元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様075. ITエンジニアの多様性

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春はまだですか?

寒さの厳しい日々が続きますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
絶賛在宅ワークで24時間引きこもり生活を送っている、白栁です。
1週間に1度ぐらいしか、買い物で外出しません。健康的ですね!

僕は自宅に居るときは、エアコンを基本使いません。
夏は扇風機、冬は着込んで対応しています。

今年の夏は暑すぎて、流石に仕事にならず冷房のお世話になりました。
最近の寒さも辛くて、そろそろ限界を感じています。
フリースを着て、はんてんをひざ掛けにして活動していますが。
あと、おやつのアイスが美味しいです!

寒暖の差がないので、逆に風邪はひかないようです。


ITエンジニアに向かない人?

丁度2日前に、Horusさんが『自分がエンジニアに向いていないと思っている人への提案』という記事を投稿しています。
その中で、3つのエンジニアの在り方が示されています。

  1. 技術を追いかけるエンジニア
  2. データを読み解くエンジニア
  3. 言葉を整理するエンジニア

ホランドコードという職業選択理論があります。
これの職業分類によると、ITエンジニアは「研究的な仕事」に分類されます。

これらに合わない人は、本当にITエンジニアに向いていないのでしょうか?

また、実際にITエンジニアとして仕事をしてみて「なんか違う」と感じた人も多いでしょう。
そういう人達は、本当にITエンジニアに向いていなかったのか?

今回は、ITエンジニアの多様性についてお話しようと思います。


ITエンジニアの相性問題

いろいろな現場でお仕事をさせていただいた体験から言えることがあります。
ITエンジニアに必要な特性って、1種類じゃないです!

ある仕事で大活躍したITエンジニアが居たとします。
その人が、どんな仕事でも大活躍できるか?と言われれば、そうではありません。
仕事にも相性というものがあります。

合う仕事/合わない仕事がある、というのはSESや派遣でよく言われることです。
その主な要素として挙げられるのが【技術】【人間関係】【環境】でしょう。

【技術】というのは、わかりやすいですね。
例えば、Webのフロント系が得意な人は、システム間の連携バッチの仕事とは相性が悪そうです。
例えば、『m2a』を任されたマリちゃんの様に。

また【人間関係】も想像しやすいでしょう。
例えば「どうしても反が合わない上司がいる」などですね。
ハラスメントを受けている、というのも該当します。
コミュニケーションに関わるものはここに含めて良いでしょう。

では【環境】とは何でしょう?
乱暴に言うと、上記以外の外的要因全てです。
例えば「会議室に折りたたみの机・椅子だけで仕事をしている」。
「開発用のPCの性能が圧倒的に低い」や「毎日3の時間進捗会議」等です。

この3つの要素が組み合わさって、仕事との相性が決まります。
どの要素も大きいのですが、【人間関係】や【環境】は仕事により大きく変わります。
1つの仕事が合わなかったからといって、どれもダメと考えるのは勿体ないですね。


色々なITエンジニア

仕事の内容による適正の変化は「別の職種」と言える程に幅があります。
これからお話するのは、僕が見聞きしたもので、ITエンジニアの仕事の極一部です。
それを独断と偏見で分類してみました。

新規大型サービス開発(SES的)

大型のサービスを新規開発するお仕事です。
複数の会社の人が一挙に集められて、担当を分割しながら開発をしています。
「SES」という言葉がひもづくのも、この仕事でしょう。
日本のIT業界の中で、一番人口が多い仕事だと考えています。
また、何故か「火を吹いている」事が多いという印象があります。
それに伴って、残業も多い印象があります。 【技術】は最新のものや高いものを求められることは少なく、
【人間関係】や【環境】はガチャ性が高い傾向があると感じます。

運用保守

一つ前に挙げた仕事が「新規開発」なら、こちらは「保守」です。
「新規開発」に比べて、「保守」と名前が付く仕事は大幅に人員が削減されます。
開発のときのメンバーは、営業以外誰も居ない、ということもあります。
その理由は「作業量が少ないから」です。
トラブルがなければ、比較的のんびりとした仕事となることが多いと感じました。
しかし、一旦トラブルが起きれば、その内容次第で激務になります。

