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第637回 生成AIを使ってみよう

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 前回、生成AIについての近況を私なりの視点でお話しさせていただきました。私自身、生成AIについて話す機会も多くなっていることもあり、注目の分野なんだろうなぁと思っています。一方で、生成AIについて二の足を踏んでいる方も見受けられます。そうした方から理由を聞いてみると、生成AIで何をやったらよいかわからないという回答をいただきます。

 そこで、今回は私が普段生成AIでやっていることをいくつかご紹介したいと思います。

■あなたと生成AIとの関係性

 生成AIを使う上で、まず最初に理解したいのが、生成AIの立場を決めてあげることです。生成AIを効果的に動かすためには、生成AIがあなたにとってどのような役割なのかを決めてあげる必要があります。なぜ、そのようなことを決めなければならないのか、それは生成AIは単なるチャットボットではなく、役割を持って機能させるツールだからです。

 私が研修などでお伝えしているのは、

生成AIはあなたが雇ったあなた専用のアシスタント

と伝えています。だからこそ、あなたは生成AIにあなたの仕事を依頼し完遂してもらわなければなりません。あなたと生成AIはそうした関係性の上に成り立っていると考えてください。

 その前提に立てたら、次に生成AIに仕事をさせることを考えます。もし、人間のアシスタントに仕事をさせるとしたら、あなたはどうやりますか? 一般的にはこのようになりますよね。

1.あなたが仕事の指示を与える

2.アシスタントが仕事をする

3.あなたが仕事の結果についてフィードバックする

4.アシスタントがフィードバックに基づき仕事の内容を修正する(やり直す)

3.~4.を繰り返す

5.仕事が完了する

 生成AIに仕事をさせるのも全く同じです。ポイントになるのは、指示フィードバックです。これらをスクリプトという表現の仕方で生成AIに伝えてあげればOKです。後は納得がいくまで何度も生成AIに仕事をさせ続ければいいのです。

■スクリプトの基本

 それでは、具体的なスクリプトの例をご紹介します。まず最初は指示のスクリプトです。私が普段使っているテンプレートをご紹介します。

#役割
あなたはプロの〇〇です。(←生成AIに求める役割)

#依頼
{#データ}の内容を元に、以下の{#条件}を満たした完璧な〇〇を作成してください。(←生成AIに依頼したい内容を具体的に記述)

#条件
以下の条件に従って作業を行ってください。
-(←依頼内容を実現する上での前提条件、出力条件、考慮事項など)

#データ
・・・・・(←入力データが必要な場合に使用)

 大体、こんな感じで書いています。基本はマークダウン記法を使って書いてあげると生成AIが理解しやすくなると言いますが、厳密でなくても大丈夫です。大体こんな感じで書けていればOKです。

 次は、指示のスクリプトから生成AIが回答した内容に対してのフィードバックのスクリプトです。

〇〇が間違っています。(←指摘事項)
〇〇点です。(←評価)
〇〇の部分をもう少し具体的に表現するようにやり直してください。(←修正内容)

 こちらはマークダウン記法を使わず、ベタ打ちで書いています。ここで大事なことは、間違っていることを指摘事項で明確にした上で、生成AIが作成した内容を100点満点中何点かで評価をしてあげることです。こうすることで生成AIはどの程度修正するのかを考えます。その上で具体的な修正内容を指示してあげることで、修正の精度を上げてくれるようになります。

■生成AIの活用例1:要約(議事録作成)

 それでは、ここからは生成AIを使った具体的な活用例をご紹介します。今回は要約に関する活用例を2つご紹介します。というのも、恐らく私が生成AIで一番使っているのが要約だからです。その中でも会議の議事録を作成する場合に生成AIを良く使います。

