生き様109. 大事な事は大体ゲームから教わった~その拾:ポジティブに振り返る~
お掃除楽しいです
最近、お掃除系の動画をよく見る様になりました。
家の中の色々なところのごっつい汚れがキレイになっていくのを見て楽しみます。
自分の部屋ではないのですが、何故か清々しい気持ちになれます。
その中には、自分の家でもやってみようと思うものがありました。
「専門的な洗剤や道具はなくても、部屋の汚れは落とせる。」
動画から、そんな勇気を貰い、頑固な汚れに立ち向かっています。
そして、実際に効果があると嬉しいですね。
後は「捨てる勇気」が持てれば……。
今回はTRPGから学ぶ
「大切なことは大体ゲームから教わったシリーズ」も10回目になりました。
前回の振り返りでも少し触れていますが、10回の区切りの中で1回書いています。
今回は、「その肆」で出したTRPGから学んだものについて、出していきます。
白栁のマネジメントの原点は、TRPGにあります。
ですので、このシリーズでは比較的多く扱うことになると思います。
今後も含めると。
振り返りは【難しい】
「振り返りが難しい」という話を耳にすることがよくあります。
もちろん、振り返りが簡単だ、とは口が裂けても言えません。
そして【難しい】と思うポイントは人それぞれです。
10人が居たら、10人が同じポイントを「難しい」とは感じないでしょう。
僕は、活動分野の関係上、他人の振り返りを見る・一緒に振り返る体験が多々あります。
その体験の中で特に「振り返りが上手くないな」と感じる事があります。
どういう時に、「上手くないな」と感じるのか、考えを深める機会が最近ありました。
その中で多かったと感じたのが
- 何を振り返っていいか分からない
- ネガティブ観点ばかりになる
- 改善案がないと改善点を出してはいけないと考える
- 「思う」ばかりでふわっとしてる
です。
今回は、2つ目の「ネガティブな観点ばかりになる」点について扱います。
その処方になるかもしれない、TRPGで学んだ「振り返りテクニック」をお話します。
他の項目については、ここ1~2ヶ月ぐらいで取り上げて行きたいな、と考えています。
TRPGと振り返り
TRPGという遊びの中には、振り返りが積極的に取り込まれています。
元々、複数人で一つのゲームを遊ぶのですから、共通の体験を別の視点で持っています。
それを元に、良かった所/悪かった所を話す、というコミュニケーション文化がありました。
それは、共通の趣味の映画や小説について話す様なものです。
ただ1点大きく異なるのは「自身の体験」という主観が入ることです。
そして、それは何気ない行き違いを、大きな諍いの種へと育ててしまいます。
例えば、お気入りのキャラの欠点を挙げられた時、気分を害する人は居るでしょう。
しかし、多くのケースでキャラと自身は別の存在であります。
時間が経てば不快な感情は収まります。ちょっとした諍いでも仲直りできるでしょう。
しかし、自分自身の欠点や行動を咎められた場合はどうでしょう?
「基本的に」と言ってもいいぐらいに、反発の反応を示すでしょう。大きな怒りを伴います。
人間関係の決定的な亀裂へと発展する可能性も高いのです。
それなら「振り返り」をしなければいい。
それは極論なのですが、やはり人間、共通の体験があれば話題にしたいものです。
それでなくても、多くのTRPGとが「冒険」をテーマにして扱います。
そこには、キャラクターの成長点(経験値)の精算や、報酬の分割が含まれます。
ドラクエとかFFをやった時、戦闘後に出るリザルト。アレです。
アレを、大体1つのゲームが終わる単位で行うのです。
そこには、振り返りが必要となるでしょう。
「ポジティブに振り返る」文化
その様な、不毛になり得るやり取りに、システムとして指針が示されました。
およそ20年ぐらい前、90年代末のことです。
これは、「トーキョーNOVA」というゲームの、振り返りに使う部分です。
経験点(値)を得られる条件として「ゲーム的に上手く立ち回った」と同じレベルで、
○ 良いロールプレイをした
○ 他のプレイヤーを助けた
が入っています。
ここでポイントなのは「キャラクター」ではなく「 プレイヤー」であることです。
これはつまり、
「その時、一緒にゲームを楽しんだ同士として、助けられたことはありますか?」
ということです。
こうして、お互いに助け合った、ここが良かった、あそこが良かった、etc…
必然的に「ポジティブな内容を振り返る」ことになります。
そこからあっという間に、文化として広がりました。
この記事は、国内TRPGの歴史を詳しく語る場ではありませんので詳細は省きます。
今では、国内で出版される多くのTRPGルールブックの中に、同様の仕組みが取り入れられています。
「ネガティブ」化しやすい【振り返り】
【振り返り】という言葉に「悪いところを挙げていって改善する」。
そんなイメージはありませんか?