新規開発の時と同様に【技術】は最新も高さも求められません。
むしろ、既存のコードがありますから、経験が浅い人は勉強になるでしょう。
ただし、既存のコードを読み解いて問題を修正する能力は、最低限求められます。
【人間関係】のガチャ性はこちらの方が高い印象があります。
ですが【環境】は比較的安定していると思います。
前述の理由から残業も少ない方ですしね。

保守開発

前述の「保守」に「開発」が追加されます。
運用保守をしつつ、制度改正等で少し大きな対応をする開発を行います。
二次開発まではいかないレベルの対応を想定しています。

【技術】【人間関係】【環境】共に「保守」に準じます。
開発が主な仕事に入る分、【技術】は少し高めになります。

ベンチャースタートアップ

ベンチャー企業のスタートアップ案件と呼ばれるお仕事です。
僕は伝聞レベルでしか知らないので、ぼやっとした内容になります。

ビジネスが固まっていない状況から動き始めることが多く、要件が変わることが多いそうです。
ですので、柔軟性をもって対応することが求められます。
【技術】的にも最新の技術を要求されることが多く、新しいことに興味があったり、勉強することが大好きな人が求められます。
【人間関係】は、主張が強い人が集まる印象です。
こちらもしっかりと主張ができないと、ツライでしょう。
【環境】に関しては、ビジネスの達成のためなら結構融通が効く印象です。
ただし、結果が求められることに関しては、他より強いでしょう。

アジャイル系

ある程度の大きさではないWebサービスや、スマホアプリ開発の現場では、この「アジャイル」方式が増えています。
1週間とか2週間とかのスプリントでリリースを繰り返す方式ですね。

【技術】として求められることは、ベンチャーほど高くない印象です。
ただ、新規開発程低くはないでしょう。
チームとして動きますので、ある程度の能力の低さはフォローし合う様です。
ペアプログラミング等で伸びていくことも期待できるでしょう。

【人間関係】については、特に肝となる部分です。
チームを作る際にも、人間関係の相性が重視されます。

【環境】はまちまちでしょうが、そこまで酷いことは考えられません。
また、「期限までに達成する」よりも「期限までにできること」が重視されます。
期限に間に合わせる為に、無茶な仕事量をこなす、ということは考えづらいです。

エンタメ系

ゲーム開発やアミューズメント機器に関する、娯楽に関わる仕事です。
「世の中にまだ無いものを作る」というのは、とても苦しいことです。
しかし、その分やりがいがあります。

【技術】に関しては、仕事の内容によってまちまちです。
ただし、これまで紹介した仕事とは技術の方向性が違うことが多いです。
【人間関係】も、同じ方向を向けている仲間となら良好な関係を築けるでしょう。
【環境】については、開発する内容に合わせたものになります。
極端に高くなければ、極端に低くもならないでしょう。

インフラ系

インフラに関わるお仕事も立派にITエンジニアの仕事です。
最近では、クラウド対応が多くなりました。
それにより、スクリプト程度のプログラミングは必要となることが多いそうです。

クラウド系は今流行の技術です。
その為、求められる【技術】は最新のものになります。
流行だけに、動きも早いと感じます。

【人間関係】については、古い技術と新しい技術が交わる場所ですから。
人も色んな人が交じる場所だというイメージがあります。
【環境】に関しては、インフラですから雑なことはないでしょう。
といいつつ、一番おざなりになりそうなのもインフラの怖い所です。
ここの環境が悪かったら、真っ先に逃げることを考えて方が良いでしょう。


白栁のタイプ

過去に僕は「どの仕事でもやっていけるタイプ」と言われたことがあります。
ある意味、それは正しかったと感じています。
上に挙げたもので、半分以上の現場を体験しているのですから。

ただ、僕が一番「性分に合っている」と感じたのは「保守」の仕事です。
挙げられたバグのリストをクリアしていくのが楽しかったです。
また、他人の作ったシステムを分析していくのも好きでした。

今後機会があるなら、もっと色んなITエンジニアとしての仕事を体験したいです。
でも、最終的に腰を落ち着けられるなら、保守のお仕事がしたいですね。


ITエンジニアの仕事は沢山ある

今回紹介したのは、ほんの一部です。
世の中には、技術よりもコミュニケーション能力を求められるエンジニアもいます。
例えば、客先でIT業務をサポートしたり、システムの提案をするエンジニアです。

世の中には「案件ガチャ」という言葉があります。
悪い意味で使われる場合が多いですが、僕は良い意味も含むと考えています。
また、誰かにとって悪い仕事であっても、他の誰かには良い仕事かもしれません。

「ITエンジニアに向いてない」
そう考える前に、他の仕事にも目を向けてみては如何でしょうか?

