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「Fun to drive」vs 「技術のニッサン」

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明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今年は帰省をしなかったので、年末年始をテレビ漬けで過ごしてしまいました。
毎年恒例のバラエティーや、過去のドラマ一気見、映画など、垂れ流される番組を
お屠蘇気分で、ダラダラと。その中で最も目に焼き付いてしまった顔は、芸人でも
アーティストでも、俳優でもなく、ゴーン氏でした。年末に国外逃亡して以来、年
ニュースはほぼ独り占め状態でしたので。

それにしても、変装しての保釈や音響機器に隠れての国外脱出など、スパイ映画さ
ながら話題に事欠かないのは、彼のキャラなのでしょうか。

もう一つ。ゴーン氏が目立つことによって引き立ったのがトヨタの企業CMでした。
香川照之が編集長になって、トヨタイズムを紹介するあのシリーズです。この中に
何度か豊田社長が登場しますが、最新版で豊田社長は「トヨタの『トップダウン』
は、トップが下に降りること」と経営者の現場へのこだわりをアピールしています。
泥沼の政治闘争を繰り返す日産。元経営者の国外逃亡ニュースが流れる合間に、
トヨタの経営者が車をドリフトさせながら現場主義を唱えるCMが流れる。なんとも
シュールな光景ではないですか。
トヨタ、わざとぶつけてきているのではないかと思ってしまいました。

コストキラーの異名を持ち、日産をV字回復させたカリスマ経営者のゴーン氏。
登場も派手でしたが、背任行為で日産を追われ国外逃亡と退場も派手。最近明らか
になる私生活も。カリスマ経営者が高額報酬をもらい派手な生活を送るのに反対は
しませんが、一方でその原資が現場が汗水流して稼いだお金であると思うと、その
苦労が没収される保釈金や、国外逃亡の資金、これから始まる日産や日本との戦争
資金に使われるのは何ともやるせないものを感じます。

日産の企業CMは、矢沢永吉がハンドルから手を放すシーンで代表されるように
「技術のニッサン」をアピールしています。確かにスカイラインにプロパイロット
を搭載し、ハンズオフドライブを量産車で実現したことは意味深いと思いはします
が、自動運転というには制約も多く、運転支援という位置づけであると考えると
日産の技術力を何処まで訴求できているかは定かではありません。
もしかしたら、経営スキャンダルが負のCMになっているので、話題づくりをした
かったのではないかと、いらない勘繰りをしてしまいます。

どちらにしろ、現場は一流、経営は三流といわれる日本の企業の中で、トヨタと日
産という二大自動車メーカの経営者、ひいては企業CMに、こんなにも印象差が出て
しまうのはとても興味深いことだと思います。

でも、派手なゴーン氏に比べ、現場に近く泥(油)くさい豊田社長に惹かれてしまう
のは、きっと自分自身が現場寄りだからなのでしょう。

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