第383回 人前であがらないためには
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
私は仕事柄、人前で話すことが多いのですが、昔からあまり人前であがったことがありません。勿論、緊張することはありますが、それでも人前で話をするときに緊張したり、あがったりすることはないように思います。これはキャリコンや研修といった仕事をしているからではなく、本当に昔からなんです。このことは私の中では当たり前として捉えていたことなのですが、最近なぜ私はあがらないのか?と考えることがありました。そこで今回は人前で話すときに私が心掛けていることを書きたいと思います。
■目の前の人をどのように感じているか
そもそも、なぜ私は人前であがらないのかを改めて考えてみました。その結果、一つのことが分かりました。それは、
目の前の人のことを気にしていない
ちょっと語弊があるいい方ですが、多分、この言葉が一番近いような感じがします。
例えば、一人で話す練習をするとき、緊張することはありませんよね。
それでは、そこにペットがいたとしたら緊張するでしょうか?これもしませんよね。
それじゃ、今度はそこに人がいるのですが、その人は隠れていて見えません。この場合は緊張するでしょうか?きっと、これも緊張しませんよね。
このことからわかることは、人がいることを「知覚」した場合に緊張が起こるということです。
では、さらに話を進めてみます。なぜ人がいたら緊張するのでしょうか?
「しゃべっている姿を見られることが恥ずかしい」
「上手にしゃべれなかったら、どのように見られるのだろう...」
恐らく、このような感覚に近いのではないでしょうか。
こういったことを考えた上で私の話に戻るのですが、私自身、目の前に人がいることは当然理解しています。ですが、それ以上の感情というか思考が働かないのです。。。何というのか...「目の前の人が私の話を聴いていただいている」、そこまでしか考えが及ばないのです。
「今日は30人の人の前でしゃべっているなぁ」
「目の前の人はすごく注目してくれているなぁ」
と感じることはあっても、そこから先、その人に対してそれ以上の何かを考えることをしていないのです。これは私が小さいころからの癖のようなので、なぜそうなるのか?と言われると答えに窮するのですが、端的にいえば、人がいること以上に余計なことを考えていないということになるのだと思います。まず、これが私が人前であがらない理由の一つだと思っています。
■話をするとき、何を考えているか
それでは、私は人前で話をするとき、何か考えて話をしているのかを今一度考えてみました。こちらは簡単に答えが見つかりました。それは...、
私がイメージしている話を正しく伝えられているか?
この一点に尽きます。私が人前で何かを話そうとするとき、劇場型のように話をしていることが多いです。雰囲気的には海外のプレゼン動画などでよく見られる、発表者が身振り手振りをしたり、会場内を動き回ったりしながら表情豊かに話をされている姿を見ることがあると思いますが、あのような感じに近いと思います。
「人を惹きつけるようなような話し方だった」
「感情を大きく表現しているような話し方をされていた」
「表情が豊かだった」
お恥ずかしいのですが、これは私が過去に講演や研修などをしたときの参加者のアンケートから抜粋した回答の一部です。実際、少し前までは私自身このような話し方を意識してやっている部分がありました。そのため、私は人前で話すとき、話の内容、展開、流れ、間、抑揚、スピード、時間などはある程度頭に叩き込み、それを自分なりに再現するように話をしていました。ですので、私が話をしているときに考えていることは、自分がイメージしている話し方に近づけているか、ということに意識が向いていたと思います。それは私の内面に意識が向いている状態であり、私が人前であがらないもう一つの理由だと思っています。
ちなみに、今はこの話し方にプラスして、話を聴いている人もイメージの中に置き、その人たちまでを含んだ会場全体のイメージをつくって話をしているような感じでやっています。そうすることで、会場そのものを私のイメージに近づけるような感じで話をしている所があるような気がしています。
■人まであがらないためには
私なりにやっている人前であがらないための方法をまとめてみますと、
- 目の前の人を気にし過ぎない(目の前の人がいることに対して、感情を沸かせないようにする)
- 事前に練習をし、本番ではどれだけ自分のイメージした姿に近づけるかに意識を向ける
この2点だと思います。ただ、この方法が万人に向くかといわれるとそうではないと思います。実際、目の前の人を気にし過ぎないといっても、たくさんの人がいれば気になる人もいると思います。そう言った場合は、自分の内面に意識を向け、自分が話したりスピーチしたりする姿をイメージ、どれだけそこに近づけることができるかを意識してみても良いのではないかと思います。もし、人前で話すことが苦手な方は参考になさってみてくださいね。