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第728回 前提構造理論(OST)のススメ7・構造部6 持続型OS・更新型OS

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 「前提構造理論(OST)のススメ」も7回めです。構造部は今回で最後になるのですが、次の介入部に繋がるお話として持続型OS・更新型OSについてお話しします。

■CARが回るということ

 OSTは認知(C)、行動(A)、結果(R)が循環するCARという概念を持っています。そして、このCARのそれぞれが生起する条件として、それぞれの前提構造(C3、AS、OA)があるということ、そしてこれら前提構造に影響を及ぼす識別核があることはこれまでお話してきました。

 このCARというのはどんな状態においても常に回り続けています。これは止まることはありません。ということは、物事が成功してようが失敗していようが回るという行為はずっと続いています。

 でも、成功しても失敗しても同じようにCARが回り続けるって少し違和感を感じませんか?

■持続型OS・更新型OS

 ここで第1回でお話しした失敗の定義が出てきます。一部抜粋します。

 つまり、CARそのものはずっと回り続けています。しかし、結果を回収できるかどうかでCARが同じ循環をするか、違う循環になるかが変わってきます。

 これが、失敗を生む仕組みになります。この理論における失敗というのは結果が認知に回収されずに同じCARを回り続ける状態を意味しています。

 つまり、失敗というのは人や環境などではなく、CARの循環が更新されない(=結果回収されない)ことで起きている状態のことを指していると考えます。これがわかると、失敗という状態を変えるためには、結果回収ができる状態をつくり上げることが必要ということになりますよね。

 ここは結果(R)から認知(C)に戻る結果回収の部分の話なのですが、失敗というのは、結果回収がされない状態でCARが回り続けていること、つまり、結果(R)から認知(C)で何も更新が起こらずに、以前と同じ認知(C)の状態で回ってしまうことです。こうなると、CARは同じ状態で回り続けるので何度も何度も同じ状態を繰り返します。この状態を持続型OS(Sustaining Operating Structure)と呼びます。

 一方で、結果(R)から認知(C)に戻る際、結果の前提構造であるOAの働きによって結果回収が行われることになった場合、認知は結果を使って新しい認知を生み出します。この状態は新しい認知を生み出してCARが回りますので、行動(A)や結果(R)も更新されます。このような状態を更新型OS(Updating Operating Structure)と呼びます。

 そのため、うまく行っていない状況があるとすれば、それはCARが持続型OSになっている可能性があります。そのため、この状態から脱却する(=失敗から成功に変える)ためには更新型OSに変えることで実現します。

■持続型OS・更新型OSの特性

 ここまでのお話から持続型OSが悪い、更新型OSが良いというように見えてしまうかもしれません。しかし、この考え方は正しくありません。

 それはOSTが原理理論であるが故のことですが、そもそもOSTは善悪や正誤、規範といったモノを表現する理論ではありません。あくまで、その状態を構造で定義しているだけです。

 つまり、持続型OSとは同じCARが回り続けてる状態を指しているだけです。例えば、組織が安定しているなら別に更新型OSである必要はなく、持続型OSでも機能し続けるのです。寧ろ変えてはいけないようなモノがある場合には更新型OSであることの方が弊害があります。

 一方、失敗の状態は変えていく必要があります。この場合は更新型OSが適しています。変わり続けること、アップデートし続けることが求められる場合には持続型OSでは実現できないので、更新型OSであるべきです。

 このように、持続型OS・更新型OSはどちらが優れているということではなく、その時々に応じて適切にCARを回していくことが肝要になります。そして、これこそが、次の介入部に繋がる懸け橋となります。

■本日のまとめ

 今回の内容をまとめますと、

  • CAR(認知・行動・結果)は常に循環しており、結果を認知に回収できず同じサイクルを繰り返す状態を「持続型OS」、結果を回収して認知をアップデートする状態を「更新型OS」と呼ぶ
  • 「失敗」とは人や環境の問題ではなく、CARの循環が更新されない構造的な状態を指し、そこから脱却するには結果を適切に回収して更新型OSへ切り替えることが実現する
  • 持続型OS・更新型OSに善悪の概念はなく、安定や維持が必要な場面には持続型OS、変化や改善が必要な場面には更新型OSというように、状況に応じて適切に使い分けることが重要

のような感じですね。

 次回からはCARを回すための具体的な考え方として介入部のお話に進みますね。

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