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第457回 1をプラスする考え方

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先日、久しぶりに本屋に行きました。私はどの本屋でも大体進むルートが決まってまして、最初は雑誌、次は文庫本、最後に新書のコーナーを回ります。最後の新書のコーナーではビジネス書やハウツー本などをよく見るのですが、ぼーっといろんな本を眺めていると、ある考え方で本を見ていることに気づきました。そこで今回は本屋で気づいた考え方について書きたいと思います。

■人がビジネス書やハウツー本に求めること

 ビジネス書やハウツー本を見ると、

「今すぐできる〇〇」
「たったこれだけ! これまでの常識を覆す! 」
「もう失敗しない! ・・・」

このような見出しをよく見かけます。こういった本を手に取る人の心理はきっと「自分には足りないモノをその本によって得る」ことではないでしょうか。私の場合はこういった本の見出しを見ることで、

「この本に書かれてあることができればいいなぁ」
「こんなことができれば苦労はしないのになぁ」

のようなことを考え、気になった本を実際に手に取り中身をさっと確認します。そうして、もっと読んでみたいと思える内容だった場合にその本を購入します。恐らく、本屋で私のように考えて本を選ばれる方はおられるのではないでしょうか。

 そんな風にして買ったビジネス書やハウツー本は本当に役に立つのでしょうか? 私の場合ですが、役に立ったと思える本は案外少なかったように思います。一度読んで本棚行きになる本の方が圧倒的に多いです。。。

 なぜ、そのような状態になってしまうのか? それは、偏にその本の内容が私に合っていなかったからに他なりません。

 それでは、なぜ自分に合わない本を買ってしまったのか? それは、1をプラスする考え方が合っていなかったからではないかと思うのです。

■1をプラスする考え方

 「1」というのは本に書かれている新しい知識やノウハウ、「プラスする」というのは習得することで、「1をプラスする」とは新しい知識やノウハウを習得することを表現しています。このプラスの考え方について、私たちにベースとなるモノがなければ「0+1」になるでしょうし、予めベースとなるモノがあれば「1+1」になるでしょう。当然のことですが、0から1プラスする方法と1から1プラスする方法とではやり方が違ってきます。

 つまり、手に取った本が0からプラス1する方法として書かれているのか、それとも1からプラス1する方法として書かれているのか、そして、自分自身のベースとなるモノが0なのか1なのか、この2つが合致して初めて自分に合う本になるのではないかと思うのです。

 例えば、新しいプログラミング言語を習得しようする場合を考えてみます。この時、新しいプログラミング言語に関する知識やノウハウが全くないのでベースが0です。そのため、0から1プラスするような初心者本が適していると言えます。これを背伸びして1からプラス1するような中級車向けの本を選んでしまうと中身が難しくてついていけないかもしれません。

 このように、1をプラスする考え方で本を選ぶと自分に合う本を選ぶことができるのではないかと思います。

■日常生活で「1をプラスする考え方」を役立てる

 そして、この「1をプラスする考え方」は日常生活においても役立ちます。新たに何かを始めようとする時、それは0から1プラスする考え方なのか、それとも1から1プラスする考え方なのかを把握しておくと具体的な行動が変わってくることに気づくはずです。そして、行動が変わってくれば結果が違うことも分かります。こういったことを予め理解した上で行動することはリスクヘッジにもなり成功への確率を高めることに繋がるのではないかと思うのです。

 0から1プラスする考え方と1から1プラスする考え方を比較し、どちらの考え方で行動することが今の自分にフィットしているのかどちらの結果が自分の求めている結果に近いのか、こういったことを考えることで、何かを生み出そうとする時に、より効果を高めることができるのではないかと思います。

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

いつも楽しみに、拝読させていただいています。


今日のお話、私にとっては『0から1プラスする』考え方でした。本を読んだり何かを学習するときは、『1プラスする』のが目的なので、効果が薄い、濃いの原因が自分のスタートライン(自分が0なのか1なのか)は考えもしませんでした。


それと、もう一つ。
「ぼーっといろんな本を眺めていると、ある考え方で本を見ていることに気づきました。」
とのこと。私は今まで『ぼーっと』眺めているときに気づきはありませんでしたので、『そんなこともできるんだ~』と感心いたしました。

キャリアコンサルタント高橋

ちゃとらんさん


いつもコメントありがとうございます。


今回のお話は私が何か新しいことを始めようと思い、自分のリソースが使えるのか?それとも使えないのか?といった所を考えていたことがあり、その時たまたま本屋さんで本を眺めていて気づいたことでした。


ぼーっと本を眺めている時、自分では何も考えていないつもりだったのですが、それでも印象に残っている本と残っていない本があったことに気づきました。その違いって何だろう?と後から振り返った時に、無意識で自分に合う合わないを取捨選択するロジックが働いていたような感覚になったんです。そこから話を膨らませて今回のネタになりました。。。

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