 昨今の会議はZoomやTeamsを使ったオンラインミーティングが盛んになっています。これらにはトランスクリプトという音声を文字情報として出力する機能がついてますが、この文字情報を生成AIに要約してもらうのです。そのため、事前に会議内容をトランスクリプトとしてテキストデータで用意していただく必要はありますが、これらは比較的簡単に用意することができると思います。もし対面での会議の場合、CLOVA Noteのようなアプリを使い直接音声情報をトランスクリプトする方法などもあります。

 そんな訳でトランスクリプトが用意できたら、以下のスクリプトを流します。

#役割
あなたはプロの議事録係です。

#依頼
{#データ}の内容を元に、以下の{#条件}を満たした完璧な議事録を形式で作成してください。

#条件
・最初にヘッダー情報として以下の情報を記載してください。
-会議名
ー参加者
-実施時間
・議題毎に内容を詳しくまとめてください。その際、誰が発言したかが分かるように文章の最後に括弧付きで苗字を入れるようにしてください。ただし、以下の方には敬称(様)をつけてください。それ以外の人への敬称は不要です。
-佐藤
-鈴木
-田中
・最後にToDoリストを作成し、次回実施日時を記載してください。

#データ
(ここにトランスクリプトを貼り付けます)

 このスクリプトで生成AIに議事録を作成してもらい、気になる個所をフィードバックのスクリプトで修正してもらいます。議事録の量にもよりますが、概ね10分もあれば納得の行く議事録は作れると思います。

■生成AIの活用例2:要約(動画)

 2つの活用例は動画の要約です。これも私が良く使っている方法ですが、先ほどの方法をYouTubeなどの動画でやることで、動画の内容を簡単に要約してもらうことができます。動画の内容を把握するためにはすべてを視聴しなければなりませんが、この方法を使うと生成AIが動画の要約を作成してくますので、後はそれを読めばある程度動画の内容がわかります。

 この場合、動画のトランスクリプトをどうやって入手するかですが、私はChrome拡張機能のYouTube Transcriberを使っています。この機能を使うと、簡単に動画のトランスクリプトを取得することができます。

 ということで、こちらもトランスクリプトが用意できたら、以下のスクリプトを流します。

#役割
あなたはプロのライターです。

#指示
{#データ}の内容を要約して表示してください。その際、以下の{#条件}に従って要約するようにしてください。

#条件
-ヘッダー情報として、題名を書き出してください。
-難しい言葉は使わず、分かりやすくまとめてください。

#データ
(ここにトランスクリプトを貼り付けます)

 尚、Googleが提供している生成AIであるGemini 1.5を使えば、トランスクリプトを用意しなくても動画のURLだけで要約をすることができます。以下、簡単にやり方をご紹介します。

1.Gemeni 1.5の入力欄に「@」を入力し、YouTubeを選択する
2.以下のスクリプトを入力する

---

{動画のURL}の動画を要約してください。その際、以下の{#条件}に従って要約するようにしてください。

#条件
-ヘッダー情報として、題名を書き出してください。
-難しい言葉は使わず、分かりやすくまとめてください。

 こちらの方が圧倒的に簡単で早く要約ができます。ぜひ、気になる動画でやってみてください。

■生成AIはあなただけの優秀なアシスタントです!

 今回は私が普段から使っている生成AIの活用例を2つご紹介しましたが、これらは時短に関わる内容です。

あなたは普段議事録の作成にどれくらいの時間をかけていますか?
動画からノウハウを吸収しようとした時、どのくらい動画を視聴していますか?

 これらの内容は人間がやっても当然できるのですが、時間がかかってしまいますよね。それを生成AIにさせることで時間の制約から解放されます。その結果、あなたの生産性は何倍にも跳ね上がる可能性を秘めています。

 今回ご紹介した内容を私はChatGPT-4oでやってますが、基本どの生成AIでできると思いますので、ぜひ一度やってみてください。そして、その結果を体感してください。

 そして、もしすごいと感じることができたら、そこがスタートです。生成AIではまだまだすごいごとがたくさんできます。ぜひ、生成AIの世界に飛び込んでみてください!

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