九州のベンチャー企業で、システム屋をやっております。「共創」「サービス」「IT」がテーマです。

ご迷惑をおかけしました。なんて言葉はいらないーY君の脱走ー<原因探求のうち前編>

»

前回、「ご迷惑をおかけしました。なんて言葉はいらないーY君の脱走ー
<発端編>
」として、Y君が引き起こしたドタバタ劇の顛末を<発端編>
として書かせていただきました。
新年最初のテーマとしてはどうかと思いはしたのですが、昨年末付けでY
君も退職したことですし、年も改まり気持ちを切り替えるにも丁度良い時
期かとも思い、今年はこのネタから始めることにしました。
今回は<原因探求編>として、なぜY君がそのような事件を引起したのか、
その原因を探ってゆきたいと思います。ただ、少し長くなりそうなので、
原因探求編を前後二回に分けて。

Y君は工業高校卒新卒採用の15年選手でした。当初は開発メンバとしてプ
ログラミングを担当していましたが、最初のプロジェクトに参加した際に
メンタルを壊しかけ、開発からはずれカスタマーサービスの担当となりま
した。カスタマーサービスは導入したシステムのアフターフォローとスパ
イラルアップを目的として、問合せ対応や障害対応、利用者教育等、シス
テム利用者との窓口最前線となる重要な役割です。内に籠りがちな他の開
発メンバーに比べて、Y君は愛想もよくお客様とのコミュニケーションも
苦にならなかったようで、プログラミングをしていた時よりも生き生きと
し、メンタルもすぐに回復したので、彼にとってはこちらが向いていたん
だな、と思っておりました。そこでもう一社、担当のお客様を増やし、こ
のお客さまは女性が多い職場とあってか結構かわいがられ、何かの用事で
訪問する度にコーヒーやお菓子をごちそうになっていたようです。

ただ一方で4年程前から少しずつ、おかしな事が起こり始めていたのです。

ことの発端はY君が最初に担当したお客様で、機能追加の対応を行った際
に障害が発生した時でした。機能追加自体は別の開発メンバーが担当し、
Y君はデグレが発生しないよう、既存機能の動作確認を担当しました。そ
の既存機能に障害が発生したのです。最初は確認漏れを疑ったのですが、
試験仕様書があり、そこに将に障害が起きた機能の確認項目があり、Y君
が確認済みにしていたのです。本人に確認しても、なぜやってもないこと
を確認済みにしたか記憶がないとのこと。
また、同じお客様がY君のことを心配している、という情報も飛び込んで
きました。慌ててお客様のもとへ確認しにいったところ、Y君に依頼した
メンテが抜けたり間違ったりしていることが頻発していたので、病気を心
配していたとのこと。これも本人に確認したところ、まったくもって自覚
なく、ただメール等を調べさせると、確かに抜け等が発生していたことは
確かなようでしたが。
しかし、そのような中、またひょんなことから、Y君がプライベートで金
銭トラブルを抱えていることが発覚しました。早急に法律相談所に行かせ、
一方で彼はプライベートに問題を抱えたから、仕事でミスをしていたのだ、
ということになりました。プライベートの問題が片付けば、また仕事にも
身が入るだろうと。
ただ、本人の無自覚さは気になったので、席を上司の目の届くところに変
え、またお客様のもとに行く際は一人ではなく、必ず他の誰かが付き添う
こと。メールや電話で受けた内容は、かならず管理表に記載して共有する
ことと週一回の進捗会議にて報告することを徹底させました。

いったんはそれで落ち着いたかのように思えました。しばらくして本人の
プライベート問題も弁護士と相談し、片付いた様でした。

~後編へ続く~

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する