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第726回 前提構造理論(OST)のススメ5・構造部4 結果の前提構造(OA)

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 「前提構造理論(OST)のススメ」も5回めになりました。今回は構造部の最後にあたる結果の前提構造(OA)ついてのお話です。

■結果の前提構造とは

 原理部でもお話ししたのですが、行動(A)を起こすと何かしらの結果(R)が生じます。これをもう少し掘り下げると、行動を起こすとその成果物である内的事柄を生成します。そして、結果というのはこの内的事柄を私なりに意味づけしたモノと定義しています。

 例えば、資料作成という行動を起こすと、資料という内的事柄が生成されます。その出来上がった資料に対して

「うまくできた!」
「作成が間に合った!」

のように資料そのものに対して私たちなりの意味づけを行いますよね。これをOSTでは結果と呼んでいます。

 この時、内的事柄に対して意味づけのことを結果の前提構造(Outcome Axis:OA)と呼びます。結果の前提構造によって私たちなりの結果が形作られます。

■OAを構成する4つの条件

 OAは4つの条件から成り立っています。

  • 指向条件(Orientation Condition)
  • 主体条件(Agency Condition)
  • 起因条件(Attribution Condition)
  • 範囲条件(Scope Condition)

 指向条件とは、結果を「どの方向の軸で意味づけるか」を規定する条件です。指向条件は生まれた結果がどのような意味を持った情報として処理されるか、その方向づけを行っています。

 例えば、先ほどの「うまくできた!」というのは「成功」という方向で意味づけたことになりますよね。このように結果をどの方向に向けるのかを表すモノが指向条件になります。尚、この指向条件は結果の善し悪しを判断する条件ではなく、あくまでどの方向に意味づけを行うか、そのための条件です。

 主体条件とは、結果が「誰の(どのレイヤーの)前提を更新する材料として接続されるか」を規定する条件です。この主体条件というのは責任の所在ということではなく、その結果が誰の(何の)前提を更新するモノなのか、言い方を変えると誰の(何の)学びにつなげるのかを表す条件です。

 例えば、あるプロジェクトで目標未達と内的事柄が生じた場合、

「これは自分の仕事のやり方を見直す材料だ」

とするのか

「組織全体のやり方を見直す材料だ」

とするのか、結果の更新の受け手(更新の主体)を明確にすることをが主体条件です。この主体条件が明確になっていないと、結果が誰の(何の)更新の材料にもならずうやむやになってしまいます。

 起因条件とは、結果の要因を「何に求めるか」を規定する条件です。起因条件は生じた結果が何が要因となって生まれているのかを表すモノです。

 例えば、ある作業でミスやトラブルが生じた場合、その要因を

「個人の努力不足」
「環境の善し悪し」

のようなのような要因として捉えるのか、それとも

「この基準(Criteria)で進めてしまった」
「この価値(Value)で行動を起こしてしまった」

このように前提構造を起因条件にするのか。前者の場合、結果は回収されず消費されてしまいますが、後者の場合、結果は回収され次の認知への更新材料として渡されます。

 範囲条件とは、結果の影響が「どこまで波及するか(及ぶか)」を規定する条件です。同じ結果であっても、その更新影響が局所的な前提の修正に留まるのか、より広い前提構造の更新にまで波及するのかによって、その後の展開はまったく異なります。

 例えば、ある作業を行い失敗したとしましょう。その「失敗」という内的事柄が自分の範囲で起こったことなのか、それともチームの範囲で行ったことなのか、その境界線を決めることです。これによって結果回収のされ方が変わってきます。

■結果回収の考え方

 OAによって内的事柄は意味づけられた結果になります。この時、OAの意味づけられ方によって結果は認知に回収されるか(=結果回収)、それとも次の認知に回収されず結果を消費する(=同じ認知でCARが回り続ける)状態になります。このOAとC3には以下のような関連性を持ちます。

  • 指向・主体条件 → Criteria(基準)に影響を与える
  • 起因条件 → Cause(因果)に影響を与える
  • 範囲条件 → Context(全体)に影響を与える

このようにOAとC3は関連する要素があり、これによりどのように結果回収がなされるかが決まってきます。

■今回のまとめ

 今回の内容をまとめますと、

  • 結果の前提構造(OA)とは、行動が生み出した客観的な「内的事柄」に意味づけを行い、主観的な「結果」へと変換する構造である
  • OAは「指向(方向)」「主体(受け手)」「起因(要因)」「範囲(波及)」の4条件で構成され、結果がどのような情報として処理されるかを規定する
  • OAの作動によって結果が認知に回収されるか消費されるかが決まり、各条件はC3の要素(基準・因果・全体)と連動して次の判断更新に影響を与える

となりますね。

 それでは、次回は前提構造に影響を与える「識別核」についてのお話をさせてもらいますね。

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