第732回 前提構造理論(OST)のススメ11・介入部4 R介入(REP)
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
「前提構造理論(OST)のススメ」も11回めになりました。今回は結果(R)に対する介入であるR介入のお話です。
■R介入が行われるケース
CARでは認知(C)が生まれると行動(A)が立ち上がり、行動によって結果(R)が生じます。この結果とはどういう状態を指すのでしょうか。
OSTでは行動を起こすと何かしらのアウトプットが生成されると考えます。このアウトプットのことを「内的事柄(Internal Fact)」と呼びます。例えば、資料を作るという行動を取った場合、アウトプット、つまり内的事柄は「資料」ですよね。そして、この出来上がった資料に対して私たちは何かしらの「意味づけ」を行います。先ほどの資料で言えば、
- うまくできた
- なんとか時間に間に合った
- これで作業は全部終わった
これらは「資料」にというアウトプットに対して、その人が意味づけをした状態です。これをOSTでは結果と呼びます。この意味づけの仕方によって
- 結果が評価(良い悪いなど)などで終わってしまう(結果が消費される)
- 結果が次の認知に活かされる(結果が回収される)
という動きが生じます。
この意味づけのされ方に影響を及ぼすのが結果の前提構造(OA)です。結果の意味づけによって結果が消費される持続型OSになったり、結果が次に活かされる更新型OSになったりすることは過去にお話しした通りですが、これは結果の前提構造(OA)が直接的な影響を及ぼしています。
CARが持続型OSで回っているという状態は結果を回収できていない状態であり、これは結果の前提構造(OA)が整ってない場合に起こります。このことをR欠損と呼びます。
■R介入の具体的な方法(REP)
このR欠損を解消するためのツールがR介入です。
R介入は結果関与プラクティス(Result Engagement Practice:REP)と呼びます。REPもCUPやTVDP同様に統合型CAR介入プロセスを踏襲していますが、実際にはこのようになります。
StepA:結果の事柄化
StepB:一点抽出
StepC:OA点検
StepD:次Cへの引き渡し
StepA:結果の事柄化
ここでは起きた出来事を、評価や意味づけから切り離し、純粋な事柄(客観)として切り出します。
実際には以下のような問いに答えていくことで事柄を明確にします
「実際に起きたことを、事柄(客観)だけで述べると何ですか?」
「評価や意味づけ、判断を抜くと、出来事そのものは何でしたか?」
「時系列で並べると何が起きていますか?」
StepB:一点抽出
先ほど出した事柄の中から、次の更新に使えそうな一点を選びます。この時、「次へ活かす材料を見つけるコツ」を使って事柄を選ぶと選びやすくなります。
次へ活かす材料を見つけるコツ
コツ1:次の判断更新に最も効きそうな事柄
コツ2:変えやすくて効果が高そうな事柄
コツ3:コア・パーパスとのズレが大きそうな事柄
StepC:OA点検
選ばれた事柄について、結果回収を妨げているOAの4条件(指向・主体・起因・範囲)のいずれかの成立が遮断されているかを確認します。
結果の前提構造(OA)
指向:この結果は「どこを向いているか?」
主体:この結果は「誰の(どこの)学びにするか?」
起因:この結果は「何が元で起こったか?」
範囲:この結果は「どの範囲まで影響が及ぶか?」
具体的には意味づけを見直す3つの問いを使います。
意味づけを見直す3つの問い
問い1:「結果を、自分や他人、環境のせいにしていませんか?」(起因)
問い2:「結果を、自分の中だけに留めていませんか?」(範囲)
問い3:「結果を、感情や評価(良い・悪い)や、誰の学びにもせず放置していませんか?」(指向・主体)
StepD:次のC介入への引き渡し
選ばれたOAを、次のC介入(CUP)に接続させます。
具体的には意味づけの点検を踏まえて、結果をどのように捉え直せば、次につながるような「新しい捉え方」にアップデートできるかを考えます。
■今回のまとめ
今回の内容をまとめますと、
- 行動のアウトプットに対する「意味づけ」が次に活かされずに消費されてしまう状態を「R欠損」と呼ぶ。
- このR欠損を解消し、結果を適切に回収して次へ活かすためのアプローチが「R介入(REP)」である。
- REPは、出来事の客観視、次へ活かす要素の抽出、意味づけの点検(OA点検)のステップを経て、結果を新たな認知(C)へと繋げる。
になるかなと思います。
それでは、次回は介入部の補足説明についてお話ししたいと思います。