冷たい方程式(6) 強者の論理 9月3日、月曜日。あたしは、三度来社したホライゾンシステムの八木社長とムツミさんに、新しいPMとして、渕上マネージャを紹介した。渕上マネージャは、ここでも時間をムダにしなかった。名刺交換を終えて、全員... 2012/02/20 Comment(20) 冷たい方程式(5) コストダウンの技術 次に、渕上マネージャがホワイトボードに書いたのは、OSだった。「OSをRHELにしたのはなぜだ?」質問の意図がよくわからない。あたしは左右を見たが、上司からも後輩からも助けは得られそうになかったので、... 2012/02/13 Comment(30) 冷たい方程式(4) コストカッター その週の残りの数日は、業務系の設計をまとめたり、亀井くんのテーブル設計を手伝ったりと、あわただしく過ぎていった。業務系の画面は、画面数こそ少ないものの、1つの画面がかなり多機能になるので、人事部の担当... 2012/02/06 Comment(17) 冷たい方程式(3) 10月1日では遅すぎる 8月20日、月曜日。ホライゾンシステムの八木社長と片寄ムツミさんは、約束の15時ジャストに来社した。この打ち合わせは、本来なら8月上旬あたりに行う予定だったのだが、第2週はお互いに都合のよい日が調整で... 2012/01/30 Comment(1) 冷たい方程式(2) まだ基本設計書じゃない 他の会社はどうかしらないが、モリシタ精機では「社内SE」は、「IT関係の何でも屋さん」と同義語である。組織上は、開発グループ、インフラグループと別れていても、その境界は実のところ曖昧そのもの。開発グル... 2012/01/23 Comment(8) 冷たい方程式(1) 技術力は勘定に入れません 電話が鳴った。あたしはワンコールで受話器を取り上げた。別に待ちかねていたわけではなく、朝から続くしつこい頭痛に干渉する電子音を一刻も早く断ち切りたかっただけだ。「はい、日比野です」『受付です。ホライゾ... 2012/01/16 Comment(12) 人形つかい(終) エピローグ 2月1日午前9時、「承認くん」は無事に本番稼働した。橋本さんが電話してきたトラブルはたいした問題ではなかった。ログに出ていた、java.lang.OutOfMemoryError:Javaheapsp... 2011/10/24 Comment(37) 人形つかい(22) それでも、生きてゆく お許しをもらったぼくたちは、一度、港北工場の敷地から出た。数千人が勤務する工場なので、近くには喫茶店かレストランがたくさんあるだろう、と思っていたが、意外に数は少ない。たぶん工場内に――社員には――安... 2011/10/17 Comment(33) 人形つかい(21) 4で割り切れる年 プロセス3は、予定より7分ほど遅れたものの、無事に完了した。橋本さんは以降のプロセスの予定に合わせるために、結果チェックを5分で終わらせると、すぐにプロセス4を実行した。プロセス3からプロセス9は、同... 2011/10/10 Comment(32) 人形つかい(20) 深夜プラス1 「例外出ました!」橋本さんがうわずった声で告げた。「細川」対象的に落ち着き払った声で、東海林さんがぼくを呼んだ。「場所は?」「A01F003の193行目です。やっぱりヌルポです」東海林さんは素早くソー... 2011/10/03 Comment(21) 人形つかい(19) 夜の途中 K自動車港北工場の正門前には、橋本さんが待ち構えていた。K自動車のビルや工場に部外者が入るには通常、事前入館登録も含めて面倒な手続きがいろいろあるが、橋本さんが臨時の入館証を用意しておいてくれたおかげ... 2011/09/26 Comment(12) 人形つかい(18) 夜の始まり 1月31日、月曜日。19:00。東海林さんとぼくは、自社の自分の席に座っていた。といっても、開発作業を行っていたわけではない。すでに「承認くん」の最新バージョンはK自動車内のサーバにデプロイされ、テス... 2011/09/19 Comment(10) 人形つかい(17) 果てしなき修正の果てに K自動車の仕事始めに合わせて、総合テストも1月10日より再開された。ぼくたちはそれまでに、残っていた6件の修正をほぼ完了させていた。「ゼロになりましたねえ」ぼくは安堵のため息をついたが、東海林さんは浮... 2011/09/12 Comment(6) 人形つかい(16) つかの間の休息 「疲労の後の休息ほど、楽しいものはない」と言ったのはサー・ウォルター・スコットという詩人だ。石川啄木や幸田露伴やカントも同様に「労働の後の休息は最高!」