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第638回 生成AIを使う上でのコツ

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 ここしばらく生成AIネタが続いていますが、今回も生成AIネタで行きます。これまで生成AIの話をさせていただきましたが、今回は生成AIを実際に使われる上でのコツのようなモノを、私の経験からお話したいと思います。

■コツその1:1回で完結させると考えない

 生成AIは基本最初に指示のスクリプトを与えた後、生成AIが出した結果に対して繰り返しフィードバックのスクリプトを投げて完成に近づけていきます。それは、さも部下に仕事を与え、その仕事の結果を判断し、部下にフィードバックを与え続けることで部下が成果物の品質を高めていく様に似ています。

 生成AIは有能なツールではありますが、万能ではありません。生成AIを使い始めた時に良くあることですが、最初の指示のスクリプトだけで完結させようと考えてしまうことがあります。勿論、そうしたことができない訳ではありませんが、それは生成AIを使いこなし、少しずつスクリプトの質を上げることで実現されていきます。ですので、生成AIへの仕事の指示はフィードバックを繰り返すことで完成させていく意識を持たれた方が良いと思います。

■コツその2:指示のスクリプトの質を上げていく

 これは先ほどのコツ1の延長線上にある話です。コツ1では1回の指示で完結させることを考えないと書きましたが、それでも後々のことを考えたらスクリプトの質は高めていった方が良いです。そのためには指示を投げ、フィードバックを繰り返した上で成果物を完成させた後、生成AIとの間でやり取りされた一連の流れを踏まえ、指示のスクリプトを書き換えて欲しいのです。

 生成AIにフィードバックをして直してもらった所や、後から追加で指示を出した所などを最初の指示のスクリプトに書き込んでおくことで、次回以降のスタート地点が変わり最初から質の高い成果物を生成する可能性が高まり、完成までのフィードバックの回数を減らすことができるようになります。

■コツその3:煮詰まったら、一旦リリースする

 時として生成AIはなかなか指示通りに動いてくれなかったり、処理が重たくなり回答が遅くなってしまう場合があります。そのような時に執拗に生成AIにフィードバックを重ねても思うような結果にならないことが経験上多くありました。こうなると、生成AIは袋小路に入ってしまい、何度も同じ結果を出してしまったり、過去の指示を無視した結果を出すなどパフォーマンスを下げてしまうようなことが起こってしまいます。

 このような時はそれ以上無理にフィードバックを与え続けるより、再度、新しくやり直した方が案外早くできる場合があります。作業がうまく進まないと感じたら、コツ2にあるようにそれまでのやり取りを踏まえて指示のスクリプトをメンテナンスし、新しく指示を与え直してみることをお勧めします。

■コツその4:完璧さを求め続けない

 これは人によるかもしれませんが、私は生成AIが作る成果物に完璧さを求めないようにしています。例えば、何かのファイルに成果物を出力させる場合などでは、出力のフォーマットを考えてあげなければならないことがあります。そのためにはどのようなフォーマットで出力するかを指示してあげないといけませんよね。例えば、Excelファイルに出力するとなったら、フォント、サイズ、色、セルの幅や高さ、文字の折り返しの有無などなど、細かいことを言いだしたらキリがありません。それらを全部、スクリプトに入れてしまうのもアリです。

 しかし、そのために何度も何度もフィードバックをさせ続け時間をかけてしまうのであれば、そこは人間がやった方が早いと思ってしまいます。勿論、コツ2にあるように指示のスクリプトの質は上げていきたいので、作業が終わった後のスクリプトのメンテナンスは続けて欲しいのですが、それは次回以降の話であり、今回の結果には含まれません。そうした割り切りをすることで作業を早めていくことも必要なのではないかと思います。

■コツその5:何にでもチャレンジしてみる

 生成AIの分野は非常に多岐に渡っています。私がイメージできるだけでもざっとこの位は優にあります。

文書関連:企画書生成、プレゼン資料生成、説明文書生成、マニュアル生成、メール生成、議事録生成、報告書生成、記事生成、パーソナライズ、翻訳、動画要約、校正、推敲

アイデア関連:仮想インタビュー、ブレインストーミング、マインドマップ生成

プログラミング関連:コード生成、コードレビュー、テスト項目生成、テストデータ生成、デバッグ

画像関連:デザイン生成、ロゴ生成

 勿論、これらはほんの一部です。まだまだ見つかっていない領域はたくさんあります。生成AIの分野はアイデア次第で無限に広がっていきます。つまり、生成AIを活かすも殺すも人間次第なのです。

「この作業って面倒だよな...」
「いつも、ここで作業が止まっちゃうんだよね」
「この部分、誰かがやってくれたら助かるんだけどな...」

 このようなちょっとしたきっかけが生成AIを活躍させるトリガーになります。ぜひチャレンジしてみてください。

 私は、そうしたマインドを持つことこそが生成AIを使う上での一番のコツになるのではないかと思います。

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