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辞める理由を聞いてはいけません

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春は出会いと別れの季節などと言いますが、ここのところ社内外含め仕事で関係した人の退職が続いた。会社を辞める理由は各人それぞれ理由があるだろうが、残された者にとっては引継含め負担が増えることには等しく変わりない。

出典は失念してしまったが、以前ネットで流行った動画が思い出される。確か、内容はこんな感じ。

退職シーン。上司の挨拶、花束が贈呈され、温かい拍手。場面は変わって上司の回想。新人だった退職者と一緒に客先を巡り、一緒に謝り、苦労を乗り越えて祝杯をあげている。再度、シーンは退職の場面に戻るが、冒頭の和やかな場面から一転、負担を押し付けられるメンバーの不満が爆発して乱闘騒ぎになるオチ。

秀逸な動画だと思う。定年退職などの計画退職以外、退職者を送り出す際の本心はそんなところにあるのではないか。優秀な経営者や管理職ならば、こんな時に備えて人の手配や業務配分をやっているであろうが、経験則からすると退職者に対して呑気に花束を贈ったり過去の思い出にふけっている経営者や管理職に限って、そんな周到なことはできない。

先代の経営者は、退職希望者が出た際、後学のためと称して自ら本人からの聞き取りを行っていた。おめでたい話である。辞める人たちは、今の組織に不満があるから辞めるのである。組織の不満は最終的にはその組織の長である経営者に帰結する。だから不満の対象は経営者といってよい。その経営者に本音を言うはずがない。辞めることを決めた時点で、今の組織とのかかわりはなるべく持ちたくないのだ。

だとしたら儀礼的に花束でも渡して気持ちよく辞めてもらう方が双方のためなのかもしれない。ただ、そうすると残るメンバーの感情が揺らいでしまう。辞める者を丁重にすればするほど、後始末をしないといけないメンバーの心境は複雑になる。経営者や管理職が本当に考えないといけないのは、残ってくれている者への配慮である。彼らが辞めた奴の穴をカバーしないといけないのだから。

そう考えると経営者や管理職が本当に考えないといけないことがが見えてくる。誰かが辞めると決めたときにはもう遅い。辞めると思われないように手を打っていかないといけない。また、まだ迷っている段階で予兆をキャッチして、フォローしないといけない。そして仮に退職者がでても、残る者が困らないように手を打っておかないといけない。そうしないから、組織崩壊がおこるのだという動画のサジェスチョン。

当たり前の話だが、できている経営者や管理職はすくない。だから動画がバズるのだ。

繰り返していう。辞めると決めた者に何かを求めても無駄である。

Comment(2)

コメント

匿名

> 辞める人たちは、今の組織に不満があるかある辞めるのである。

誤字かな?

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