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第467回 今一度、パラダイムシフトについて考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、新入社員向けに7つの習慣のワークセッションを実施させてもらいました。...といっても、7つの習慣そのものをレクチャーしたのではなく、7つの習慣を新入社員向けにアレンジしたコンテンツを提供させていただきました。今回はこのコンテンツから感じたことを書きたいと思います。

■新入社員向け「7つの習慣」-Discovery

 そのワークセッションをDiscovery(ディスカバリー)と言います。Discoveryには

  • discover(発見する)
  • dis-cover(覆いを取り除く)

という2つの意味が込められています。これまで学生だった新入社員が「自分自身を発見する」「自分の被っている覆いを取り除く」という社会人としての第一歩を踏み出すために必要なマインドを習得することがDiscoveryの目的です。

 このDiscoveryは大きく4つのフェイズに分かれています。

  • プロ意識
  • 目的・意義
  • ソリューション
  • ポテンシャル

具体的なフレームワークはこちらをご参照ください。

■「プロ意識」とは?

 Discoveryでは対価をもらって仕事をする人をプロフェッショナルと呼んでいます。そのプロフェッショナルになるために新入社員がどのようなマインドを持ち行動をしていけば良いのかについて学ぶのですが、そのマインドは「プロ意識」で徹底的に学びます。

 「プロ意識」では自分の中に内在する主体性を引き出すことで、7つの習慣でいうところの第1の習慣がそれにあたります。

 プロ意識は大きく分けて以下の3るのマインドについて向き合います。

  • パラダイム
  • 自律
  • オーナーシップ

 「パラダイム」は7つの習慣ではよく出てくる考え方で私のコラムでも何度も紹介させてもらっていますが、ものの考え方や価値観のことをいいます。自分の持つパラダイムをより効果性の高いパラダイムに変換することをパラダイムシフトといいます。

 このパラダイムシフトを起こすためには、何かの刺激が起こった時に即反応するのではなく、一時停止して「自覚」「想像力(7つの習慣では「想像」)「良心」「意志」という4つの力を使ってどのように行動することが良いのかを考えます。こうして反応的になってしまう自分を「自律」し、効果的な方法を選ぶのです。(ちなみに、こうした「自律」できている状態を「自立」といいます)

 そうして、選んだ行動については他責ではなく自責として取り組みます。この自責の考え方を「オーナーシップ」と呼びます。自分がお金を出して買った車は自分がオーナーであることのように、与えられた仕事のオーナーは自分であるとして、最後まで責任をもってその仕事を完遂します。こういった一連のマインドをもって仕事に向き合うことがDiscoveryが提唱する「プロ意識」です。

プロ意識について興味のある方はこちらもご覧ください。

■今一度、パラダイムシフトについて考える

 この「プロ意識」の中にパラダイムシフトについて徹底的に考えるくだりがあります。仕事で嫌なことを言われた、面倒な仕事を押し付けられた、そんな時どのようにパラダイムシフトをすればよいのか。「自覚」「想像力」「良心」「意志」をどうやって活用していくのか。こういったことを徹底的に考えるワークを行います。そうして、自分の行動を選択できるようにするのです。

 このワークを実践している中で、第1の習慣が「主体的である」ということを思い出しました。主体的「である」なのです。「である」というのは、主体的な状態になっていることを表しています。主体的な状態とはどういうことか? イメージ的にはポジティブに物事を捉え、前向きに活動するイメージを持たれてる方がいるかもしれません。かく言う私もそういうイメージを持っていました。

 しかし、この言葉の本質は私たちが受ける様々な刺激に対して、自分の最適な行動を選択できることを「主体的である(=主体的な状態である)」と言っているのだと思います。その結果としてポジティブに物事を捉え、前向きに活動することができているのだと思います。ここで大事なことはその選択ができることであり、それが「主体的である」という状態なのだと思います。

 過去のコラムで、パラダイムシフトは難しいので、See-Do-GetサイクルのDoから始めることを書きました。実際、7つの習慣にもそのような記述があるのですが、それだと大きなパラダイムシフトは起こせません。やはり、パラダイムそのものを選択する力が必要であり、それができることが「主体的である」ということなのだと思います。

 7つの習慣を学び実践して結構な年数が経ちますが、こうやっていまだに色んな学びや発見があります。Disccoveryでは「最初の3年で身に着けたことを向こう30年間役立てる」という言葉があります。私も結構な年齢になりましたが、それでも今学んだことは向こう30年(以上)役立てていきたいと思います。そのためにはまだまだ学びが必要だなぁと思いました。世間ではリカレント教育とか言われていますが、まさにその通りですね(笑)

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