第698回 こだわることの大切さ
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
皆さんは仕事をされる上でこだわりって持ってますか? 私は結構こだわりが強い方だと思うんですが、それが故にぶつかることもあります。そんな中でもやっぱりこだわりって必要だよなぁって思うことがありました。そこで今回はこだわりについて思うことを書きます。
■研修のドタキャン問題
企業向けにせよ個人向けにせよ、研修当日のドタキャンは結構困ります。
特に企業向け研修の場合、研修を依頼される企業の部署があり、そこから研修を依頼されるので、基本的に参加者はその企業の社員さんになります。そのため、企業内でも研修参加者の調整をされており、事前に参加者は把握されています。ですので、研修当日のドタキャンは体調不良や急な用事が入ったといったよほどのことしか起こりません。
また、研修を実施する側としても当日のドタキャンが発生したことを踏まえ、事前のチーム分けなどもある程度柔軟に変更ができるような組み方をしたりして、突発的なことが起きても対処できるような準備をして研修に臨みます。
しかし、その日の研修は数百名規模で非常に大人数でした。勿論、このような研修であったとしても主催者側が参加者を正しく把握していれば何の問題もなかったのですが、その日はドタキャンが数十名発生してしまいました。
流石にここまでのドタキャンが出てしまうと研修の進行に大きな影響を与えかねないばかりか、研修自体が成立しない可能性があります。しかも、ドタキャンといっても研修当日にキャンセル連絡が来ればまだいい方で、連絡なしに研修に参加されてない方が結構おられたんです。
これに対して主催者側の対応が「今いる人数で研修を進めてください」と言われるようなかなり杜撰な対応に思えてしまったので、こんなことを言ってしまいました。
ただ進めればいいということではなく、研修には目的があり、その目的の下で設計しています。
しかし、これだけの欠席者が出てしまうとチーム編成で一人しかいない状態になってしまっている所もあり、それをそのままにして進めてしまうと研修として成立しなくなります。
それでもいいんですか?
しかし、それでも主催者側は「進めてください」と言われたので、
このことで不利益になるのは真面目に研修に参加されている方です。
今、一番考えなければならないのは参加されている方に対して、満足に研修を提供させていただくことです。
そのため、こちらでチーム編成を見直しながら実施させてもらいます。
と半ば強引に研修を進めながら流動的にチーム編成を組み替えつつ、何とか無事に研修を終わらせることができました。
■私なりのこだわり
勿論、主催者側の言うとおりに無機質に研修を進めることはできました。しかし、私のこだわりがそれを許しませんでした。
私が研修でこだわっているのは、
最高の研修を提供したい
この1点です。私たちのような研修を生業にしている人と違い、研修に参加されている方は須らく皆さん自分の仕事をお持ちです。そのような中、時間の工面を付け、何とか参加していただいているような状況なんです。だから、研修に参加されていることは当たり前でも何でもなく、それはその人にとって本当に貴重な時間を委ねてもらっているのだと私は思っています。
そう考えると、私は主催者の言葉を聞き入れることはできませんでした。幸い、私が行った対応で無事研修は成立させることができ、その後、主催者側の責任者の方から当日の対応に関する謝罪をいただきました。
■こだわりを考える
物事にこだわりを持つことは大切なことだと思います。それは自分の主義主張をそのこだわりに込めることができるからです。
私はこうだ!
と宣言すること、それがこだわりだと私は思います。
一方で、こだわりは他者との隔たりを生みます。その度が過ぎると頑固だの偏屈だとと言われてしまい、扱いづらい人というレッテルを貼られてしまいます。こだわりを持つことは大切ですが、一方で協調することも大切だと思います。大事なことはそのバランスを保つことなんじゃないかなって思います。
思うんですが、こだわりって最初はその人の好みなのかもしれません。しかし、それを突き詰めていくことでこだわりとなり、それがその人の仕事のスタイルや武器になっていくんじゃないかなって思うんです。
そう考えると、自分が何にこだわっているのかを整理することは、自分の仕事のスタイルや武器を明らかにすることと言えるのではないでしょうか。
「これだけは譲れない」
こだわりはその人の価値を言語化するヒントになるかもしれませんね。