第88回 才能と、その才能を生かす方法
こんにちは、キャリア・コンサルタント高橋です。
そろそろ、ソチオリンピック(冬季オリンピック)が始まります。オリンピックのような大会は才能の塊のような人たちが世界一を目指して競い合います。今回はこの才能について思うところを書きます。
■誰にでも才能はある! だが・・・
才能についてはこんなことをいわれることがあります。
~誰もが才能をもっている。しかし、ほとんどの人がその才能を生かすことができないだけだ~
仮にこの言葉が正しいとしたら、オリンピックで活躍されている人は自らもっている才能を生かすことができている人ということになります。ということは、世の中にはまだまだたくさんのオリンピック級の才能をもっている人が埋もれているのかもしれません。そう考えると、今、オリンピックで活躍している人とそうでない人との違いの一つには、「自分の才能に気づき、それを生かすことができているかどうか」があるのかもしれません。
■自分の才能を知るためには?
それでは、自分の才能をどうやったら分かるのか? 少し考えてみましたが、この答えは私には分かりませんでした。というのも、何かの結果として表れたモノが人より優れていた場合に、結果的にそれを才能と呼ぶのだからだと思います。だから、才能というのはやってみなければ判断できない代物なのです。決して、何もしていないところに才能を見い出すことなど誰にもできないと思います。
しかし、そう考えると一つだけ自分の才能を知る方法があるということになります。それは、「とりあえず結果が出るまでやってみること」です。何かをやってみて得られた結果から、才能があるかどうかの判断はできます。そうやってたくさんのことを経験する中で自分の才能を探し出すことはできるような気がします。
これは、ITエンジニアにもいえることです。ITエンジニアにはたくさんの職種がありますが、どの職種がその人の才能を一番発揮できるのか? それを知るためには、その職種を経験するしかないということです。
■自分の才能を生かすためには?
最初にも書きましたが、才能はもっているだけでは片手間な状態です。才能には、その才能を生かす場が必要なのです。それでは、ITエンジニアにとって才能を生かす場とは何か? これは色々と考えられます。パッと思いつくことでいえば、仕事や現場が出てきます。自分の才能を仕事や現場で使うことができれば、それだけ作業効率も上がりますし、生産性もアップします。それは、その人の価値を高めることに繋がるでしょう。才能が自分の価値を高める、素晴らしいことだと思います。
他にも、才能を情報として発信するということも考えられそうです。例えば、この「エンジニアライフ」も才能を発信する場としてはこれ以上ない場所だとなるでしょう。また、ブログ、コミュニティー、勉強会などから才能を発信することができるかもしれません。これらの媒体を使い才能を発信し続けることで、その才能をキャッチした人が何かをもたらしてくれることはあるかもしれません。
■才能を探し、才能を生かす
キャリア・コンサルタントでは、相談者の仕事に対する適性を調べることがあります。専門的には自己理解※と呼びますが、面談や診断ツールなどを使うことで相談者の志向や想いを具現化します。その上で、相談者の志向や想いを実現させる仕事が何かを考え、その仕事にどうやったら就くことができるのかを考えます。この「相談者の志向や想いを実現あせる仕事」が何かを考えることを仕事理解※、「どうやったらその仕事に就くことができるのか」を考えることを意思決定※と呼びます。
※自己理解:詳しくは『第3回 自分の何を知る?』をご参照ください。
※仕事理解:詳しくは『第4回 あなたが望む仕事とは?』をご参照ください。
※意思決定:詳しくは『第5回 あなただけのキャリアを設計する(1)』以降をご参照ください。
こうしてみると、キャリアをつくるということは、自らの才能に気づき、その才能を生かすということと置き換えられるような気がします。もし、自分には才能がないなぁと思われている人がいたら、それは才能がないのではなく、自分の才能に気づいていないか、才能には気づいているが才能を生かす場所をみつけられていないのかどちらかです。そんなときは、今一度じっくり自分の才能と向き合ってみるのも大切なことではないかと思います。