という意味の言葉を残している。残念なのは彼らがみ... 2011/09/05 Comment(8) 人形つかい(15) いつかのメリークリスマス 零号デモまでの2週間を一言で表すなら、「大混乱」だった。その主な原因は、K自動車港北工場内のどこかで行われているらしい総合テストにあった。毎日のように乱発される変更仕様書を見ていれば、総合テストが満足... 2011/08/29 Comment(14) 人形つかい(14) 冬がやってくる 月曜日。零号デモの2週間前。睡眠のおかげで、蓄積していた疲労を少しは減らすことができたようだった。ぼくは少なくともうわべだけでも人間らしさを取り戻したような気分で、エースシステムの開発室に入った。入っ... 2011/08/22 Comment(9) 人形つかい(13) 契約書が存在する理由 翌日の朝、エースシステムで進捗表を開いたぼくは、首を傾げた。昨日の帰りに確認したときは「未実装機能数:10」だった。だが、高杉さんが宣言した通りであれば、この数字は5になっていなければならない。単にま... 2011/08/15 Comment(15) 人形つかい(12) 増殖する作業、減少する時間 カレンダーが最後の1枚になり、カットオーバーまで2カ月を切った。この時期になると、さすがにオンスケとはいかず、数日程度だが遅れが出るようになってきた。テスト部門からのフィードバックによって、いくつかの... 2011/08/08 Comment(3) 人形つかい(11) それでもオンスケ 週に1度の情報共有ミーティングは、横の情報連携を強化するためには有益だった。横というのは、主にうちとライズさんとのことで、それまで何となく存在した会社間の壁のようなものが、ベルリンの壁のように崩壊した... 2011/08/01 Comment(3) 人形つかい(10) 第1回情報共有ミーティング 議事録 11月1日、高杉上級SEから、情報共有ミーティングを週に1回のペースで実施する、との通達があった。これは簡単に言えば、右手がやっていることを左手にも知らせよう、という目的で行うものだ。これまで、橋本さ... 2011/07/25 Comment(12) 前のページへ 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 次のページへ SpecialPR
冷たい方程式(6) 強者の論理 9月3日、月曜日。あたしは、三度来社したホライゾンシステムの八木社長とムツミさんに、新しいPMとして、渕上マネージャを紹介した。渕上マネージャは、ここでも時間をムダにしなかった。名刺交換を終えて、全員... 2012/02/20 Comment(20)
冷たい方程式(5) コストダウンの技術 次に、渕上マネージャがホワイトボードに書いたのは、OSだった。「OSをRHELにしたのはなぜだ?」質問の意図がよくわからない。あたしは左右を見たが、上司からも後輩からも助けは得られそうになかったので、... 2012/02/13 Comment(30)
冷たい方程式(4) コストカッター その週の残りの数日は、業務系の設計をまとめたり、亀井くんのテーブル設計を手伝ったりと、あわただしく過ぎていった。業務系の画面は、画面数こそ少ないものの、1つの画面がかなり多機能になるので、人事部の担当... 2012/02/06 Comment(17)
冷たい方程式(3) 10月1日では遅すぎる 8月20日、月曜日。ホライゾンシステムの八木社長と片寄ムツミさんは、約束の15時ジャストに来社した。この打ち合わせは、本来なら8月上旬あたりに行う予定だったのだが、第2週はお互いに都合のよい日が調整で... 2012/01/30 Comment(1)
冷たい方程式(2) まだ基本設計書じゃない 他の会社はどうかしらないが、モリシタ精機では「社内SE」は、「IT関係の何でも屋さん」と同義語である。組織上は、開発グループ、インフラグループと別れていても、その境界は実のところ曖昧そのもの。開発グル... 2012/01/23 Comment(8)
冷たい方程式(1) 技術力は勘定に入れません 電話が鳴った。あたしはワンコールで受話器を取り上げた。別に待ちかねていたわけではなく、朝から続くしつこい頭痛に干渉する電子音を一刻も早く断ち切りたかっただけだ。「はい、日比野です」『受付です。ホライゾ... 2012/01/16 Comment(12)
