「できないこと」を調べる
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ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。SaaS開発とテストファーストについて、「できないこと」を調べることの重要性、「計画と見積もり」について、の3つのコラムを紹介する。
- SaaS開発ほど面白いものはない - TDD(テストドリブン開発)
- ネガティブ情報を調べる
- 無理なら無理で回避ルート/増床と統合の果て
SaaSとテストファースト
シンガポールで働くフリーエンジニア 山本保男氏による『アジアのソフトウエア開発現場にて』。「SaaS開発」シリーズ第4段。今回はSaaS開発とテストファーストについて。
筆者はかつて、テクニカルサポートエンジニア兼開発エンジニアとして、テストファーストを採用して開発を行っていたという。同じものを繰り返し開発する製品開発では、テストファーストのプラクティスはうまくいく。だが、同じ手法を業務ソフト開発に適用する場合、筆者は「かなりの工夫と開発者のパラダイムシフトが必要」と語る。一方で、「長期にわたってバージョンアップを繰り返すような開発の場合、 圧倒的な開発生産性を達成できるのも確か」だという。
SaaS開発はまさに「長期にわたってバージョンアップを繰り返すような開発」だ。SaaS開発において、テストファーストの考え方は欠かせないものだと筆者は主張する。
※なお、本コラムのタイトルには「TDD(テストドリブン開発)」という言葉が使われているが、TDDとテストファーストは厳密には同義ではない。テストファーストは、あくまでTDDにおける開発パターンの1つである。
「できないこと」を知ろう
エディフィストラーニングのマイクロソフト認定トレーナー 阿部直樹氏による『ITトレーナーの憂鬱』。今回は「ネガティブ情報」について。
新しい製品や技術について調べるときに、悩ましい問題がある、と筆者は語る。それは「『できない』ことに関する情報(ネガティブ情報)」が少ない、ということだ。「『できる』ようになったことに関する情報(ポジティブ情報)」に比べ、ネガティブ情報は圧倒的に少ない。「できないこと」を知るのは、「できること」を調べるよりもずっと難しいのだ。
だが、「できないこと」を調べることで、技術に対する知識は厚みを増す。新しい製品や技術を勉強するときは、「できないこと」にも目を向けよう。
常に最悪を想定する
客先常駐ヘルプデスクの神凪珀夜氏による『徒然なるヘルプ業務日誌』。前回、オフィス増床を行うことになった。今回は、筆者を含めてたった2人のヘルプデスクチームが、どのようにして諸々の課題を乗り切ったかを紹介している。
増床だけでも大量の作業が存在する。そのうえ、「一部部署の利用PC変更」「引っ越しの手伝い」「新入社員のPC設定」が重なった。すべての作業工数を見積もった筆者は、2人では人員と期間が足りないと判断し、回避するための交渉を始めた。
長期にわたるプロジェクトの場合、計画を立てるのは非常に重要である。その上で「明らかに(人員や期間が)足りない」と分かれば、回避策を練る。特に、「計画通りにいくとは限らないので、バッファをとる」ことと「常に最悪を想定する」ことが、トラブル回避には欠かせない。
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