九州のベンチャー企業で、システム屋をやっております。「共創」「サービス」「IT」がテーマです。

パワハラ可能な部下ーAIとの付き合い方ー

»

ChatGPTは乗り遅れてしまいアカウントが取れなかたので、Bardは即アカウントをとって遊んでみています。まだ、ビジネスでどう活用してよいかはピンと来ていないので、気になることや仕事上調べないといけないことが出てきた場合、思いつくことあればとりあえずなんでもBardに聞いてみたりするような使い方。

まだ今のところ、AIの仕事上での活用箇所や便利なことなどを見つけるには至っていませんが、実際に使ってみると、以前誰かが言っていた「AIはパワハラできる部下」という評価には妙に納得できるものがありました。逆にGoogleなどの検索エンジンの代わりになるのではと思っていたのですが、おそらくそれはなく双方はすみ分けた機能になるのではないかと感じております。

その大きな違いは、知識を得るための道具なのか、アウトプットを出すための道具なのかというところにありそうです。検索エンジンに質問を投げれば、正しいかどうかは別としていろいろな情報を提示してくれます。我々はそれら情報源に目を通して、正しいと思われるものを知識として蓄積します。一方でAIは、正しい(だろう)答えが提示されます。しかしその答えが正しいかどうかの根拠は示されるわけではないので、AIの答えを信じるかどうかは我々の判断となります。

問題は、自身に基礎知識や判断基準を持たない質問をした場合、検索エンジンに比べてAIの方が危うい感じがします。例えば上司が部下に仕事を指示する場合、上司は部下が作成するアウトプットに対して、正しさと品質において評価できないといけません。もし部下が出してきたアウトプットに間違いや求める品質に達していない場合、上司はダメ出しをしてもう一度やり直しをさせないといけないからです。しかし、やり直しを何度も繰り返しているとそのうちパワハラとして訴えられかねません。AIも同じで、AIの回答に間違っている点や説明不足の点があれば、それを指摘し、質問の仕方を変えてなんども回答を求めます。しかしAIはいくらやり直しさせても、人間の部下とは違いパワハラで訴えることはありません。だからパワハラ可能な部下。

言い換えるならば、上司は自分で判断できる範囲の仕事しか部下に指示することはできず、もし自分で判断できないようなアウトプットを必要とする場合は、それの専門家やコンサルタントに支援を依頼しなければなりません。おそらく専門家やコンサルタントは依頼者のレベルに応じた問いかけを通じて、求められているアウトプットの精度をあげてくれるでしょう。シンプルに言ってしまうと、AIにしろ部下にしろ嘘を見抜けなければ使うのは危険だ、ということでしょうか。

人間が故意であろうがなかろうが嘘をついてしまう(誤った情報を提供する)以上AIも嘘をつくことは前提である、とい話を聞いたことがあります。そのことがファクトであるかどうかはある程度チェックすることはできますが、正しいかどうかは受け取った人次第という側面もあるので、AIも人も嘘をつくことは前提としておかないといけないのでしょう。

そんなこんなで、ターミネータにおけるスカイネット社の様に、コンピュータが自我をもって人類を滅ぼそうとするかどうか、というと、それはもしかしたらあり得るのではないかという感じもしています。どちらかというとコンピュータやAIが人類以上に高度化してしまって害をなすようになる、というより人類の方が衆愚化してしまい自滅する、という方が近いのかもしれません。何かが便利になれば、その分の能力が退化するのは良くある話なので、人工知能が便利になれば、人間の知能が退化することはあり得ないはなしではありません。

因みにですが、最近はインボイス対応が花盛りで、経費精算機能に適格請求書発行事業者の登録番号を入力させるかどうかということが問題になり、その点についてBardに聞いことがありました。簡単に説明すると、発注管理機能では取引先マスタに登録番号を登録しておき、それで適格請求書発行事業者かどうか判断して税率を判定しますが、経費精算は立替精算なので一過性の購入先への支払が殆どです。マスターの整備は難しいので精算時に都度、支払先と登録番号を入力させる必要があるか、という問題です。Bardの回答は入力させろ。その理由はその登録番号で適格請求書発行事業者かどうか判断し税率を決めないといけないから。当方の出した答えは、入力不要。入力の手間を食うし一過性なのでマスタに登録する必要はない。添付するレシートでチェックすればよい。Bardの言っていることも一理ありますが、使い勝手などを考えると違う答えに行き着いてしまいました。

きっと性格がひねているので、それが人であったとしても、誰かが言ったことに対してはつい疑ってしまうのです。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する