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第729回 前提構造理論(OST)のススメ8・介入部1 介入とは

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 「前提構造理論(OST)のススメ」も8回めになりました。今回から介入部に入りますので、最初に介入についてお話しします。

■ここまでのおさらい

そもそもOSTはどのような理論かですが、これが実は私自身結構説明が難しいなぁと思ったりしています。というのも原理から話せば、

  • 認知(C)、行動(A)、結果(R)は循環している
  • これらCARの前にはそれぞれを立ち上げる前提構造が存在する

ということになります。でも、これはあくまで原理なのでそれ以上でもそれ以下でもありません。だから、ここから発展する話として構造の話が出てきます。それが

  • 認知の前にある前提構造(C3)
  • 行動の前にある前提構造(AS)
  • 結果の前にある前提構造(OA)

で、CARはこれらの前提構造によって立ち上がって来ます。

 これが定義されるとどうなるのか? それが同じCARを回り続ける持続型OS、CARの情報を変えていく更新型OSという考え方が生まれます。これにより、失敗という概念を

前提構造が揃わずCARが更新されない状態

を定義できます。つまり、失敗というのは

  • C3が揃わないことで認知が立ち上がらない
  • ASが揃わないことで行動が前景化しない
  • OAが揃わないことで結果が意味づけされない

ということを意味します。つまり、失敗というのは前提構造が揃わないことで、その人が想定していたCAR(認知・行動・結果)が現れない状態をであることが分かります。

 そして、このことが分かると失敗を回避するという考えが生まれます。失敗は前提構造が揃わないことで起こるのであれば、失敗を回避するというのは前提構造を揃えてCARを回すことになりますよね。

 この前提構造を揃えることを介入と呼びます。言い変えるなら、持続型OSから更新型OSに変えることを介入と呼びます。

■介入の特徴

 この介入についてですが、実はこれはOSTの中核理論ではないんです。OSTの中核はあくまで原理と構造だけです。介入は本論の外にある考え方です。

 というのも、前提構造を揃える方法というのは何も一つではなく、幾つも方法は考えられます。そのため、これを理論化すると介入の方法が膨大になってしまうため、あくまでOSTでは1つの例として介入部を置いているんです。

 その介入は欠損という前提から立ち上がります。

例えば、認知(C)の前提構造(C3)には全体、因果、基準という3つの要素がありますが、これらのどれか1つでも欠けていると臨んだ認知は立ち上がりません。この状態を欠損と言い、認知の場合はC欠損と呼びます。

そのため、AS(価値、時間依存性)のいずれかが欠損している状態をA欠損、OA(指向、主体、起因、範囲)のいずれかが欠損している状態をR欠損と呼びます。

 この欠損している状態から欠損をなくすことを介入と呼び、それぞれC介入、A介入、R介入と呼びます。

 そして、あくまでこの介入というのはCARそのものにアプローチをするのではなく、前提構造(C3、AS、OA)に対してアプローチをします。そうして前提構造を整えることで自然とCARがたちがあるような動きになります。

■統合型CAR介入プロセス

 これら3つの介入にはそれぞれ具体的なやり方が定義されています。

  • C介入...認知更新プロセス(Cognitive Update Process:CUP)
  • A介入...時間価値設計(Time-Value Design: TVD)
  • R介入...結果関与プラクティス(Result Engagement Practice:REP)

このCUP、TVD、REPの3つを総称して統合型CAR介入プロセスとと呼びます。この統合型CAR介入プロセスは以下の4つのStepで行われます。

StepA:要素の特定(問題に関与している前提構造の要素を明確化する)
StepB:一点特定(介入の焦点を一つに絞り込む)
StepC:一点更新の設計(選択した一点に対して、更新条件を具体的に設計する)
StepD:再選択(改めてCARを選び直す)

※この4つの具体的な進め方については次回以降でご説明いたします。

■今回のまとめ

 今回の内容をまとめますと、

  • CAR(認知、行動、結果)は常に循環しているが、その循環を制御するのはその前段にある前提構造(C3・AS・OA)の状態に応じて自然に立ち上がってくる
  • 失敗とは前提構造の要素が欠ける「欠損」によって、同じ循環から抜け出せない(CARが更新されない)状態を指す
  • 介入とは、CARを直接いじらず、前提構造を整えることで持続型OSから更新型OSに変えることである

のような感じですね。

 それでは、次回からは具体的に介入を1つずつ見ていきたいと思います。

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