第384回 初心忘るべからず
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
最近、エンジニアカウンセラーの白栁隆司さんのコラムがマイブームです。とても興味深く読ませていただいております。ぜひ、このまま走り続けていただきたいと思っています。。。
で、その中で白柳さんがエンジニアカウンセラーという名前に込められた想いが語られていました。この話はとても共感させてもらいました。私も今から10年以上も前になりますが、キャリコンを目指そうと思ったきっかけがありました。その話は過去のコラムでも何度か書かせてもらっていますが、今回はそんな初心の話から、今考えていることを書かせてもらおうと思います。
■私がキャリコンを目指そうと思ったきっかけ
私がキャリコンを目指そうと思ったのは、今から10年以上も前の話でキャリアという言葉自体一般的ではなかった時代の話です。当時、私の周りにいたITエンジニアはどの人も将来の不安を感じながらも今の仕事を続けざるを得ない、そんな状況だったように思います。誰しもが仕事にしがみつき、必死に頑張って仕事をしなければなりませんでした。中には身体や心が疲弊しドロップアウトする人もおられました。そんな状況を目の当たりにし、私は、ITエンジニアこそがキャリアをつくり出し、自分の思い描く人生を歩くべきだと思いました。
それが、私がキャリコンを目指そうと思ったきっかけでした。
その後、ITエンジニアの世界にキャリコンという言葉を知ってもらおう、そんな想いで始めたのがこのコラムでした。その辺の話は、今から約5年ほど前のコラムに書いてありました(笑)
■今、初心に対して想う事
その後、私はキャリコンとしてあるべき姿を自分なりに模索してきました。それは今も続いていますが、その根底には「キャリアコンサルタントであることの証明」がありました。この辺の話はこのコラムに書いてありましたが、人様のキャリアづくりを支援させてもらう立場の人間が、自分の思い描くキャリアを描けていないのは本末転倒です。誰がそんな人にキャリコンをしてもらいたいと思うだろうか?という考え方を当時から強く持っていました。そこから、私は商業出版の道を模索するようになり、現在は4冊の本を出版社さんから刊行させていただくことができました。
そして、今はどうか?
最近の私は、あまりキャリコンをしていません。勿論、依頼をいただき時間的な条件が合えばキャリコンをさせてもらうことはありますが、どちらかといえば、今はキャリコンを育てる側に回っています。そういう立場を専門用語でスーパーバイザーといいますが、最近の私はスーパーバイザーとしての活動が増えています。
私がキャリコンを始めた時期と違い、法整備も行われキャリコンの環境は格段に改善しました。勿論、まだまだいろんな問題はありますが、それでも企業はキャリコンを導入することに対し前向きに検討するような時代になってきています。ですので、私がキャリコンをせずとも、多くの素晴らしいキャリコンの方々がご活躍されるような時代になりました。それはIT業界においても言えることだと思っています。実際、私にキャリコンを依頼された場合、時間的な制約もあるため担当できないケースが増えており、多くは他のキャリコンさんにご担当いただくようにさせてもらっております。
今の状況はキャリコンを目指そうと思った当時と比べてみると、かなり変わったなぁと感じています。正直にお話しすると、キャリコンを知ってもらおうと思って始めたこのコラムも、その役目は終わりに近づいているのかな?と感じることもあります。
ですが、その当時に思っていた「ITエンジニアこそがキャリアをつくり出し、自分の思い描く人生を歩くべきだ」という考えは、今でも1ミリも変わっていません。
これから先、恐らく私の立ち位置は今以上にいろいろと変わってくるのだと思いますし、そうならなければならないと感じています。それでも、初心を忘れることなく、前に進んでいくこと、それが私にとってのキャリアだと考えています。