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第80回 偶然を生かしてみたら、会社が変わった

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 しばらくコーチングネタが続いていたので、久しぶりのコラムネタです。今回は、過去に紹介した計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)に関するお話しです。

■会社が変わることになりました!

 筆者は普段企業の中でキャリア・コンサルタントの仕事をしています。それ以外にも研修やらプロジェクト管理やら雑多にいろいろやっています。その関係で1カ月の3分の1程度は出張しています。ここ数年はずっとそのような生活を送っていたのですが、この度、所属する会社が変わることになりました。正確には親会社への転籍になるのですが、そこの教育部門に籍を置くことになりました。

 しかし、これまで筆者がやっていた仕事はすべてそのまま継続して行い、それにプラスして教育部門での仕事も請け持つことになりました。このようなケースは出向ならあり得るのですが、転籍では聞いたことがありません。しかし、今まで自分でやってきた仕事が継続できること、新たに教育部門での仕事が行えることとあって、この話を前向きに受け入れることにしました。

出向ならあり得るのですが:「出向」とは会社の業務命令などによってその会社に在籍したまま、子会社や関連会社で業務を行うことをいいます。それに対して「転籍」は、これまでの雇用元の会社との雇用契約を打ち切り(退職し)、新たに転籍先となる会社と雇用関係を結び直し(入社し)、籍を移すことをいいます。

 実は今回の転籍は、ここ数週間の間で怒涛のように決まりました。実質の期間は2週間程度でしたが、転籍の打診から始まり、社内での調整・承諾、転籍後の対応など、本当にアッという間の出来ごとでした。

■転籍するキッカケを作った計画的偶発性理論

 筆者はキャリア・コンサルタントですが、キャリア・コンサルタント以外の仕事もやっているため、キャリア・コンサルタントを専門で行ってる方に比べ、経験値が低くなります。そのため、普段から経験を積めるチャンスを探しています。その方法ですが、筆者は計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)を使っています。

 計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)は過去のコラムでも紹介しましたが、計画的に偶然を引き起こし、その偶然を使って自分のキャリアを創り出していこうとする考え方です。

過去のコラム:詳しくは『第19回 四方山話(2) 偶然をキャリアっぽく考えてみる』をご参照ください。

 過去のコラムの再掲になりますが、計画的偶発性理論は以下の5つの考え方を持ち、日々開かれた心(オープンマインド)でものごとに接することで、偶然の出会いを引き寄せようとする考え方です。

《計画的偶発性理論の5つの考え方》

  • 何事にも好奇心を持つこと!
  • 一度やってみたことは継続してやり続けてみること!
  • ものごとを楽観的に考えてみること!
  • 柔軟な考え方を持つこと!
  • リスクを背負うことを厭わないこと!

 そして、この考え方を実践する上で、筆者は独自の方法を使っています。

《偶然をキャリアに生かす考え方》

  1. 目指すキャリアを明確にしておく(目的の明確化)
  2. 偶然を期待する時期(時間)や場所を明確にする(タイミングの明確化)
  3. 偶然を引き寄せるため、計画的偶発性理論の5つの考え方を使う(方法の明確化)
  4. 偶然を引き寄せた後の行動を考えておく(行動の明確化)

 筆者の場合、1.の目指すキャリアは明確で「今以上に、キャリアに関する仕事がしたい! 」です。2.の偶然を期待する時期は出張などで、普段出会わない人と出会うタイミングを狙います。そして、計画的偶発性理論のうち「何事にも好奇心を持つこと! 」、「リスクを背負うことを厭わないこと! 」、特にこの2つを心がけて接するようにしています。そうして、4.の偶然を引き寄せた後、つまり、キャリアに関する仕事に携わるチャンスが得られた時には、その流れに乗ることを決めていました。

 今回の転籍に関していえば、筆者がキャリア・コンサルタントとして活動していることを教育部門の方がみてくださっており、現場サイドから上長に対して声をあげてもらったことで実現したそうです。教育部門の方とは数年来の付き合いがあり、筆者の(計画的偶発性理論を通じて行っている)活動はよく知っておられました。そう考えると、計画的偶発性理論がキッカケとなって今回の転籍が実現したと、筆者自身は思っています。

■偶然や運をたぐり寄せる

 今回の転籍は本当に偶然だったのかもしれません。また、単に運がよかったからかもしれません。もしかしたら、計画性偶発理論を使わなくてもこの結果が生まれていたのかしれません。

 しかし、実際には今回の転籍以外にも、この計画的偶発性理論の行動によってたくさんの仕事に出会うことができました。それは今でも続いています。だとすると、計画的偶発性理論を使うことで、偶然や運と思えるような不確定なモノをたぐり寄せることができているのかなぁとも感じます。

 何はともあれ、今は新しい環境で結果を出すことが求められますので、今ままでの経験を生かし、心機一転、新しい環境でもがんばりたいと思いますっ!

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