小学生の時、「帰りの会」で1日の振り返りをした経験のある人は多いでしょう。
何故か、悪いところばかりが挙げられ、個人攻撃にまで発展した事を見た経験がある人は多いはずです。
確かに、日々の行動の中から改善点を発見して、改善していくことは大切です。
【振り返り】が行われる大きな目的の一つだと言えるでしょう。
他人の悪い点を指摘し、改善を促すことには、マウンティング的な【快感】が伴います。
【振り返り】を行う目的がしっかりと共有されていない場合、この【快感】に流されがちです。
また、完璧な人間などこの世にはいません。
自分の行動を丁寧に振り返れば、大小はあれども悪い行動が見つかります。
そして、その行動と結果をを「反省点」として挙げるのです。
これで、【振り返り】を行った気になれるでしょう。事実、してはいます。
そして、共に掘り起こされた後悔を抱えて、暗く重苦しい気持ちになります。
みんながこれをすると、お通夜の様な、陰鬱な「反省会」の場になってしまいます。
これらは、【振り返り】の「別の1つ大切なこと」を疎かにしています。
それは、「変えるべきではない良かったこと、改善のために工夫したことを議題として挙げて、効果を検証する」ことです。
「ポジティブ」に【振り返る】
古いアニメに「愛少女ポリアンナ物語」という作品があります。
某塾のCMでおなじみ、アルプスの少女ハイジと同じ、世界名作劇場の1作品です。
この作品では、序盤に「よかった探し」というキーワードがでてきます。
1日ひとつの「よかった」を探して、貧しい生活に彩りを付ける工夫でした。
そして、それは全編を通して、主人公の価値観の軸になり、行動に繋がります。
苦難や困難を前にしても、それを「よかった」に変え立ち向かう姿勢が描かれました。
僕は、「よかった探し」だけでは【振り返り】は成り立たない、と考えます。
しかし、このポジティブに振り返る姿勢は大事ではないか?と考えるのです。
良かったことも、悪かったことも、失敗も、成功も、挑戦も。
これらを全て平等に取り扱って、初めて【振り返り】だと考えます。
問題点は共有し、改善とともに再発防止の為に共有されるべきです。
それと同じくらい、出来たことは「できた!」と喜んで共有し、称賛されていいのです。
挑戦して失敗したことを共有し、悔しさを分かち合ってもいいでしょう。
仲間への感謝を伝えることだって、大事なことです。
これらのどれもが、大事な【振り返り】の要素です。
もし、あなたの目の前にある【振り返り】が、ネガティブな振り返りに偏る様なら。
あえて、ポジティブな振り返りと中心にして、バランスを変えてみては如何でしょう?
おまけ:「ネガティブ」は振り返らなくていい?
「ポジティブな振り返り」というと、ネガティブな事を一切排除する、というイメージを持つ方もいらっしゃいます。
一つの考え方として
「ネガティブな振り返りは各自で行う」
というものがあります。
問題点やそれに伴う改善点は、各自が否応なく目につくのだから、指摘する必要はない。
各自がわかって、改善していくならそれで良い、という思想です。
ある意味で、僕はこの考え方もアリだと考えています。
しかし、問題点を共有し議題に載せることで、それを共有し再発防止に努めたり、改善の意見を広く募る、という方法もあります。
【振り返り】の中で本当に重要なのは「押し付けにならない」ことかもしれません。
この話題はまたいずれ。
以上!
ミニコーナー:こちらヤマネコシステム技術部三課!
ここは日本のどこかにあるかもしれない「ヤマネコシステム」社。
そこはかとなく、ブラックの香りがするこの会社の日常を、少し覗いてみましょう。
※本作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
登場人物
三課:受託開発&新サービス開発
ヒノモト : 主人公 アラサーエンジニア
某社のワクチン接種に関する通達
一. 職域接種は、行わない。各自にて自治体での接種や、就業先での職域接種を利用し可能な限り速やかに受けること。 |
一. 接種に関わる時間は、休憩時間として扱う。有給の取得を推奨する。 |
一. 強い副反応に際しては、現場責任者と調整し、就業可能であるかを見極めること。 |
一. 強い副反応で就業できない場合、欠勤として扱う。 |
(つづく)
ITエンジニアの視点で、時事ニュースを5分間で紹介する動画を平日ほぼ毎日公開してます。
「日々の生活の中にエンジニアリングがある」からこそ、
身近な時事ニュースから学ぶことが重要です。