人形つかい(終) エピローグ 2月1日午前9時、「承認くん」は無事に本番稼働した。橋本さんが電話してきたトラブルはたいした問題ではなかった。ログに出ていた、java.lang.OutOfMemoryError:Javaheapsp... 2011/10/24 Comment(37)
人形つかい(22) それでも、生きてゆく お許しをもらったぼくたちは、一度、港北工場の敷地から出た。数千人が勤務する工場なので、近くには喫茶店かレストランがたくさんあるだろう、と思っていたが、意外に数は少ない。たぶん工場内に――社員には――安... 2011/10/17 Comment(33)
人形つかい(21) 4で割り切れる年 プロセス3は、予定より7分ほど遅れたものの、無事に完了した。橋本さんは以降のプロセスの予定に合わせるために、結果チェックを5分で終わらせると、すぐにプロセス4を実行した。プロセス3からプロセス9は、同... 2011/10/10 Comment(32)
人形つかい(20) 深夜プラス1 「例外出ました!」橋本さんがうわずった声で告げた。「細川」対象的に落ち着き払った声で、東海林さんがぼくを呼んだ。「場所は?」「A01F003の193行目です。やっぱりヌルポです」東海林さんは素早くソー... 2011/10/03 Comment(21)
人形つかい(19) 夜の途中 K自動車港北工場の正門前には、橋本さんが待ち構えていた。K自動車のビルや工場に部外者が入るには通常、事前入館登録も含めて面倒な手続きがいろいろあるが、橋本さんが臨時の入館証を用意しておいてくれたおかげ... 2011/09/26 Comment(12)
人形つかい(18) 夜の始まり 1月31日、月曜日。19:00。東海林さんとぼくは、自社の自分の席に座っていた。といっても、開発作業を行っていたわけではない。すでに「承認くん」の最新バージョンはK自動車内のサーバにデプロイされ、テス... 2011/09/19 Comment(10)
人形つかい(17) 果てしなき修正の果てに K自動車の仕事始めに合わせて、総合テストも1月10日より再開された。ぼくたちはそれまでに、残っていた6件の修正をほぼ完了させていた。「ゼロになりましたねえ」ぼくは安堵のため息をついたが、東海林さんは浮... 2011/09/12 Comment(6)
人形つかい(16) つかの間の休息 「疲労の後の休息ほど、楽しいものはない」と言ったのはサー・ウォルター・スコットという詩人だ。石川啄木や幸田露伴やカントも同様に「労働の後の休息は最高!」という意味の言葉を残している。残念なのは彼らがみ... 2011/09/05 Comment(8)
人形つかい(15) いつかのメリークリスマス 零号デモまでの2週間を一言で表すなら、「大混乱」だった。その主な原因は、K自動車港北工場内のどこかで行われているらしい総合テストにあった。毎日のように乱発される変更仕様書を見ていれば、総合テストが満足... 2011/08/29 Comment(14)
人形つかい(14) 冬がやってくる 月曜日。零号デモの2週間前。睡眠のおかげで、蓄積していた疲労を少しは減らすことができたようだった。ぼくは少なくともうわべだけでも人間らしさを取り戻したような気分で、エースシステムの開発室に入った。入っ... 2011/08/22 Comment(9)
人形つかい(13) 契約書が存在する理由 翌日の朝、エースシステムで進捗表を開いたぼくは、首を傾げた。昨日の帰りに確認したときは「未実装機能数:10」だった。だが、高杉さんが宣言した通りであれば、この数字は5になっていなければならない。単にま... 2011/08/15 Comment(15)
人形つかい(12) 増殖する作業、減少する時間 カレンダーが最後の1枚になり、カットオーバーまで2カ月を切った。この時期になると、さすがにオンスケとはいかず、数日程度だが遅れが出るようになってきた。テスト部門からのフィードバックによって、いくつかの... 2011/08/08 Comment(3)
人形つかい(11) それでもオンスケ 週に1度の情報共有ミーティングは、横の情報連携を強化するためには有益だった。横というのは、主にうちとライズさんとのことで、それまで何となく存在した会社間の壁のようなものが、ベルリンの壁のように崩壊した... 2011/08/01 Comment(3)
人形つかい(10) 第1回情報共有ミーティング 議事録 11月1日、高杉上級SEから、情報共有ミーティングを週に1回のペースで実施する、との通達があった。これは簡単に言えば、右手がやっていることを左手にも知らせよう、という目的で行うものだ。これまで、橋本さ... 2011/07/25 Comment(12)