日産プリンス ホンダのシティ 木琴 レコード ハーモニカ
タイトルのフレーズは何かというと、小学校だったか中学校だったか音楽の教科書に載っていたものだ。音符にあわせて歌ってみましょう、的な。なぜ、40年も昔のこのフレーズを思い出したかというと、やはり日産とホンダの経営統合が破談になった記事を見たからである。
昨年末、日産とホンダが経営統合に向けた協議を始めた、というニュースを見た際は正直驚いた。別に自動車業界や両社い関りがあるわけではないが、素人ながらの勝手なイメージからすると両社は真逆の性格を持っている。日産は財閥が創業した他社を吸収して大きくなった国策系官僚主義企業。かたやホンダはカリスマ技術者が創業した、技術系独自主義企業。性格も組織文化も全くことなる企業が経営統合する、というのだから。
特に日産は、ルノーとの経営からゴーン氏の支配、そのゴーン氏の逮捕から国外逃亡まで、国策系官僚主義企業によく見られる経営の甘さが目に付く。特に最近は国内自動車としては一人負け状態からの、今回の協議、如何に言葉を飾ろうと日産経営者の現状窮地をどうにかしたい、という思いが透けて見えてしまう。
日産側は動機があるので経営統合を持ち掛けることに不思議はないが、ホンダ側が協議に応じた、というところに驚きがあったのだ。もし、本当に経営統合が実現したなら、真逆の性格の人がタッグを組むということは性格の不一致を超越する何か凄い目的や戦略がある、という事なのだから。
ところが3ヶ月を待たずに協議は破談。ホンダが日産の子会社化を提案し、日産がそれに反発した。おそらくホンダ側は経営統合に本気ではなく、取り合えず日産側の話だけでも聞いとくか、レベルの事だったのではないかと思われる。しかも自分達に得るものがなければ破談にする方法も知っていた。子会社化を提案すれば、プライドだけが高い日産は反発するであろう、と。
やはり日産の経営陣は甘い。あくまで素人の想像にすぎず、実際はもっと何かがあったのかもしれないが、ホンダとの経営統合に活路を見出そうとしたのに自らのプライドの高さでその活路すらみすみす捨ててしまった日産を世間に印象付けてしまった。おまけに、逃亡先のインタビューでゴーン氏からも、日産とホンダの統合にシナジー効果は生まれない、と言われてしまう始末。お前が言うか?という感はあるものの、それみた事か、という結果には変わりない。
先のフレーズが小中学校の音楽の教科書にのっていた1980年代は、日本の自動車産業が世界に躍進した華々しい時代。一方で今の時代は自動車は飽和し、自動車離れがすすみ、エネルギーや運転などのパラダイムシフトが求められる厳しい時代。経営者の戦略と手腕が問われる中での今回の話はかなり残念だったかな。