第157回 「できない」を「できる」に変える
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
仕事をしていると、ときとして無茶の要求をされることがあります。そのような場合に「できません」と断ることは社会人にとっては必要なことだと思います。しかし、考えたり、工夫をすることで何とかなる場合もあります。今回は、このような「できない」を「できる」に変えることを考えてみたいと思います。
■できないと判断してしまう2つの理由
私たちが何かをできないと判断するとき、必ずそこには根拠があります。その根拠は大きく分けて2つあります。一つは、経験による判断です。これは過去に経験したことを踏まえて、できるかできないかを判断する方法です。このケースでは、判断した根拠と同じ事象が今回も再現されるのなら、その判断は正しくなります。例えば、
「仰る期間じゃ、絶対納期に間に合いませんよ」
といった場合です。これは何かの仕事の依頼をされ、その納期が短いと感じた場合の判断です。このとき、過去に近しい仕事の経験があり、その経験を踏まえてできないと判断していると推測されます。この判断が正しいかどうかは、過去の経験と今回の状況が同じである場合に正しいといえるでしょう。しかしながら、過去の経験から新たなスキルを身につけていたり、今回の成果物の条件などによって結果が変わってくる可能性はあると思います。
もう一つは、未経験による判断です。これは先ほどの逆で、未経験故に「できない」と判断することです。こちらは、
「やったことないので、無理だと思います」
のような例です。こちらは、経験がないために「できる」か「できないか」が判断することができず、やってみたけどできなかったというリスクを避けるために、最初から「できない」と判断する方法です。こちらはリスクを取らないという考えにおいては正しいといえるかもしれません。しかし、本当にできないことなのかどうかを検討し直すことで、結果が変わってくる可能性はあると思います。
■できるようにするためには
それでは、どうすればできるようになるのか? どちらのケースにおいても、できるようにするための根拠をみつけ出すことが必要なのではないかと思います。
経験によって「できない」と判断した場合、過去の経験と現在の差(違い)を考えることで、「できない」を「できる」に変えるきっかけがみつけられるかもしれません。
未経験によって「できない」と判断した場合は、実際にやってみた状態をシミュレーションしてみることで、「できない」を「できる」に変える自信が生まれるかもしれません。
しかし、どちらのケースでも共通する一つの考え方があります。それは、「できる」ことを想定して考えることです。「できない」ことを前提に考えるのではなく、「できる」ことを前提に考えるからこそ、できるようにするための根拠がみつけられるのではないではないでしょうか。
■「できない」を「できる」に変えよう
私たちの身の回りにはたくさんの困難があります。しかし、その困難の中にはきっと乗り越えられるモノも含まれているのではないかと思います。その困難を乗り越えるためには、まずは私たち自身がそれを乗り越えられると考えることから始まるのではないでしょうか。
そして、これは私たちの生活においても同じように考えることができます。困難を目の前にしたとき、「できない」と反射的に考えるのではなく、まずは「できる」と身体が反応するしたらどうでしょうか。ひょっとしたら、その人は多くの困難に打ちのめされることもかもしれません。それでも、いずれその人の未来は明るいモノになるのではないでしょうか。少なくとも、私はそう考えています。