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第689回 生成AIが作成する議事録に思うこと

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 私はほぼ毎日生成AIに触れており、いろんな使い方をしているのですが、最近生成AIを使った議事録を目にすることが増えてきました。会議中にトランスクリプトを取っておき、会議終了後直ぐに議事録が流れてくるようになったのはホントに便利だなぁと思います。しかし、一方で生成AIが作成する議事録が増えてきたことで、気になることも出てきました。今回はそんなお話です。

■生成AIが作成する議事録

 会議の内容を録画する、もしくは文字起こしであるトランスクリプトを取ることで、その内容を生成AIが議事録に起こしてくれることは、既に多くの企業で導入されている生成AIを活用した事例なのではないかなと思います。

 今しがた会議した内容が直ぐに議事録として流れてくるのは会議に参加している者として大変ありがたいです。議事録があることで参加した会議の内容を直ぐに見直すことができますし、自分の発言をチェックして次の行動を再確認することもできます。しかも最近はスクリプトが洗練されてきているからか、生成AIが作成する議事録のレベルは結構高く内容もちゃんと整理されているんですよね。

 こうしたことから、生成AIに議事録を作成させるというのは良いDX化の実例なんじゃないかなって思ったりしています。

■生成AIが作成する議事録で気になること

 一方で、生成AIが作成する議事録で気になることもあります。それは出力の形式が統一されていない点です。恐らく出力のフォームや項目などは予めスクリプトに定義されているんでしょうけど、それでも毎回その出力の仕方が微妙に違ってるんですよね。

 ただこれはある意味仕方がないことで、生成AIその時その時で判断の内容が微妙に違う場合があります。それは生成AI側がその時点での最適解を導き出そうするからなんですが、それによって統一性が失われてしまうことがあります。そのため、大きな違いではないもの、例えば表現の仕方(ですます調や人の呼称など)、議事録の段組みなどが議事録ごとに微妙に違っていて、それが違和感として感じることがあります。

 勿論、議事録としての体裁はなされているので些細な問題ではあるのかもしれません。議事録の本質は会議の内容を記録しておくことにあるのでその要件は満たしていると思います。ただ、些細なことかもしれませんが、生成AIが作成する多くの議事録を見ていると、その少しずつのズレが私は気になってしまいます。。。

■生成AIを使う上で私たちに求められること

 実はこうしたことは比較的簡単に回避することができます。例えば今回のような話であれば、議事録を作成する際に必ず共通のサンプル議事録を読ませて、この形で出力するように生成AIに依頼すると出力の揺れはある程度解消することができます。こうしたことをGPTsを作る際に設定しておけば更に議事録の標準化はできるように思います。

 ですが、それでも100%回避することはできないので、そこはやっぱり人間がちゃんと生成AIに対してフィードバックをしてあげることが大事だと思うんです。生成AIは仕事をサポートしてくれる優秀な部下でもありますが、決して万能な訳ではありません。だからこそ生成AIを使う上で私たちのリテラシーを高めていく必要があると思うんです。

 出力された議事録の体裁に違和感がある時にはちゃんとそれを指示できること、そしてうまく作れていたらそれをちゃんと伝えてあげること。こうした普段人間に対して行っているようなことを生成AIにもやってあげることで生成AIの仕事のレベルを高めていくことができるようになります。

 そして何より生成AIを使う上でこうしたことが重要だという認識をちゃんと持つことが、生成AIという最強の部下をうまく使いこなすことに繋がるんじゃないかなって思います。

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