
繰り返し考えてきた判断の基準。
まだ言葉にできていない違和感。

そうしたものが重なって、「ここでは一度、立ち止まったほうがよい」という感覚になります。

ただし、直感がいつも正しいとは限りません。思い込みや偏見から生まれることもあります。

だからこそ、

なぜ私は、そう感じたのでしょうか。

と、自分に問い返す必要があります。

直感を判断の入口にして、その理由を確かめる。そして結果を振り返り、直感そのものを育て直します。

AIは、答えではなく問いを返せるでしょうか

AIが毎回答えを出し、人間がそれに従うだけなら、人間のなかに判断の経験は残らないかもしれません。

では、AIがこんな問いを返してくれたらどうでしょうか。

「なぜ、そう考えましたか」
「まだ分かっていないことは何ですか」
「ほかに影響を受ける人はいませんか」
「違う結果になったら、どう対応しますか」

AIは、答えを代わりに出す存在ではなく、人間の判断を映す鏡になれるかもしれません。

見落としに気づかせ、判断の理由を言葉にするのを助け、結果を一緒に振り返る。

そんなAIであれば、人間の判断力を奪うのではなく、育てることができるのではないでしょうか。

まだ、私にも答えは分かりません。

けれど、私が考えたいコーチング型AIの姿は、このあたりにあるような気がしています。

人間に判断を残すとは、AIを使わないことではありません。

AIを使いながら考え、決断し、結果を振り返り、次の判断へつなげていくことです。

その循環を、人間の側に残すことなのだと思います。

けれど、そのためには一つの前提があります。

自分が何を分かっていないのかに、気づけることです。

次回は、

「分からない」と分かり、助けを求める力とは何でしょうか。

という問いを、もう少し考えてみたいと思います。

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