第718回 生成AIと「考える」という仕事
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
ここ最近は生成AIネタが多いんですが、今回も生成AIネタで行きます。
生成AIの進歩は本当に日進月歩ならぬ秒進日歩で、本当に話題に事欠きませんよね。
私が最近注目しているのはGoogle AIの新しい有料プランであるGoogle AI Plusなんですが、これは月額1,000円程度でかなりの多機能が使えるようになっており、日々これを色々触っています。
この辺の話はまた追々ご紹介させていただくとして、今回は私が日々生成AIに触れている中で感じていることを書きたいと思います。
■生成AIを仕事に活用するということ
最近、本当に生成AIを使う時間が随分増えてきました。おそらく、私と同じような状況なっている方も多いのではないかなと思います。
資料作成、文章整理、要約、アイデア出しなど、様々な場面で生成AIは役に立ちます。以前であれば数時間かかっていた作業が、数分で形になることも珍しくありません。
この便利さは、最初は純粋に「すごい」と感じるものでした。特に文章を書く仕事をしていると、その恩恵は非常に大きいものがあります。私は提案書や各種研修の資料などを良く作成するので、こうしたことができるのは本当にありがたいなぁと思っていました。
例えば、頭の中にぼんやりとした構想があるとします。
それを生成AIに伝えると、すぐにそれらしい文章が返ってきます。しかも、それは単なる断片ではなく、一つのまとまった形を持っています。
■ゼロから生み出すすごさ
ここで重要なのは、「ゼロから書く」という負担が消えることだと思うんです。
人が文章を書くとき、最も負担が大きいのは「最初の一文を書くこと」ですよね。私はこれが本当にすごいと思っていて、このゼロから1を生み出すことができずに何時間も仕事が止まってしまうことはザラにありました。
それくらい何もない状態から何かを生み出すことは、非常にエネルギーを必要とします。しかし生成AIは、その最初の一歩を代わりに提示してくれます。
これは単なる作業効率の向上ではありません。
思考の進み方そのものを変える力を持っていると思うんです。
以前は、「考えてから書く」という順序でした。
しかし今は、「書かれたものを見てから考える」という順序も可能になっています。
これは一見小さな違いのように見えますが、本質的には大きな変化なんじゃないかなって思うんです。
生成AIが提示した文章を読むことで、自分の考えが明確になることがあります。
「これは違う」「これは近い」「ここはもっとこうしたい」といった形で、自分の中の思考が輪郭を持ち始めるのです。何というか、仕事を進めながら形を作っていく感覚に近いなぁと思います。
つまり生成AIは、「答えを出す道具」であると同時に、「思考を可視化する道具」でもあると言えるんじゃないかなって思います。
■生成AIの立ち位置
思うんですが、生成AIって思考を代替するものじゃないような気がするんです。
何というか...、思考を加速させるような感じの代物なんじゃないかなって思うんですよね。
生成AIに任せきりにすると、確かにそれらしいものは出来上がります。しかし、それは自分の思考を経たものじゃないんです。要するにしっくりこない訳です。
しかし、生成AIを「対話相手」として使うと、自分の考えはより明確になっていきますし、そのアウトプットは自分のモノだと言えるような感覚になってきます。
この違いって、結構大きいんじゃないかなって思っています。
同じ生成AIを使っていても、
- 思考を止める使い方
- 思考を進める使い方
の二つが存在しているような感じがします。
これは、生成AIの問題ではなく、使う側の姿勢の問題なんだと思います。
生成AIは、問いを投げれば答えます。
しかし、「何を問うか」は、人間に委ねられています。
そして、この「何を問うか」を決める行為こそが、思考そのものなのではなんじゃないかなって思うんです。
■生成AIの時代に求められる「考え方」
生成AIの時代になっても、「考える」という仕事はなくなりません。むしろ、その重要性は増しているように感じます。
なぜなら、生成AIが出す答えの価値は、問いの質によって決まるからです。
良い問いは、良い答えを生みます。
曖昧な問いは、曖昧な答えを生みます。
生成AIは、問いを増幅するツールなんじゃないかなって思います。だからこそ、これからの時代に求められるのは、「正しい答えを知っていること」ではなく、「適切な問いを立てられること」なのかもしれません。
生成AIは、私たちの仕事を奪う存在ではありません。それは、私たちの思考を映し出す鏡のような存在です。
そして、その鏡に何が映るかは、私たち自身に委ねられています。
生成AIを使うたびに、私はこんなことを考えるようになっていました。
生成AIは思考を代わりにやってくれるツールじゃない。
思考をより深く行うためのツールなのだと。
生成AIの本当の価値は、答えを出すことではありません。問いを持つ人間の思考を、前に進めることにあるんじゃないかなって思います。