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第79回 コーチングのススメ13 コーチングの戦略~コーチングを機能させるためには~

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 こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。

 これまで12回に渡って筆者が実際に使っている4Sコーチングを紹介して来ました。今回は最終回としてStrategy(戦略)の後半部分とコーチングを使う上でのポイントのようなモノをお話ししたいと思います。

■問題解決フローの4段階(4Sコーチング版) ~第3段階:原因の発見~

 前回の第2段階までに問題個所を特定しましたが、論理思考のときと同じように、この段階ではその問題個所がどうして問題となっているのか、その原因を考えます。論理思考ではSo Whyツリーを使って原因を掘り下げましたが、4Sコーチングの場合、主に2つのアプローチ方法を使います。

  • 論理的に原因を掘り下げる場合(論理思考的アプローチ)…主体のスライド(原因レベル)、客体のスライド(チャンクダウン)
  • 発想の転換で原因を考える場合(水平思考的アプローチ)…主体のスライド(人称レベル)、客体のスライド(チャンクアップ)

 コーチが原因を掘り下げることで原因がみつけられるだろうと推測した場合、主体のスライドの原因レベルや、客体のスライドのチャンクダウンを使った論思考的アプローチでクライアントに考えを促します。しかし、考えが煮詰まってしまってアイデアが出ない場合や、違う視点で考えを促したい場合には主体のスライドの人称レベル客体のスライドのチャンクアップを使った水平思考的アプローチが有効です。これらの方法によってクライアントに考えを促し、クライアントが考える原因をみつけ出します。

■問題解決フローの4段階(4Sコーチング版) ~第4段階:解決策の検討~

 この段階では先の段階でみつかった原因に対する解決策を考えることで、問題そのものを解決に導きます。論理思考ではSo Howツリーを解決策を考えましたが、4Sコーチングでは、先の3段階と同じく、論理思考的アプローチ水平思考的アプローチで考えます。

  • 論理的に解決方法を考える場合(論理思考的アプローチ)…主体のスライド(結果レベル)、客体のスライド(チャンクダウン)
  • 発想の転換で解決方法を考える場合(水平思考的アプローチ)…主体のスライド(人称レベル)、客体のスライド(チャンクアップ)

 ここではクライアントなりの解決策を考えてもらいます。そのため、クライアントに解決策をイメージさせられるような戦略が必要になります。その方法は第3段階と同じように、主体のスライドの結果レベルや、客体のスライドのチャンクダウンを使った論理思考的アプローチ主体のスライドの人称レベルや、客体のスライドのチャンクアップを使った水平思考的なアプローチを行い、クライアントなりの解決方法を考えてもらいます。もし、その解決方法が具体的でないとコーチが考えた場合、チャンクダウンを行うことで更に詳細にその方法を落とし込みます。

■行動の後押しをする

 問題解決フローの4段階を経て、クライアントなりの解決方法をみつけられたとします。もし、この話が一般的な問題解決の話ならばその解決方法を導き出すまでで良いのかもしれませんが、コーチングの場合はクライアントが目標に達成する所までが求められます。そのため、解決方法をを導き出したとしてもクライアントがそれを継続して行えないと、何かしらの結果も生まれません。そのように考えると、解決方法を導き出すだけでは足りないのです。そこで、問題解決方法をみつかった後に行動の後押し行います。

 具体的には、クライアントが導き出した解決方法で何かしらの結果が出るまでの間、どうやったら継続できるのか、その方法を考え、宣言してもらいます。このことが、クライアントの行動を後押しすることに繋がります。

 そうして、行動を継続した結果、必ず何かしらの結果が生まれてきます。その結果がクライアントの目標だった場合、そこでコーチングの目的は達成されます。しかし、結果とクライアントの目標とがずれていた場合、そのずれを分析し、再度目標に到達するための戦略を練り直します。こうすることで、少しずつでもクライアントが目標に近づけるようにします。

■コーチングを使う上でのポイント

 これで4Sコーチングの4つのSをすべて紹介しました。実際に4Sコーチングを学ぼうとする場合はもう少し深い考え方が出てくるのですが、大枠はこれで全部です。ところで、コーチングを学び実践されようとする場合、いくつかのポイントがあります。コーチングのススメの最後として、このポイントをいくつか紹介します。

ポイント1:コーチの満足度とクライアントの満足度は一致しない

 コーチングを本格的に学び、実践しようとすると、コーチの満足度とクライアントの満足度が一致しないことがよくあります。コーチはうまくいかなかったなぁと思うときでもクライアントが非常に満足していることはよくあります。逆に、コーチが満足のいくコーチングを行ったと感じても、クライアントにはイマイチしっくりこないこともよくあります。そのため、コーチはコーチングを行う際、自分の満足度は考えず、いかにしてクライアントの満足度を引き上げることができるかに注力した方がよい結果が生まれやすくなります。ただし、その場合でも、コーチは中立の立場に立つことが求められます。

ポイント2:論理思考、水平思考の腕を磨く

 Strategy(戦略)の所でもお話ししましたが、4Sコーチングでは論理思考水平思考の考え方を使います。いい方を変えると、クライアントに論理思考、水平思考で考えさせるような戦略を取ります。そのため、コーチは論理思考や水平思考の考え方を理解、習得しておく方がよりコーチングの戦略を広げることができるようになります。

ポイント3:結果に責任を持つ

 これはプロとアマの大きな差になりますが、結果に対して責任を持つことがコーチングを成功させる上で大きな要素となります。プロのコーチはクライアントから対価をいただいてコーチングを行いますので、当然結果に対して責任を負うことになります。その環境がコーチとしての能力、スキルを向上させることに繋がります。もちろん、プロコーチにならなければコーチングの腕が上がらないということではありませんが、例えクライアントから対価をいただかなかったとしても、コーチとしてクライアントと向き合うことになった場合には、何としてでも結果を出すという強い責任を持って臨む必要があるかと思います。

■コーチングの習得は難しい、しかし、それ以上の見返りがある

 今回、3ヶ月以上に渡り4Sコーチングのことを紹介させてもらいました。先ほども書きましたが、今回紹介した内容は4Sコーチングの一部で、これを全部習得しようとすると最低でも半年、通常は1年以上はかかります。それほどコーチングは難しいモノだと思います。しかしながら、今日でもコーチングに惹きつけられる人はたくさんおられます。それは、コーチングがもつ効果に何かしらの可能性を感じておられるからではないでしょうか。その可能性を手に入れることで、その人の日常、生活、仕事など、何かが変わる可能性があるからだと思います。実際、筆者がコーチングを習得してからは大きく環境が変わりました。

 昨今、コーチングにはたくさんの理論や考え方があります。どの理論や考え方にも素晴らしいモノがあります。もし、コーチングに興味を持ち、コーチングの世界に踏み入れてみたいと思われた方がおられましたら、どの理論や考え方でも構いません。あなたが興味を持たれたコーチングを学び、習得してみてください。それは、必ずあなたに大きな見返りを与えてくれるものになるでしょう。

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