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第730回 前提構造理論(OST)のススメ9・介入部2 C介入(CUP)

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 今回は「前提構造理論(OST)のススメ」9回めですね。前回から介入部に入りましたが、今回からは具体的な介入の方法についてお話していきます。

 まずは認知(C)に対する介入であるC介入のお話です。

■C介入が行われるケース

 そもそもC介入はC欠損している状態から欠損をなくすことを言います。C欠損とは認知の前提構造(C3)の全体、因果、基準のどれか1つ以上が欠けている状態です。この状態では望んだ認知が立ち上がって来ないので、その人が望む判断が行われていない状態になっています。ですので、C介入が有効になるケースとしては、

  • 判断が堂々巡りしている
  • 同じ失敗を繰り返している
  • 視野が極端に狭くなっている
  • 基準が硬直化している

これらがC欠損の典型的な例です。つまり、意思決定する場合本質的な提案を行う場合などに有効な手段になります。

■C介入の具体的な方法(CUP)

 それでは、C介入を具体的に行う方法をご紹介します。

 C介入は認知更新プロセス(Cognitive Update Process:CUP)と呼びます。CUPは基本的に統合型CAR介入プロセスを踏襲するのですが、これをC介入に当てはめると以下のようになります。

StepA:C3の特定
StepB:一点特定
StepC:一点更新
StepD:再選択

この流れで進みます。

StepA:C3の特定

 最初のステップでは、現在の判断がどのような前提(思い込み)によって成立しているかを観察し言語化します。具体的には以下の3つの要素(C3)を書き出します。

Context(全体): どのような範囲で物事(仕事など)を捉えているか
Cause(因果): 何が原因で、どうなると想像しているか
Criteria(基準): 何を一番の基準にして判断しているか

 ここでは正誤の判定は行わず、ありのままの前提を写し取ることに徹します。

StepB:一点特定

 書き出したC3の中から、最も固定化し、判断を狭めている「一点」を特定します。
 C介入では三要素すべてを同時に扱おうとすると混乱が生じるため、「一度に扱うのは一点のみ」という原則に従い、最も更新効果が見込める要素を 一つだけ選び出します。

StepC:一点更新

 特定した「一点」に対して、更新可能な余地(別の見方や可能性)をつくります。
 ここで行うのは、新しい考え方や正解を教え込むことではなく、「別の基準や因果もあり得る」という実感を持てる状態にすることです。このとき、自分(または組織)の「コア・パーパス(コア・フィロソフィー)」と照らし合わせることも有効です。

StepD:再選択

 更新された前提条件のもとで、本人(または組織)が自ら新しい捉え方や判断を「選び直す」ステップです。
 「いまの前提なら、どれを選ぶか?」という問いを通じて、以前と同じ判断を選ぶにしても、新しい判断を選ぶにしても、「別の前提でも選べる状態(可動性)」が成立したかどうかでC介入の成功を判定します。

 言葉にするとこのような感じになりますが、要するに自分のC3を見直して、判断をゆがめている1点の要素を選び、それを更新することで、新たな認知を立ち上げるということですね。

■今回のまとめ

 今回の内容をまとめますと、

  • C介入は、認知の前提構造であるC3(全体・因果・基準)の欠損によって意思決定が滞っている状態を解消するために行う
  • 具体的な手順は、現状の前提を言語化し、判断を妨げている要因を一点に絞り込んで別の可能性へと更新する
  • 書き換えられた前提構造(C3)の元で本人が新たな判断を自ら選び直すことで、欠損のない認知を立ち上げ直す

になりますね。

 次回は行動に対する介入であるR介入(TVD)についてお話ししたいと思います。

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