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第268回 パラダイムシフトについて考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 4カ月ほど前のコラムになりますが、パラダイムについて書きました。パラダイムとはその人のモノの見方や価値観を表しており、これを変えることをパラダイムシフトと呼ぶのですが、その時のコラムではこのパラダイムシフトの難しさについて書きました。あれから少し時間が経ち、その間私なりに色々と試した結果、ある方法にたどり着きました。そこで今回はその時のコラムの続きを書きたいと思います。

■今一度、パラダイムシフトについて

 以前書いたコラムでは7つの習慣で使われているSee-Do-Getサイクルについて紹介しました。

 Seeとはパラダイムのことで、その人のモノの見方や価値観を表しています。そのパラダイム(See)をベースに人は次の行動(Do)を起こします。行動を起こした結果、結果(Get)を得ます。その結果から、再びパラダイム(See)を強めていくというフレームワークです。

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See-Do-Getサイクル

 以前のコラムにも書きましたが、あるパラダイムに固執すると、そのパラダイムが行動を生み出し、行動から結果が生まれ、それがパラダイムをさらに固執させることになります。

See(パラダイム) 部下は信用できないから、仕事はすべて自分が責任を持たなければならない

Do(行動) 部下のやる仕事はすべてチェックし、ミスがないようにしなければならない

Get(結果) 部下は上司のことが信用せず、手を抜き出す

 だから、7つの習慣ではパラダイムを変ることを提案しています。

See(パラダイム) 部下は信用できる人材だ。彼らに任せてもミスはしないはずだ

Do(行動) 部下の仕事は部下に任せてみよう、彼らの自主性と責任感を信じてやらせてみよう

Get(結果) 部下なりに考え実践した仕事の結果を出す。それは上司の意に沿わない結果かもしれない。しかし、上司がそのことを指摘をしたとしても、部下は信頼できる上司からの指摘を受け入れ、更に良い結果を出してくる

 こうやって見てみると、パラダイムシフトはとても理にかなった考え方のように思えます。しかし、人はそんな簡単にパラダイムシフトができるモノなのでしょうか? 今まで部下のことを信用していなかった上司がいきなり部下のことを心底信用できるようになるのか? その時のコラムの言葉を引用します。

そのパラダイムになってしまったきっかけ(原因)があります。それを解決しない限りパラダイムを変えることは到底できません。

 私はここにパラダイムシフトの難しさを感じていました。そして、そのコラムを書いた時点で、この答えは見い出せていませんでした。

■効果的なパラダイムシフトについて考える

 しかし、普段から7つの習慣を実施したり、7つの習慣のファシリテーターをしていく中であることに気づきました。それは...、

See-Do-GetサイクルはSeeから始める必要はない

 元々、See-Do-GetサイクルはパラダイムであるSeeが起点になっています。パラダイムを持ち、それが行動に繋がり、結果を生み出す。これが一般的なSee-Do-Getサイクルの考え方です。しかし、この考え方だと、まず最初にパラダイムシフトをしなければならない難しさがあります。そこで、SeeではなくDoから始めてみるのはどうか? と考えました。

 これを先ほどの「部下のことを信用しない上司」で考えてみます。上司は部下のことを信用していません。そこで、パラダイムを変えなくても良いので、行動をだけを変えてみます。具体的には部下のことを信じていないというパラダイムを持ちながらも、仕事を部下に任せてみるのです。

 これがどういった結果を生み出すか? 部下に仕事を任せるというDoから得られる結果は「部下なりに考え実践した結果(Get)を出す」です。上司がどう思っていようとも、上司が部下に仕事を任せるという行動を取れば、その結果は決まってきます。ここからいえること何か? それは...、

Get(結果)に影響を及ぼすのはDo(行動)であり、See(パラダイム)ではない

ということです。そして、このGet(結果)が次のSee(パラダイム)をつくり出すのですから、この段階でパラダイムが上書かれていきます。先ほどの上司の例でいえば、部下を信じた行動をによって、部下が結果を出し、その結果から考え方を変える(=パラダイムシフトする)ということに繋がっていくのではないか、ということです。

■まずはやってみよう!

 結局のところ、パラダイムシフトを起こすためには「まずはやってみよう! 」で良いのかもしれません。。。

 深く考えずに行動や振る舞いを変えてみる。そこから得られる結果を踏まえた上で、自分なりの考えや価値観を決めていけば良いのでしょうね。どうも、私は頭で考え過ぎる所がありますので、今後は良いと思うことは積極的にやっていこうと思います。

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