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みんな裸で生きている その2

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みんな裸で生きている

あれから一年。さらに一年の研究成果をご紹介したいと思います。

1.立つ人
  服を脱いで浴場に入ると、浴槽の縁におっさんが立っていた。最初はあまり気
  にせず、露天に行き、サウナに行き、内風呂に戻ると、そのおっさんがまだ立
  っている。ずっと立っていたのかどうかは定かではないが、内風呂のジャグジー
  に浸かっていた10分程度は明らかに立っている。その後、そのまま浴場を出て
  いった。何だったのだろう。プレーリードッグの見間違いだったのだろうか。

2.寝る人
  浴槽の縁にたっている人は珍しいが、浴槽の縁に腰かけたり寝ている人は意外
  と多い。生まれがおんせん県おんせん市だったので、そこでは浴槽の縁は浸かっ
  ている人が頭を乗せるので、腰かけるのはマナー違反と教えられる。地元では
  ない場所でマナー警察になるつもりはないのだが、浸かっている浴槽の対面に
  縁に腰かけられるとちょうど股間が目線の位置にくる。自慢したいのかもしれ
  ないが、こちらとしてはあまり見たい代物ではない。寝る人は、単純に浴槽の
  出入りに邪魔。マナーとは、自分の振る舞いが周囲の人にどう影響するかを配
  慮することなのだろう。

3.さまよう人
  小さな温泉。浴場に入るとおにーさんが一人、湯につかるでもなく、体を洗う
  でもなく裸でさまよっている。最初は気にならなかったが、当方が湯に浸かっ
  たり体洗ったりしている間もさまよっている。結局、小一時間ほどして脱衣場
  に出るまでさまよっていた。脱衣場にでると裸の客が、「あれは、おかしい」
  とスタッフと話していた。結局どうなったはわからないが、きっとあれは伝説
  のフライング・マッパマン。

4.サバイバル
  混雑時のサウナは場所取り合戦だ。勢いよく入室したけど場所がなく、残念そ
  うに退室する人。とりあえず入口近くに座る人(入口近くは冷えやすく、TV
  や時計も見えない)。入口近くの人は誰かが退室すると移動するのが常だが、
  これが一等席(TV正面、上段)が空いた場合には少し様子が変わってくる。
  二等席(TV正面、下段)が参戦し、競争率があがるのだ。この勝負、入口付近
  は不利になる。距離もあるし、出ようとする人とバッティングする。特に激戦
  だったのが、一等席が席を空けたとたん、3人が立ち上がった。最初に移動し
  はじめたのが入口付近だったが、足を半ばまで進めた辺りで二等席が一等席に
  移動。奥のTV横も一等席を目指していたが、二等席が一等席移動したのを見る
  や作戦変更で二等席へ。残念なことに奥のTV横は窮屈だった場所で、どいたと
  たん両横が隙間を埋めてしまった。行き場を失った入口付近が仕方なく、もと
  の場所に戻ろうとした途端、新しく入室した人が座ってしまった。残念。
  混雑時のサウナは裸のサバイバルである。

5.スローモーション
  外気浴中、見ていたTVの傍らの花壇に腰かけていたじーさんが、ゆっくりと前
  のめりに倒れていった。最初は、何か拾おうとしたのかと思ったけど、手を延
  ばすこともなく頭から地面に。浴槽に浸かっていたオッサン達が慌てて駆け寄っ
  ていったが、人間の頭って重いんだな、と妙に感心してしまった。それと緊急
  時は若い人よりオッサンの方が反応がよい。スタッフを呼ぶためであろう。一
  人のオッサンが浴室出口に向かって全速で駆け抜けてゆく。

6.キツネダンス
  あるとき、サウナの隣に座っていたじーさんが、突然両腕を前に構えてピクピ
  ク。直ぐに終わるのだが、またしばらくすると同様にピクピク。なんだろう。
  痙攣なのかストレッチなのか。まるで流行りのキツネダンスの恰好だ。
  じーさんが、裸で、キツネダンス。なんというストロングワード。

7.盗人
  行きつけの風呂屋は、頻繁にボディーソープを補充している。体を洗っている
  と、すみませーん、とスタッフが満タンになったボトルと交換しに来るのだ。
  他の風呂屋はそこまで補充に来たことがないので、そんなに減りがはやいのか
  と不思議におもっていたら、あるときその理由が分かった。偶々た隣で体を洗
  っていたオッサン、自前のお風呂セットを持ち込んでいるのだが、そのなかか
  ら空のボトルを取出し、やおら補充したてのボディーソープを移し替え始めた
  のだ。そうか。そんな客もいるのか。 

8.風に立つライオン
  オッサンは、ドライヤーで髪以外の場所も乾かそうとするという生態は前回も
  報告させてもらった。だが、そいつはレベルが違った。これまでのオッサンは
  主に足を、髪を乾かすふりをしながら乾かしていた。恥じらいが、あるのだ。
  だがそいつは、鏡の前にマッパで立ちふさがり、ドライヤーを使って堂々と全
  身を乾かしていた。少し長髪。ドライヤーの風でなびく髪が、まるで風に立つ
  ライオンのようだ。
  それはそうと、日焼けマシンみたいに、中にはいると一気に全身を乾かしてく
  れるマシンを作れば意外と売れるかしら。

9.上から脱ぐか、下から脱ぐか
  上から脱ぐか下から脱ぐかでいうと、上からの方が圧倒的に多い。そして多く
  の人は、脱ぐ順番の逆の順番で着る傾向にある。ただ一定数、下から脱いで上
  から着る人たちがいる。どちらかというと、若い人たちにその傾向があるよう
  に感じる。ロッカーの前、下半身裸で、スマホをいじっているおにーさんは意
  外と見かける。先日は、上だけ着て下半身丸出しのおにーさんが髪を乾かして
  いた。なんだろう。いっそ、マッパの方が潔くないかい。

先日、老舗温泉旅館が週1回以上行うべき大浴場のお湯の交換せず塩素の注入も怠っ
ていたため、基準値の2倍のレジオネラ菌が検出された、という問題が報道されま
した。該当旅館には足を運んだことはありませんが、家から30分程度の温泉街な
ので、近所の日帰り温泉施設には何度か行ったことがあります。ここの温泉は、柔
らかくアルカリ性の良いお湯です。日帰り温泉施設は、毎日閉店後にお湯を抜き清
掃しているシーンが取材されていました。
温泉も良く、他の施設はきちんとやっているだけに、老舗旅館が衛生に対する認識
が甘かったこと、衛生面で手を抜いたり虚偽の報告することは許されたものではあ
りませんが、一方で事件当時の社長が退任後、自ら命を絶ってしまったことが一番
残念でなりません。こんなにも不寛容な世の中になってしまったのかと。

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