攻撃に対して「ハックされにくい人間」に

サイバー判断力のワークショップ② 心構え

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サイバー判断力のワークショップは、私がこれまで見てきた、いわゆる従来型のセキュリティワークショップとは少し違います。

では、何が違うのか。

最初に必要なのは、知識でも、正解でもありません。

心構えです。

受ける側も、ファシリテートする側も、

Open Mind
そして
Open Heart

であること。

そのためには、心理的安全性が必要です。

「間違ってはいけない」

「正しいことを言わなければならない」

「評価されている」

そんな緊張状態では、なかなか自分の思考を見ることはできません。

もちろん、ワークショップには目的があります。
そして、結果も測るべきだと思っています。

しかし、目指しているのは、

より速く、
より効率的に、
唯一の「正解」にたどり着くこと

ではありません。

むしろ、

デジタルの世界で、自分らしく、しなやかに判断できる力を鍛えること。

だから、唯一無二の答えが出ないこともあります。

それでいいのです。

少し話を広げます。

私は高校まで日本の教育を受け、その後、自分の生き様とキャリアの多くを日本以外の文化の中で育ててきました。

日本の教育には、とてもよいところがあると思っています。

正確に覚えること。
基礎を身につけること。
一定の型を共有すること。

これは、社会を支えるうえでとても大切です。

一方で、私はもう少し、

「考える余白」
そして
「遊び」

があってもよいのではないかと思っています。

絶対的な答えを覚えることと、

なぜそうなるのかを考えることは、

少し違います。

数学なら、答えは一つかもしれない。

でも、そこにどうたどり着くかは一つではない。

歴史も、年号を暗記するだけではなく、過去と対話しながら、今をどう生きるかを考えることができる。

私は海外で生活し、仕事をする中で、

「あなたはどう思うのか」

を何度も問われてきました。

自分で考えること。

自分の意見を持つこと。

その意見を人と話し合うこと。

共有すること。

時にはぶつけ合いながら、さらに磨いていくこと。

そして、自分の意見を変えることを恐れないこと。

そこには、絶対はありません。

自分が見ている世界だけが、世界のすべてではない。

少し離れて俯瞰してみる。

別の人の見方を知る。

知らなかったことを知る。

そして、そこからさらに広げ、深めていく。

私は、その面白さも学びました。

そして日本に戻ってきて、職場や社会を見ていると、

時々、

「絶対」を求めすぎているのではないか

と思うことがあります。

完璧な手順。

完璧な説明。

例外まで含めて、すべて決めておきたい。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

手順書は必要です。
ルールも必要です。
ベースラインも必要です。

でも、セキュリティの世界では、「絶対」はなかなか作れません。

なぜなら、相手がいるからです。

攻撃者は、私たちの手順書を守ってはくれません。

むしろ、

手順と手順の間を探す。

想定外を使う。

人間の癖を利用する。

こちらが考えていなかった方法を考える。

攻撃する側は、とても創造的で、とても柔軟です。

だからこそ、防御する側にも柔軟さが必要だと私は思っています。

そして、ここで私の好きな日本語

「遊び」

が必要なのではと。

ハンドルの遊び。

機械の遊び。

余白。

すべてをきっちり固定せず、少し動ける空間を残しておく。

日本には、もともとそういう感覚があったのではないでしょうか。

でも今、私たちはその「遊び」を少しずつ失っているのかもしれません。

セキュリティにも、私は遊びが必要だと思っています。

そして、Diversityも必要です。

違う見方。

違う経験。

違う問い。

そして、

「もしかしたら、自分の見方が違うかもしれない」

と思える余白。

もし、すべてを決めてしまって、このレールから外れてはいけないというセキュリティを作ってしまったら、応用がきかなくなります。

そして同じことは、人間の思考にも言えます。

「正解を当てなければ」

「間違ってはいけない」

という気持ちが強くなるほど、

Open Mindも、
Open Heartも、

失われていきます。

だから、このワークショップでは、最初から「正しい答え」を探してほしくありません。

まず、自分で考えてみる。

違和感を言葉にしてみる。

人の考えを聞いてみる。

自分とは違う見方に触れてみる。

途中で自分の考えが変わってもいい。

分からなくてもいい。

私は、この余白がとても大切だと思っています。

サイバー判断力のワークショップは、

自分の中にある「遊び」を取り戻す場でもある。

私はそう考えています。

思考する余白をつくる。

自分の判断を見る。

そして、少しずつ判断力を鍛えていく。

AI時代には、なおさらです。

AIは、きれいな答えをすぐに出してくれます。

だからこそ、答えを見る前に、

まず、自分で考える。

その力を残しておかなければならない。

サイバー判断力のお稽古は、そこから始まります。

では、実際に最初に何を鍛えるのか。

私は、

「気づくこと」

だと考えています。

でも、この「気づく」が、思っている以上に難しい。

明日は、

「判断する前に、まず気づけるか」

について考えてみたいと思います。

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