九州のベンチャー企業で、システム屋をやっております。「共創」「サービス」「IT」がテーマです。

ご迷惑をおかけしました。なんて言葉はいらないーY君の脱走ー<発端編>

»

それは、一本の電話から始まりました。

以前、私がシステム導入を担当した会社の社長さんからでした。タブレット
の調子が悪いので買い換えたいとのという依頼でしたが、そのついでの話が、
わざわざ社長が直接電話してきた本当の理由の様でした。

「ところでY君なんだけど、体調悪いの?いろいろと頼んでいることがある
 けど何も対応してくれないんだけど」

Y君は、システム導入後にその会社のサポートを担当している元部下です。
なので、現上司とY君を呼び出し、社長からクレームの電話があった旨伝え、
早急に事実確認と対応を依頼しました。

その後、別の打合せが入っていたので、そちらに参画し、席に戻ってくみる
とY君から私と上司宛にメールが入っていました。

曰く。私事だけど話したいことがるので時間をくれ。

クレームへの対応が急がれる中、今話さないといけないことなのか、と返す
と、今話したいとの回答。仕方なく上司と、Y君の話を聞くことにしました。
内容は以下の感じ。

「会社を辞めたいと思っている。モチベーションが持てなくなった。朝も会
 社に行きたくない」
「そうか。次の働き先は決まっているのか?」
「今、探している」
「うーん。だとしたら、これは今、話さないといけないことなのか?クレー
 ム対応はどうするんだ?」
「・・・」

これはもう、クレーム対応から逃げ出したいのだなと思い、またその様な状態
でお客様対応させるわけにもいかず、この日はそのまま帰らすことにしました。

翌日、上長が改めて面談したところ、別の問題が発覚しました。
Y君が担当している別のお客様で、社内承認を取らずに見積を提出した案件が
あり、その案件が発注されてしまったため、バレることを恐れて注文自体を隠
蔽したというのです。しかし納品はしないといけないけど自分では対応できな
いので、上長名義で納期延長の文書をでっちあげ、上長のハンコを勝手に押し、
お客様へ提出してるとのこと。それも2回。流石にこれ以上は納期の延長もで
きず、その期限が間近に迫りニッチもサッチもの状態だったようです。

実はY君が問題を起こしたことはこれが初めてではありません。
別のお客様からも、お願いしていることを対応してもらえないとクレームがあ
ったり、自分が担当していたテストを確認済みで報告したにも関わらず、実は
確認しておらず、そこが原因の障害を引き起こしたり。
今年の夏も、お客様への見積提出が漏れている疑惑がでてきたので、調べる様
に依頼すると「わかりました」と言ったきり音さたなし。どうなったのか督促
すると「提出してました」と回答するものの、挙動が不審だったので証拠を求
めると、「提出していませんでした」と白状したり。

これまでの問題は、本人のミスということで事を大きくしていませんでしたが、
今回は明らかに本人の意思で隠蔽と虚偽の報告、文書の偽造まで行っており、
加えて辞めることですべてを投げ出そうとしていることで悪質性は高いため、
Y君は一週間の休暇ののち退職届が受理されて退職することになりました。
ただ問題発覚後の一ヶ月は上長含め他のメンバーはY君の尻ぬぐいで、本当に修
羅場でした。まず、お客様への謝罪行脚、代わりの担当のアサインと引継ぎ、
取りこぼした内容、もしくはバックレようとした内容の対応。加えて、尻ぬぐ
いをしていく中で発覚する新たな問題への対応。

幸いにもY君の担当は、どれも重要度が高いものはなかったので大きな被害に
ならずに済んだのですが、今回の件はとても多くの教訓を得ることができたと
思いますので、これから何回かに分けてその辺りを整理してゆこうと思います。

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

これは、システム(業務フロー等も含む)や組織の問題…というのが、私のスタンスです。


# でも、そういう人がいる事もお怒り(なのかどうかも不明ですが)もごもっともです。


さて、この難問を、どのように解決(再発防止)されたのか、続きが楽しみです。

コメントを投稿する