第693回 久しぶりの本屋さんで感じたこと
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私は本をよく読むのでしょっちゅう本屋さんに行っては本を物色するのが好きでした。しかし、ここ数年忙しさや電子書籍で本を読むことが増えてしまい、本屋さんに行くことがなくなっていました。そんな中、久しぶりに欲しい本があり本屋さんに行ったのですが、そこで以前と違う感覚になってしまい戸惑ってしまいました。そこで今回は久しぶりの本屋さんで感じたことを書きたいと思います。
■私にとっての本屋さんとは
私は紙の本が好きです。インクの香り、紙の肌ざわり、表紙カバーのデザインや色合い、そうした物理的な本という存在が好きで本屋さんによく通っていました。特に何か読みたい本がある訳ではないんですが、本屋に行くと何か新しい発見があるんじゃないかという宝探し的な感もあり、私にとって本屋さんはワクワクするような場所でした。
私は本屋さんでは通るルートが決まっていて、どの本屋さんでもほぼすべての本棚を回ります。そこにはいろんな種類の本があって色んな情報を与えてくれます。それを数日の間隔も空けずに通うのですから新しい書籍が入ってきたら直ぐにその違和感に気づきます。それくらい本屋さんって好きだったんです。
でも、ここ数年は仕事が忙しくなってきたこと、テレワークになり出退勤をすることがなくなり本屋さんに寄らなくなったこと、電子書籍が増えてきて本屋さんに行く必要がなくなってきたこと、必要な本はネットで朱蒙するようになったこと、こんなことが重なって私は本屋さんに行くことがなくなってしまいました。
■久しぶりに本屋さんに行ってみると...
そんな中、欲しい本があって本屋さんに行くことにしました。本来こういったことがあったらネットで買ってるんですが、その時は中身を確認してから買いたいと思い、それならばと久しぶりに大型書店に寄ってみることにしました。
数年ぶりに本屋さんに入りました。すると、以前とは違うなんとも言えないような感覚になりました。なんというか、凄まじい量の情報がワーッっと押し寄せてきたような感覚になったんです。例えるなら大量の情報という波に飲まれるような感覚と言えばいいんでしょうか、ちょっとめまいがするような感覚になってしまいました。
それでも、少しすれば慣れるかなと思い、以前と通っていたルートを通ると、いろんな本の情報がどんどん頭の中に入ってくる感覚になり、ちょっとシンドくなってしまいました。。。
本屋さんってこんなに情報が多かったっけ?
当たり前ですけど、本屋さんってどこも向いても本だらけなんですよね。だから情報がとにかく多いんです。その情報がどんどん頭に入ってくる感覚に頭が付いてこれなくなってクラッとするんです。
そうしたこともあって、いつものルートであることを止め、探している本のある棚へ直行することにして本を見つけました。
そして、その本を手に取って中身を見ようとしたところ、今度は本の内容が頭に入ってこないんです。。。
正直何が起こってるんだと思いましたが、その時、恐らくここまでの情報の多さから本を読もうとする気持ちがなくなってしまったんだと思います。なので、お目当ての本については最低限必要な内容だけ調べ、結局その本は買わずに帰ってしまいました。
■なぜこんなことが起こったのか?
この出来事は私にとってはかなりショックでした。なぜならこれまで大好きだった本屋さんでまさかシンドイ想いをするとは思ってなかったからです。
その理由を考えてみました。最初は老いかなぁとも思いましたが、多分それだけでは片づけられないモノもあるような感じがします。
そうして原因を考えてみた結果、私の志向が変わっていることに気づきました。
何というか以前ほど本というモノに対する執着がなくなっており、そこに興味がなくなっていたんです。勿論、本自体は今でも好きだと思うのですが、以前より本に執着していないというか、本がなくても困らないと感じていることに気づきました。言い方を変えると本から得られる情報を必要としていないってことなのかなと思います。だから、本屋さんに行った時にその情報量の多さに身体がついていかなかったかなぁと思いました。
■久しぶりの本屋さんで感じたこと
今回、あれだけ好きだった本屋さんへの感じ方が変わってしまったことで、人間って一つの考えや想いを持ち続けることって難しいんだなぁと思いました。
それって残念な気持ちもあるんですが、一方で違う自分になったことへの興味も湧いてきました。人間は変わらない生き物ではなく変わっていく生き物だとするならば、それをポジティブに受け入れた方が良いんじゃないかなって思うんです。
今の自分は本屋さんに興味がなくなってしまっているけど、それじゃ他の何に興味を持つようになったんだろう? そんなことを思った方が得なんじゃないかなって思いました。それが今の自分とうまく付き合っていく秘訣なんじゃないかなって、昔好きだった本屋さんに想いを馳せながら感じました。