以上!




主催イベント宣伝

イベント前日の最後の宣伝になります。
2021年1月22日(金)にオンラインイベントを主催致します。
その名も【超ショート】90秒LT会【2021Winter】です。

新しい年の抱負を発表してみませんか?
もしくは、オンラインイベント登壇の試しに、90秒でお話してみませんか?
どんなイベントになるか見てみたい、という方も参加歓迎!!
他人の目標や登壇を聞くだけでも、勉強になりますよ!

現在、登壇参加者・視聴参加者を募集しております。
上記リンクのConnpassページから、参加登録をお願いします。

また、このイベントは3ヶ月ごとの開催を予定しています。
今回ご都合が悪い方は、是非次回、4月のイベントへの参加をご検討下さい。
宜しくお願い致します。




ミニコーナー:こちらヤマネコシステム技術部三課!

ここは日本のどこかにあるかもしれない「ヤマネコシステム」社。
そこはかとなく、ブラックの香りがするこの会社の日常を、少し覗いてみましょう。

登場人物

三課:受託開発&新サービス開発
 ヒノモト : 主人公 今回は出番がない
 ゴリタ主任 : 三課の良心
一課:営業
 ハスキ主任 : デキル?営業 見積もりが甘い

テレワーク

ゴリタ主任「ああ、ハスキさん。丁度良いところに」
「頼まれていた見積もりできましたよ」
ハスキ主任「ありがと~、ゴリタくんっ!助かるよっ」
「あれ~?でもコレ、ちょっと高くなぁい?お願いしたのと違うよねっ」
ゴリタ主任「あれはとても現実的ではない数字でしたから、捨てました」
ハスキ主任「え~、チョット待ってよっ。お客様にアレベースで提案しちゃってるのにぃ」
ゴリタ主任「なんですって?見積もりが甘いのはともかく、そんなこと今までなかったじゃないですか」
ハスキ主任「ウチの、アヒルくんがねっ、ちょ~っと先走っちゃって…」
「元の数字でなんとかならない?」
ゴリタ主任「なりませんね。一人以上タダ働きになります」
「残念ですが、アヒルさんをしっかり叱って、お客様に謝って下さい」
ハスキ主任「え~、そんな~っ。ゴリタく~ん、なんとかしてよ~」
ゴリタ主任「・・・営業が赤字を飲んでくれるならできますよ」
ハスキ主任「ゴリタく~ん!!」

(つづく)




ITエンジニアの視点で、時事ニュースを5分間で紹介する動画を平日毎日公開してます。
「日々の生活の中にエンジニアリングがある」からこそ、
身近な時事ニュースから学ぶことが重要です。

#ほぼ日ITエンジニアニュース

今日公開された動画では、昨日20日に発表された第164回芥川賞・直木賞の受賞者発表のニュースを取り上げました。
最近の文学賞は、余り話題に登ることが少なくなっていると感じます。
文学作品と呼ばえるジャンルの作品が、馴染みが薄くなっていることもあるのでしょう。
もう少し柔軟に対応できたら、と思わずにはいられません。


Comment(1)

コメント

ちゃとらん

ITエンジニアの多様性、良いお話です。


職種の分類も、ああやって書き出すと多種多様ですね。さらに、業種(※)も考慮すると、本当に多様だと思いますから、ITエンジニアに向く、向かないを早急に決める必要はないかもしれません。

※:業種とは、常駐SEや業務パッケージ開発(社内開発)、あと企業内の情報システム部門など。これらの中にも、先に挙げられた職種(開発、保守、インフラなど)の組み合わせを考えると、全く別の能力(特性)が要求されます。


ヤマネコシステムのゴリタ主任 (三課の良心)・・・いいですね。でも、営業の先走りって、あるあるですから、これからもゴリタ主任の活躍、期待しています。

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