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第458回 逆張りの話に乗っかってみる

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 先週、ちゃとらんさんが逆張りのお話をされており、とても面白い考察をされておられました。逆張りという言葉自体、IT系ではあまり聞かれないワードですが、私は普段から為替も触っているので結構良く使うワードだったりします。今回は為替で使われる逆張りの考え方から思うことを書いてみたいと思います。

■為替相場における逆張りの考え方

 為替は2つの通貨間の強弱で相場形成されていますが、為替相場では一定の流れがあると言われています。例えば、ドル円(USDJPY)という相場を見てみます。

chart_usdjpy.png

 こちらは、先週末時点でのドル円のチャート(為替の値動きを表した図の方なモノ)です。縦棒のような線(ローソク足と言います)がいくつも連なっていますが、これは左から右にかけて時間が流れおり、全体を俯瞰してみると右下に流れていっているのが分かります。この流れのことをトレンドというのですが、ここでは右下にトレンドが進んでいるように見えますので、ドル売り(円買い)のトレンドが形成されていると言えます。

 為替相場における投資の仕方には様々な方法があるのですが、基本は相場の流れ(トレンド)に沿った方向に投資をします。これを順張りと言います。このチャートで言えば赤い丸印がエントリーポイント(投資をスタートするタイミングのこと)になります。このポイントでドル売りの方向(下落方向)にエントリーすれば、どんどんドル売りが加速し、利益を積み増すことができるようになります。

 ただ、このチャートのように相場は上昇と下落を繰り返すような動きをするため、常に下落するかと言えばそうではありません。上昇と下落を繰り返しながらトレンドを形成するような動きをします。であれば、短期的に見てトレンドが反転するポイントでエントリーを仕掛ける方法も考えられます。これを逆張りと呼びます。先ほどのチャートで言えば、青い丸印でドル買い(上昇方向)にエントリーすると逆張りになります。

 このように逆張りというのはトレンドの流れに逆らいながらも利益を得るための方法として使われています。

■根拠が大事

 こういった順張りや逆張りの投資スタイルはどちらが正解でどちらが間違いということはありません。ただ一つ言えることは、順張りにせよ逆張りにせよ、「なぜそのポイントでエントリーできるのか? 」という根拠が必要になります。

 先ほどのチャートのローソク足を挟むように描画されている赤色の線は「ボリンジャーバンド」と呼ばれるモノで、ある計算式に基づいて算出されています。おおよそローソク足はこのボリンジャーバンドの中に収束するという法則性があるため、ローソク足がボリンジャーバンドにタッチした所を反転のポイントを定めてエントリーをする、というのが赤丸、青丸の根拠になります。

 為替相場ではこういった根拠に基づいたエントリーをすることが求められます。その根拠の優位性が高くなればなるほど、そのロジックで利益を出す事ができるようになってきます。

 この順張りや逆張りの考え方は私たちの生活に置き換えることもできます。例えるならば、物事を順張り的に捉えると「流れに沿う」、逆張り的に捉えると「流れに逆らう」になるでしょうか。

 流れに沿うというのは順張りの考え方で今の流行りや時流と同じ方向に動くこと。例えば、ITエンジニアが売り手市場であれば、その流れに沿って転職をするということが考えられますね。一方、流れに逆らう逆張りの考え方を使うと、ある程度方針が決まっている会議の場で、敢えて疑義を唱えてみるといった動きが考えられそうですね。

■根拠の優位性を高めるためには

 順張りにせよ逆張りにせよ、その戦略を成功させるためにはどれだけ根拠の優位性を高めることができるかで決まってきます。先ほどの為替の話で言えば、その根拠を見つけ出すために膨大な試行錯誤を繰り返します。中にはディープラーニングを使ったり統計学的手法を使ったりしながら根拠を導き出そうとする人もいます。そこはアイデアと根気しかありません。本当に泥臭い話です。。。

 でも、これって為替だけの話ではないような気がします。

 私たちが何かしらの戦略を決めて実行しようとする時、その戦略には根拠が必要になります。その根拠はアイデアと根気でコツコツ努力することでしか優位性を高めることができないように思います。

 そう考えると、結局のところ、諦めずに試行錯誤を繰り返しながらコツコツ努力し続ける人が成功するのかもしれません。案外こういったシンプルな考え方こそが最強なのかもしれませんね。。。

Comment(1)

コメント

ちゃとらん

いつも、楽しく拝読させていただいています。


まさか、私のチンチロリンの話を、ここまで高尚な話に引き上げられるとは、いつもながら感心いたします。


『諦めずに試行錯誤を繰り返しながらコツコツ努力し続ける人が成功する』いいお話ですね。

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