馬鹿でも言えることしか言わない上司の対処法
友人と飲んでいた時に出ていた話題。曰く。
「ウチの上司(経営者)が、馬鹿でも言える事しか言わないんだ」
どういうことか聞いてみると。例えば。
赤字が見込まれると、
「赤字を何とかして黒字にしろ」
案件を増やし黒字にしたところ、年度末に作業が集中し、
「年度末に集中する作業を分散しろ」
また、体制は増えて案件が増えたことで時間が増えると、
「新しい案件を取ってくるな」
新しい案件がないと、やがて赤字になるので振出しに戻る。
目の前に見える問題を、何とかしろという指示なら馬鹿でもできる、というが友人の言い分。こまったことに、そんな指示しか出せない上司や経営者がいるとのこと。
赤字を解消し黒字にするには受注案件を増やす必要がある。それを成し遂げたのだから現場は頑張ったに違いない。案件が増えれば作業も増える。作業量に伴い作業者も自由に増減できるのであれば一人当たりの作業量は変わらないが、そんなに簡単にできることではない。特に技術者となれば一人前になるのに6、7年はかかるだろうし、その間は育成する作業も必要となる。だから作業の波動を抑えたいと思うのは現場自身なのだ。でも、作業はお客様都合なので現場だけでは難しい。「集中する作業を分散しろ」と言われても、その方法が分かってるならばやっている、というのが実態だ。
一般的に、上司や経営者の役割は戦略、計画をたてることだ。ビジネスを成長させるためには、いつまでに売り上げをどれだけ伸ばすか、そしてその売上分の作業をこなすためには何人必要なのか、成長に時間がかかるのであれば、いつまでに何人採用してどういう育成を行うか。この役割は決して馬鹿では担えない。本来、指示というのはこの戦略と計画拠り所にして出されるものだが、これらが示されずに困っている事だけをどうにかしろ、ということだけをいうので、馬鹿でも言える事しか言わない、と友人は言うのであろう。
じゃあどうするか。しばらくこの議論を肴に酒を飲んでいたが、こういう企業は見限るしかない。というのが答え。本当に、馬鹿でも言える事しか言わない上司や経営者しかいない企業に未来があるとは思えない。一方、そうい上司や経営者しかいなくても組織が回っているのであれば、それは現場が頑張っているからだ。言い換えると、上司や経営者が現場の頑張りを搾取しているに他ならない。そんな企業も未来はない。
結論。馬鹿につける薬はない。
乗った飛行機で、踊る大捜査線を全話放映していたので見た。今の時代に放送すると、いろいろと炎上しそうなシーン満載だが、面白いじゃないか。名作だと思う。
その中で登場するのがスリーアミーゴーズと言われる、署長と副所長と課長。馬鹿でも言える事しか言わない上司の典型だで、しかも3人もいる。しかし、ストーリの要所で部下を庇い、本店にモノを言い、中間管理職の職務はしっかりと果たしている。決して、馬鹿でも言える事しか言わない、ではないのだ。"しか"言わければ救いはないが、要所で馬鹿には言えないことを言えるのであれば、十分だ。個人的には、馬鹿には言えな事しか言わない上司よりあこがれる。